〔特集〕今、食べたい&作りたい人気シェフの味「しあわせ ロールケーキ」切り分けた瞬間、美しい渦巻き模様が現れるロールケーキ。 大人数でも楽しめて、見ても食べてもしあわせな気分になれるスイーツです。 人気パティシエ直伝のレシピから厳選お取り寄せまで、最旬の1本をご紹介します。
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人気パティシエ・江口和明シェフに教わる4つの生地
本当においしく作れるロールケーキ
16世紀に日本に伝来、現在も独自に進化中
スポンジケーキにクリームや果物を巻いた「ロールケーキ」は実は和製英語で、海外では「スイスロール」や「ルーラード」と呼ばれています。
16世紀にポルトガルから日本に伝わった原型は、意外にも伊達巻のルーツになりました。1950年代、イギリスのティータイム菓子を参考にして作られた山崎製パンの「スイスロール」で一般にも普及。2000年代にはたっぷりの生クリームを巻き込んだ「堂島ロール」が一大ブームを巻き起こしました。
現在ではぜいたくな手土産として、コンビニエンスストアの人気のおやつとしても定着しています。シンプルな構造だからこそ、生地やクリーム、具材で無限のバリエーションが生まれるロールケーキは、定番でありながら常に新しく、今現在も多くのパティシエや製菓ブランドが新たな個性を吹き込んでいます。
理想の1本に出会える4種類の生地
無駄な工程を省いてもプロの味に近づけるレシピに定評があり、書籍のみならず動画配信でも大人気のパティシエ・江口和明さん。今回は、「混ぜすぎや泡立てすぎを気にしなくても、失敗しない」という、4種類の生地を使い分けたロールケーキのレシピを教えてくださいました。
生地を焼く、カスタードクリームを塗る、ホイップ式クリームを塗る、中身をのせる、巻く。この5つのステップが江口式ロールケーキの方程式。カスタードとホイップ、2種のクリームを使い、切り分けた断面も美しくより食べ応えのある味を目指します。
「レシピどおりに作れば、ロールケーキ屋さんが開けますよ」と江口さん。おいしさ保証付きの保存版レシピに、ぜひ挑戦してみてください。
Lesson3
粉や卵の香りを楽しむ“しっとり生地”でなつかし味のロールケーキ

プリンロール
しっとり生地はほかの3種に比べて焼き色が濃いめ。キャラメル入りの生地とカスタードで、まるでプリンのような味わいに。
●ドリンクとのペアリング:コーヒー、紅茶、ミルク入りの飲み物
材料(28×28センチの型1本分)〈しっとりキャラメル生地〉卵………4個
上白糖………70グラム
薄力粉………50グラム
[キャラメル用]グラニュー糖………50グラム
生クリーム(乳脂肪分40パーセント)………50グラム
〈ホイップ式クリーム〉生クリーム(乳脂肪分40パーセント)………140グラム
グラニュー糖………7グラム
〈カスタードクリーム〉牛乳………100グラム
グラニュー糖………10グラム
卵黄………1個分
薄力粉………10グラム
バター(食塩不使用)………10グラム
バニラビーンズ………1グラム
〈中身のキャラメルソース〉グラニュー糖………30グラム
生クリーム(乳脂肪分40パーセント)………40グラム
下準備・型にオーブンペーパーを敷く。
・巻き用にオーブンペーパーを50センチ長さに切っておく。
・バターは常温に戻しておく。
・オーブンを200度に予熱する。
作り方〈しっとりキャラメル生地を作る〉(1)生地用のキャラメルを作る。鍋にグラニュー糖を入れて火にかけ、 鍋をゆすりながら茶色くなるまで加熱する。
(2)いったん火を止め、生クリームを少しずつ加えてゴムべらでよく混ぜる。弱火にかけて混ぜながらとろりとしたキャラメルを作り、耐熱ボウルに入れる。中身のキャラメルソースも同様にして作る。
(3)卵を別立てにする(
こちらの「抹茶ロール」の作り方の(2)~(4)参照)。ふるった薄力粉を混ぜる。
(4)(2)の耐熱ボウルに(3)の生地の一部を入れて混ぜ、生地に戻して均一に混ぜる。
(5)(4)を型に入れて表面をならし、天板にのせる。オーブンを190度にして9~11分焼き、敷き紙ごと取り出し、クーラーの上で冷ます。
〈2種のクリームを作る〉(6)カスタードクリームを作り、冷凍庫で約20分急冷し、使うまで冷蔵庫で保管する。巻く直前にホイップ式クリームを作る(
こちらの「カスタードクリームを作る」「ホイップ式クリームを作る」参照)。
〈中身をのせる〉(7)(5)の生地の敷き紙をはがし、焼き面を上にして、オーブンペーパーの上に置く。(6)のホイップ式クリーム120グラムを生地の真ん中に落とし、カードで塗る。
(8)(6)のカスタードクリームをバットから取り出してカードで2センチ幅に切り、生地の手前を3センチあけて並べる。(2)のキャラメルソースを絞り袋に詰め、奥から4~5センチに1本、さらに3センチあけて1本絞る。残りのホイップ式クリームを絞り袋に詰め、カスタードの奥に絞る。
〈巻く〉(9)手前を折って土手を作る。オーブンペーパーを使って巻き、ラップで包んで冷蔵庫で1~2時間冷やす(下の「お店のようにきれいに巻くコツ」参照)。
お店のようにきれいに巻くコツ
巻き始め中身は離してのせると、味が均等にいきわたる。巻き始めは手前を折り、土手を作る。
巻く左手をケーキに添え、右手でペーパーを持ち上げながら巻く。軽くなでて形を整える。
巻き終わりペーパーごと手前と奥を返す。長い定規を差し込んでペーパーを引っ張りキュッと締める。
江口和明(えぐち・かずあき)シェフ東京生まれ。2013年に「デリーモ」ブランドを立ち上げ、シェフパティシエ/ショコラティエに就任。現在は東京、大阪、神戸に計7店舗を展開。2023年第10回料理レシピ本大賞in Japanお菓子部門大賞受賞。YouTubeチャンネルも人気で、登録者数は37万人以上(2026年3月時点)。
『江口和明のロールケーキ』
世界文化社刊・1870円家庭画報本誌でもご紹介した4種類の生地を基本に、味やフルーツなどが違う21レシピをご紹介します。豊富なプロセス写真で各工程を丁寧に解説。写真を追うだけでも作り方や状態がわかり、初心者の方でも安心して作れます。
(次回へ続く。
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