きじま家三代、旬のおかずレシピ(2)後編 親子三代にわたる料理家、杵島直美(きじま なおみ)さんときじまりゅうたさん。本連載では、お二人の母であり、祖母である家庭料理研究家の第一人者、故・村上昭子さんの思い出とともに、長く愛されてきたきじま家のレシピをご紹介します。第2回はきじまりゅうたさんによる、春の食材・新じゃがを使った「新じゃがと豚バラ肉の蒸し焼き煮」のレシピを2日にわたってお届けします。
※村上昭子さんについては記事末尾でご紹介
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新じゃがと豚バラの蒸し焼き煮

新じゃがは皮が薄いので、皮を剥かずそのまま楽しみます。泥を落とすのが面倒というかたは、りゅうたさん流がおすすめ。ごろごろ「いも洗い」すると適度に皮がむけ、味も染みやすくなります。
・【前編】レシピのポイント解説はこちら>>材料(2人分)
・豚バラ薄切り肉……200グラム
・新じゃがいも(小粒)……400グラム
・にんじん……1/2本
・さやいんげん……6本
【A】
・醤油……大さじ3
・砂糖……大さじ1と1/2
・酒……大さじ1と1/2
・みりん……大さじ1と1/2
・サラダ油……大さじ1
作り方
(1)ボウルに新じゃがいもを皮つきのまま入れ、かぶる程度の水を入れて4~5分おく。汚れが浮き上がってきたら手で米を研ぐように洗い、2回ほど水を変えて泥汚れを落とし、水気を切る。
(2)(1)を半分に切り、にんじんは6~8等分の乱切りにする。さやいんげんは両端を切り落として半分の長さに切る。豚バラ薄切り肉は7~8cm長さに切る。
(3)鍋に湯を沸かし、(2)の豚肉を湯通し(豚肉を入れて火を止め、箸でほぐして取り出す)する。
(4)フライパンに(2)のじゃがいもを入れてサラダ油を回し入れ、全体にからめる。切り口を下にして蓋をし、弱めの中火にかけて7~8分蒸し焼きにする。
(5)(2)のにんじんを加えてさっと炒め、水を約300mlひたひたに加える。(3)を加えてほぐし混ぜ、煮立ったら蓋をして約5分煮る。
(6)【A】を加えて全体に混ぜ、蓋をして7~8分煮る。煮汁が少なくなったら(2)のさやいんげんを加えて蓋をし、約1分蒸し煮にする。
直美 醤油が大さじ3も入ったから、もっと味が濃いかと思ったけど、そうでもないわね。でき上がってからちょっと置いたから味がよく染みてておいしい!お弁当にもいいわね。
りゅうた 新じゃがって普通のじゃがいもより味が染みづらいんだよね。だから今回は染みさせるのを諦めて、濃い味付けの煮汁をこってり煮詰めて、いもに絡めるやり方にしてみたんだ。もし時間があるなら一度火を止めて煮汁の中で冷ますと、味がしみやすいよ。
直美 本当にそうね。今さらだけど、新じゃがって「油と醤油」でおいしくなるんだわ。
今回盛りつけた器はこちら
りゅうたさんが「こっくりとした料理には素朴で渋い器も似合うけど、春らしい軽やかさを出すなら、濃く鮮やかな藍色とのコントラストを楽しみたい」と、昭子さんの食器棚から選びました。この藍色は、明治時代にドイツから伝わった合成コバルト顔料「ベロ藍」によるもの。内側に草花文や幾何学文がびっしりと描かれた「文様詰め」による藍の濃淡で、料理を一気にモダンにみせます。
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杵島直美(きじまなおみ)料理家であり母である故・村上昭子のアシスタントを経て独立。和食を中心とした家庭料理のほか、漬物や梅干しなど季節の保存食レシピに定評がある。料理番組や雑誌、新聞、書籍をはじめ、講演会など幅広く活動する。旅好きで、最近はひと月の1/3は調理道具を持って全国各地のオートキャンプ場や、自炊のできる湯治宿を訪れる。旅先で旬の食材を調達して調理し、その土地ならではの味を楽しむ。
きじまりゅうたアパレル会社でブランドディレクターを経て料理を学び、母・杵島直美のアシスタントを5年務める。28歳で独立し、テレビ、雑誌、新聞、書籍をはじめ、イベントや講演会で活躍。ポイントをおさえて手軽でおいしく作れる料理動画も人気。軽妙でわかりやすいトークと、オリジナリティあふれる料理をモットーにしている。趣味はサーフィン、山歩き、音楽鑑賞。
村上昭子(むらかみあきこ)(1927~2004)東京都出身。呉服店の三女として生まれ、従業員らの食事作りを手伝いながら育つ。昭和20年、国民生活学院で本格的に料理を学ぶ。結婚後は夫の仕事関係の客が多く、また親類や知人も頻繁に出入りしていたため、料理でもてなす日々を過ごす。にぎやかな食卓が大好きでお酒も大好き。学生時代からの縁で、料理番組のアシスタントを頼まれたことがきっかけで料理家に。作りやすくておいしい、昔ながらのおふくろの味で人気を博す。