〔連載〕タサン志麻の田舎暮らし・夏 志麻さん一家が購入した古民家がある静かな里山で、家族5人の新しい暮らしが始まりました。季節ごとの豊かな自然や食材を、志麻さんの視点でお届けします。
・
連載「タサン志麻の田舎暮らし」の記事一覧はこちらから>>
私の一番好きな季節、夏がまたやって来ました
文・タサン志麻
燦々と輝く太陽の下で、子どもたちは元気いっぱいに遊んでいますが、大人はといえば、ビールやワインなどをゆったりと飲みながらおしゃべりして、休日の時間を過ごしています。
近所の友人宅に3家族が集まって、志麻さんお手製のおつまみを片手にアペロを楽しむ。
食事をするでもなく、テレビや映画を見るでもなく、遊んでいる子どもたちや、太陽に照らされてキラキラと輝く木々を眺めながら、ただただおしゃべりをする、そんなアペロの時間がフランス人は大好きです。
いろんな場所に出かけるのもいいのですが、不思議なことに、こうして家でのんびりと友人たちと語り合った日のほうが、楽しく充実した休日を過ごした気分になります。
話題は子どもたちのこと、仕事のこと、政治や映画や思い出話など、次から次へと変わっていきます。時にはアペロの時間が長すぎて、すっかり日が暮れてしまい、あわてて夕食の支度にとりかかることも。
アペロに欠かせないビールやワインは、好みのものを持ち寄る。
そんなおしゃべりに欠かせないのが、さっとつまめる簡単な料理です。時間がなければ買ってきた生ハムやオリーブでも十分ですし、余裕があればパイシートや小麦粉など、家にある食材で作るのもいいでしょう。子どもも大人も楽しめるので、あっという間になくなってしまいます。
また、暑い夏にさっぱりとして元気をもらえるのが、季節のフルーツを使ったカクテルとノンアルコールのモクテル。
フルーツだけでなくきゅうりやトマトなどの野菜もドリンクに向いています。きゅうりもトマトも一年中スーパーで買えますが、やはり旬の時期は味も濃くて栄養価も高く、しかも値段が安い。
特に真っ赤なトマトと目が合うとついたくさん買ってしまうのですが、買いすぎても大丈夫!マリネやソースにすれば日持ちもするし、多めに作っておけば暑い夏のキッチンに立ちたくないときにもさっと火を通した肉や魚に合わせるだけで夏らしい一品ができ上がります。
大人がおしゃべりしているとき、子どもたちは木に登ったり、ブランコをこいだりして自由に遊ぶ。無理にテーブルにつかせることはせず、大人も子どももリラックスする時間を大切に。
年々夏の暑さが増していますが、なぜそうなるのか、子どもたちとともに自然の中で遊びながら考えて、「まだまだ夏が大好きです!」といえるようにコツコツ工夫して暮らしていきたいものです。
皆さんも夏の楽しみを見つけて豊かに過ごせますように。