〔特集〕「和」と「中華」の涼やかな共演 夏を楽しむ冷たい麺 暑い夏に、のどごし涼やかな冷たい麺はいかがでしょう。旬の素材をふんだんに盛り込んだご馳走麺から、プロならではのアイディアが光る日々の麺まで、バリエーション豊かにご紹介します。2025年の夏は、和風、中国風を織り交ぜた冷たい麺でエネルギーをチャージしてください。
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【中華】素材の甘みを巧みに生かす

夏限定の野菜とフルーツが持つ甘みを生かしながらどう「料理」に仕立てるのか、がプロの腕の見せどころ。ポイントは塩と辛み。繊細に、ときには大胆に。長く素材と向き合ってきた熟練の技が、深い味を作り出しました。華やかなフルーツ麺、やさしい味わいのとうもろこし麺。涼やかなビジュアルは目にもご馳走です。
とうもろこしの涼麺

なめらかなスープと香ばしいつぶつぶ、2つの食感が楽しい。やさしい甘みで心和む味わいです。
材料(2人分)中華麺(生) 2玉
とうもろこしスープとうもろこし 2本
水 500ml
豆乳 50ml
塩 小さじ1
砂糖 大さじ2
鶏ガラスープの素 小さじ1/4
こしょう、酢 各少々
トッピングとうもろこし 1/2本
枝豆 適量
作り方1.とうもろこしスープを作る。とうもろこしの実を芯からそぎ落とす。鍋に水と芯を入れて火にかけ、沸騰したらしばらく煮出して芯を取り出す。実を加えてあくを取りながらゆで、柔らかくなったら粗熱を取ってミキサーで攪拌し、さらにざるでこす。豆乳、塩、砂糖、鶏ガラスープの素、こしょうを加えて混ぜ、酢で味を調える。
2.トッピングを作る。とうもろこしはゆでて実をこそげ取る。一部にバーナーなどで焦げ目をつけてもよい。枝豆は塩少々(分量外)を加えた熱湯でゆでてさやと薄皮を取る。
3.麺をゆでて冷水でしめ(記事末「涼麺の基本」参照)、水気をよくきる。器に盛ってとうもろこしスープを注ぎ、トッピングを色よく散らす。
フルーツ涼麺

花椒、こしょう、タバスコ。辛みを重ねて果物の甘みを引き立てます。夏限定の大人味。桃で作るのもおすすめです。
材料(2人分)中華麺(生) 2玉
マンゴー 2個
調味料塩小さじ1
黒こしょう️ 少々
タバスコ® 少々
山椒油* 小さじ2
レモンの絞り汁 1個分
好みのハーブ(ミントなど) 適量
*鍋にごま油(白)100ml、花椒(大さじ1)、しょうがの薄切り5グラムを入れて火にかけ、香りが出たら火を止めてそのまま冷ます。常温で保存可能なのでまとめて作っておくと便利。
作り方
1.マンゴーは種と皮を取り除き、2/3量は薄い半月切りに、残りは1センチ角に切る。
2.マンゴーの種の周りの果肉をきれいにこそげ取り、すりつぶしてペースト状にし、調味料を加えて混ぜ、レモンの絞り汁も加えて混ぜる。
3.麺をゆでて冷水でしめ(下記「涼麺の基本」参照)、水気をよくきる。
4.器の周囲に半月切りにしたマンゴーを盛る。中央に麺を盛って(2)をかけ、角切りにしたマンゴーをのせ、小さくちぎったハーブを散らす。
涼麺の基本

中華麺は細めのストレートタイプを使っていますが、お好みの麺でOK。
必要なのはたっぷりの熱湯と、たっぷりの氷水だけ。特別なテクニックはいりません。

1.たっぷりの熱湯に麺を入れて箸でほぐし、鍋いっぱいに広がったらそのままゆでる。その間に氷水を用意しておく。

2.表示時間になったらざるに上げ、すぐに氷水につける。残っている粉気を取り除くように手で洗いながら一気に冷やして麺をしめる。よく水気をきってから使う。
脇屋友詞さん(わきや・ゆうじ)1958年北海道生まれ。赤坂「山王飯店」「東京ヒルトンホテル」等を経て、1996年「トゥーランドット游仙境」代表取締役総料理長、1997年「パン パシフィック ホテル横浜」中国料理総料理長に就任。2001年東京・赤坂に「Wakiya一笑美茶樓」を、2023年銀座に「Ginza 脇屋」を開店。
Ginza 脇屋東京都中央区銀座5‒10‒5 スリーY'S & D1、2階
電話:050‒3662‒1535
(次回へ続く。
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