〔連載〕タサン志麻の田舎暮らし・春 志麻さん一家が購入した古民家がある静かな里山で、家族5人の新しい暮らしが始まりました。季節ごとの豊かな自然や食材を、志麻さんの視点でお届けします。
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旬の食材の新しい食べ方を探る楽しみ
文・タサン志麻
長い冬が終わり、草木が芽吹く美しい季節がやってきました。
少しずつ田舎暮らしにも慣れてきた子どもたちは、庭や畑に生えている山菜を見つけては、「これ、食べられる?」と持って帰ってきます。
お友達の家でわらび採り。しょうちゃんは葉が開いていないものを上手に探し、ブーケにしてお母さんにプレゼント!
鹿が食べ残したふきのとうや、友人の畑に生えているわらびを採るのが楽しい子どもたち。でも食べるとなるとやっぱり苦さが気になるようです。フランス人のロマンも食べ慣れない味や食感が苦手だと言います。
近所で摘んだ山菜。かごの外は右から、ふき、のびる。かご盛りは奥右から、わらび、三つ葉、せり、いわたばこ、みょうがたけ、やぶかんぞう、手前はたらの芽。
せっかく採った山菜を子どもたちやロマンにも、おいしく食べてもらいたいと思い、洋風に仕立てたり、うまみの強いものと合わせたり、スパイスをきかせたりなど工夫してみるのも、新しい味の発見があって楽しいものです。(山菜のレシピは、次回以降の記事でご紹介します。)
フランスにもアンディーブやクレソンなど苦みのある食材があるので、これらを使った料理をイメージするとチャレンジしやすく、また失敗も少なくて済みます。
もちろん失敗するときもあるけれど、そこから学ぶことのほうが多いのです。マンネリ化しやすい山菜料理だからこそ、無限の可能性が潜んでいます。
春といえば、潮干狩りも楽しみの一つです。家族みんなで夢中になって掘っていると、あっという間に袋がパンパンになってしまいました。
あさりやはまぐりがたっぷり採れて、しょうちゃん(左)、さんちゃん(右)も大満足。
気がつくと子どもたちはヤドカリやカニを探し始めています。カニを持ち帰って飼いたいという息子をどうやって説得しようか、毎回悩むところです。
二人が採ってきた貝を見て、「表面がざらざらしてるのがあさりで、つるっとしてるのがはまぐりだよ」とさりげなく教える志麻さん。
貝はすぐに塩抜きし、海辺でさっと白ワイン蒸しにしていただきました。シンプルなレシピですが、海を眺めながら、波の音を聞いたり、海風を感じたりしながら食べる料理は、なんて贅沢なのだろうと思います。
毎日の料理に追われていると、どうしても何を作ろう?と悩まされますが、まず何を食べよう?と思ったほうが自然と旬のものを食べられるし、決まりきったレシピからも抜け出しやすくなるような気がします。
帰りがけに地元の魚屋さんに寄って、舌びらめとこちを購入しました。いつも行くスーパーでは買えない魚が手に入って、ワクワクします。
潮干狩り場のそばの魚屋さんでお買い物。スーパーではなかなかお目にかかれない魚がたくさん。
舌びらめはクラシックなフランス料理に、こちはわかめやたけのことイタリア料理に、気合を入れて手をかけて作ってみたり、簡単でおいしい料理にしたり、味つけだけでなく料理をする時間や気持ちにもメリハリをつけると楽しく続けることができるような気がします。
舌びらめとこちを選び、帰宅後、早速料理にとりかかる。「料理をする機会が少ない魚なので楽しみです」と志麻さん。
旬の食材をいつもとは少し違う料理に仕立て、楽しんでいただければうれしいです。