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うすい豆、たけのこ、ホワイトアスパラガス……。春を盛り込んだ野菜尽くしのお膳です

2022.04.25

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プロよりおいしく作れる 野菜料理の“ちょっとしたコツ”365 身近な野菜で、プロよりおいしい野菜料理を作ってみませんか? 銀座の日本料理店「六雁(むつかり)」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、家庭だからこそ実践できる“ちょっとしたコツ”を毎日教わります。一覧はこちら>>

4月の野菜本膳、ホワイトアスパラガスの味噌漬け、ひたし


4月の野菜本膳、ホワイトアスパラガスの味噌漬け、ひたし

4月の野菜本膳を紹介します。この春にお教えしたレシピを中心に組みました。今回は応量器(おうりょうき)に盛ります。

応量器とは僧が食事に用いる、入れ子になった大きさの違う鉢です。一般的に呼ぶ応量器という名は、元来は曹洞宗の用語で、他の宗派にはそれぞれの名があります。シンプルにしてなおかつ収納に優れ、日々の生活に無駄がない禅宗の修行においてきわめて合理的です。


一番大きい器を「頭鉢(ずはつ)」と言い、お釈迦様の頂骨(頭頂骨のこと)とされ、特に扱いを慎重にします。粥や飯以外を入れてはならず、直接口をつけずに匙を使って食べます。修行僧は黒塗りの応量器を用いますが、元々は鉄製でした。黒塗りは鉄と同じとみなして、漆器を用いるようになりました。「頭鉢」を「鉄鉢(てっぱつ)」と呼ぶことがあるのはそのためです。

4月の献立は飯:豆飯、汁:若竹汁、写真奥左:ホワイトアスパラガスの味噌漬け(本日紹介します)、写真奥右:菜花の昆布押しうどのべっ甲煮、写真中左:ふきと根いもの葛煮揚げそばの実つくしの素揚げ、写真中右:新切り干し大根とせりの生姜ごま和えになります。今日はホワイトアスパラガスの味噌漬けを紹介しましょう。

応量器は、托鉢(たくはつ)の際に施される食物の量に応じて鉢に受けたことからその名がつきました。また、それぞれが食べる量に応じて料理をいただく器でもあり、食事の際には自らの行いが仏の教えに適ったものかどうかを省みて量るという意味も含まれるとか。自らの行いを省みていたら、私は毎回、ほんの少ししか食事にありつけません(笑)。今日も野菜料理を楽しみましょう。


ちょっとしたコツ


・「ホワイトアスパラガスの味噌漬け」は、野菜料理をおいしくする7要素中5要素を取り入れている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み 油分 ◎食感 ◎香り 刺激

ホワイトアスパラガスは、むいた皮の風味と甘みを移した湯で柔らかく茹でる。ホワイトアスパラガスの量が少ないと茹でる際に風味が抜けてしまうので、ある程度の量をまとめて茹でたほうがよい。

・ホワイトアスパラガスを買い求めたら、鮮度がよいうちに茹でる。茹でたホワイトアスパラガスを保存する場合は、風味が抜けないように茹で汁につけたまま冷蔵庫に入れる

野菜を味噌漬けにする場合は、漬け過ぎは禁物

・「ホワイトアスパラガスのひたし」は、野菜料理をおいしくする7要素中5要素を取り入れている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み 油分 ◎食感 ◎香り 刺激

・ホワイトアスパラガスの風味を生かすために、茹で汁にかつお節と昆布を加えて旨みをたした出汁に漬ける







4月の野菜本膳、ホワイトアスパラガスの味噌漬け、ひたし

「ホワイトアスパラガスの味噌漬け」(左)


【材料(2人分)】
・ホワイトアスパラガス(大) 4本

・味噌漬け用の味噌 適量
味噌漬け用の味噌:作りやすい分量 粒白味噌(西京味噌)500g(味噌はほかの味噌でもかまわないが、塩分濃度により、酒やみりんの量を加減する)、日本酒60cc、みりん60cc

【作り方】
1.ホワイトアスパラガスを茹でる。折れやすいのでまな板の上に置いて、真ん中より少し上あたりから根元までピーラーで皮を厚めにむく。皮の下にある堅い部分も取り除くようにむく。むいた皮は取っておく。

2.ホワイトアスパラガスを横にして入るくらいの鍋に、アスパラガスがつかるくらいの水とその1%の量の塩(材料外)を加える。むいた皮も入れて火にかけ、沸いたら弱火にして3〜4分炊いて、アスパラガスの風味と甘みを茹で湯に移す。途中であくをすくい取る。ホワイトアスパラガスを入れて落し蓋代わりに皮をかぶせて茹でる。あくを取りつつ、アスパラガスの太さによるが3〜4分茹で、柔らかくなったら鍋ごと冷水につけて粗熱を取る。アスパラガスをいったん取り出し、皮を除き1度こした茹で汁に再度つけておく。

3.ホワイトアスパラガスを茹で汁から上げて、クッキングペーパーで水分を除く。6時間味噌漬けにする。濃い味が好みなら7時間漬けてもよい。味噌漬けの仕方は「パプリカの昆布押し、味噌漬け」参照。

4.あらかじめ予熱したグリラーやオーブントースターで、ホワイトアスパラガスをきれいな焼き目がつくくらいに焼いたら、4〜4.5cm長さに切って器に盛る。

「ホワイトアスパラガスの浸し」(右)


【材料(2人分)】
・ホワイトアスパラガス(大) 4本

・昆布 4cm×4㎝

・かつお節 5g

・日本酒 10cc

・塩 0.6g

・薄口醤油 24cc

【作り方】
1.ホワイトアスパラガスは「ホワイトアスパラガスの味噌漬け」の1〜2と同じように皮をむいて茹で冷水につけて粗熱を取る。ただし、茹でる汁に塩は加えない。アスパラガスをいったん取り出し、茹で汁から皮を除き1度こす。

2.こした茹で汁400ccを鍋に注ぎ、昆布を加えて火にかける。沸きそうになったら弱火にして2分ほどそのままの状態にした後、かつお節を加えて火からおろす。1分たってかつお節が沈んだら、クッキングペーパーでこしてボウルに入れる。調味料を加えて氷水につけて急冷する。

3.ホワイトアスパラガスを4〜4.5cm長さの斜め切りにして、2に30分漬ける。

4.ホワイトアスパラガスを出汁から上げて器に盛る。

私たちプロの料理人の中には、色や見た目を味より重視する者もいます。薄味信仰?なのか、本当は少し濃いめの味にしたほうがおいしいものでも、それは恥と、濃いめの味つけを避けます。また、味を素材にしっかりと含ませることがプロの料理と、無理に味をつけなくてもおいしい素材に味をつけて台無しにしてしまうこともよくあります。何より、皆さまがおいしいと思う味にしてください。人の味の好みは様々です。ご自身・ご家族の好み、体調に合わせた味に調整しましょう。レシピに示す調味料などの分量は一例に過ぎません。注目していただきたいのは素材の組み合わせと料理手順、どんな調味料を使うのかということです。味の加減は是非お好みで。

六雁(むつかり)

榎園豊治さんプロフィール
銀座並木通りにある日本料理店「六雁」初代料理長であり、この連載の筆者でもある榎園豊治さんは、京都、大阪の料亭・割烹で修業を積み、大津大谷「月心寺」の村瀬明道尼に料理の心を学ぶ。その後、多くの日本料理店で料理長を歴任、平成16年に銀座に「六雁」を立ち上げた。野菜を中心としたコース料理に定評がある。

六雁 むつかり

東京都中央区銀座5-5-19
銀座ポニーグループビル6/7F
電話 03-5568-6266
営業時間 (夜)17時30分~23時 ※土曜日のみ17時~
(営業時間は変更になることもあります。事前に店舗にご確認ください)
URL:http://www.mutsukari.com

六雁 むつかり 料理長、秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。連載でご紹介する料理を手がけてくださる、現料理長・秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。
文/榎園豊治 撮影/大見謝星斗
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