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そら豆は選び方が大切。若い豆と熟した豆、それぞれに合う調理法を教えます

2022.03.12

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プロよりおいしく作れる 野菜料理の“ちょっとしたコツ”365 身近な野菜で、プロよりおいしい野菜料理を作ってみませんか? 銀座の日本料理店「六雁(むつかり)」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、家庭だからこそ実践できる“ちょっとしたコツ”を毎日教わります。一覧はこちら>>

そら豆の翡翠(ひすい)煮、醤油煮


そら豆の翡翠(ひすい)煮、醤油煮

そら豆の料理は「そら豆3種」をお教えしましたが、今日はその際に触れたそら豆の翡翠煮を紹介しましょう。翡翠煮には、早い時期に収穫した糖分や水分が多い若い豆を用います。若い豆じゃないと鮮やかな緑色にはなりません。熟した豆はじゃがいものようなほくほく食感でおいしいのですが、実が黄色くなり、炊くと薄皮の中の実(子葉)がバラバラに離れてしまいます。

若い豆と熟した豆の見分け方は「そら豆3種」で既にお教えしましたね。ただ、一緒に買った豆でも、さやによって熟れ具合が違う場合があるのです。火の通り方も違うので、熟れ具合によって料理の仕方を替えます。若い豆は翡翠煮にし、熟した豆は実がバラバラにならないよう皮ごと醤油煮にしましょう。


そら豆の翡翠(ひすい)煮、醤油煮

そら豆はさやがきれいな濃い緑色で、つやがあるものを選びます。表面にうぶ毛があるものが新鮮で、さやにしわがあるものや、筋の部分が茶色く変色しているものは鮮度が落ちています。鮮度が落ちたものをさやから出して売っている場合もあるので注意が必要です。さやの上から豆の形がわかるので、粒がそろっているものを選びます。さやから出し空気に触れると、劣化が早く風味が落ちるので、さや付きのものを買い求めましょう。

「翡翠色にこだわり、皮むいて炊いて急冷……、なんてマメな」「“そりゃマメ”ですよ、“そら豆”だけに」(笑)。野菜料理を楽しみましょう。


ちょっとしたコツ


・「そら豆の翡翠煮」は、野菜料理をおいしくする7要素中6要素を取り入れている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み 油分 ◎食感 ◎香り ◎刺激

薄皮は炊く直前にむく。時間がたつと乾燥して、炊いたときに割れやすくなる。

・炊き過ぎると実が割れてしまう。余熱も考えて、そら豆が完全に緑色になる前に火からおろし、氷水で急冷する。

・「そら豆の醤油煮」は、野菜料理をおいしくする7要素中6要素を取り入れている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み ◎油分 ◎食感 ◎香り 刺激

薄皮に包丁で切り込みを少し入れて炊くと、味が入りやすく、後で皮がむきやすい。

・米油などくせのない油を数滴加えることでこくが出る。

・皮付きのまま口に運び、皮の内側にしみ込んだ煮汁と一緒に食べるとおいしい。

・生姜のせん切りと一緒に炊いて、生姜の風味と刺激をつけてもよい。







そら豆の翡翠(ひすい)煮、醤油煮

「そら豆の翡翠煮」(右)


【材料(2〜3人分)】
・そら豆(若い豆。薄皮をむく) 20粒(70g)

・出汁 120cc

・日本酒 30cc

・砂糖 60g

・塩 3g

・生姜 適量

【作り方】
1.さやから出したそら豆の薄皮をむく。三角に飛び出た幼根部分に皮が残りやすいので注意する。「そら豆3種」の「ひと目でわかるプロセス&テクニック」参照。

2.生姜のせん切りを作る。スライサーに一番刃幅の狭い櫛刃をつけてスライスする。

3.大きめのボウルに氷水を用意する。

4.鍋に出汁を入れて火にかける。すべての調味料を加え、沸いたらそら豆を入れる。再度沸いたら弱火にして炊く。そら豆のまわり部分から火が通りだし、濃い緑色が次第に中心に向かって広がっていく。

5.1分30秒〜2分炊いて、そら豆の色が「ひと目でわかるプロセス&テクニック」の写真くらいの状態になったら、火から下ろして氷水に鍋ごとつける。鍋を回して急冷する。

6.完全に冷めたら20分以上味を含ませて器に盛り、生姜のせん切りを添えて供する。

「そら豆の醤油煮」


【材料(2〜3人分)】
・そら豆(熟した豆。薄皮付き) 20粒(90g)

・出汁 270cc

・日本酒 30cc

・みりん 小さじ2

・砂糖 小さじ1

・薄口醤油 小さじ2

・濃口醤油 小さじ2

・米油(サラダ油でもよい) 少量

【作り方】
1.そら豆はさやから出して、中の子葉を傷つけないよう、薄皮だけに包丁で浅く切り込みを入れる。

2.鍋に出汁を注いで火にかける。調味料を加えて混ぜ、そら豆を入れる。

3.沸いたら弱火にして米油を数滴垂らし、3分ほど炊いて火からおろす。そのまま20分以上味を含ませ、器に盛る。温め直してあつあつを供してもよい。

私たちプロの料理人の中には、色や見た目を味より重視する者もいます。薄味信仰?なのか、本当は少し濃いめの味にしたほうがおいしいものでも、それは恥と、濃いめの味つけを避けます。また、味を素材にしっかりと含ませることがプロの料理と、無理に味をつけなくてもおいしい素材に味をつけて台無しにしてしまうこともよくあります。何より、皆さまがおいしいと思う味にしてください。人の味の好みは様々です。ご自身・ご家族の好み、体調に合わせた味に調整しましょう。レシピに示す調味料などの分量は一例に過ぎません。注目していただきたいのは素材の組み合わせと料理手順、どんな調味料を使うのかということです。味の加減は是非お好みで。

六雁(むつかり)

榎園豊治さんプロフィール
銀座並木通りにある日本料理店「六雁」初代料理長であり、この連載の筆者でもある榎園豊治さんは、京都、大阪の料亭・割烹で修業を積み、大津大谷「月心寺」の村瀬明道尼に料理の心を学ぶ。その後、多くの日本料理店で料理長を歴任、平成16年に銀座に「六雁」を立ち上げた。野菜を中心としたコース料理に定評がある。

六雁 むつかり

東京都中央区銀座5-5-19
銀座ポニーグループビル6/7F
電話 03-5568-6266
営業時間 (夜)17時30分~23時 ※土曜日のみ17時~
(営業時間は変更になることもあります。事前に店舗にご確認ください)
URL:http://www.mutsukari.com

六雁 むつかり 料理長、秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。連載でご紹介する料理を手がけてくださる、現料理長・秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。
文/榎園豊治 撮影/大見謝星斗
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