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フレッシュなめかぶは、今だけのごちそう! ネバネバ成分は美容の強い味方です

2022.03.09

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プロよりおいしく作れる 野菜料理の“ちょっとしたコツ”365 身近な野菜で、プロよりおいしい野菜料理を作ってみませんか? 銀座の日本料理店「六雁(むつかり)」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、家庭だからこそ実践できる“ちょっとしたコツ”を毎日教わります。一覧はこちら>>

「めかぶとろろ、めかぶ汁」



めかぶとろろ、めかぶ汁

めかぶ(和布蕪)をご存じでしょうか? 調理済みのパックは見慣れていても、生の状態を見たことがある方は少ないでしょう。最近のスーパーマーケットやデパ地下は驚くべき商品力で、この季節、鮮魚コーナーに生のめかぶが並んでいることがあります。パック入りとは味わいに雲泥の差があるのに、価格はお手頃。今だけしか味わえない磯の風味を試されてはいかがでしょう。


わかめは海藻なので根はありませんが、海底に付着している根元の部分のすぐ上にある、折り重なった厚いひだ状の部分がめかぶです。その上部のひらひらとした葉の部分がわかめで、めかぶは新わかめ(「根深飯、新わかめの味噌汁」)と一緒に収穫され、おいしいものは3月~4月の短期間しか出回りません。他の時期のものは冷凍か塩蔵、乾燥めかぶになります。

めかぶとろろ、めかぶ汁

めかぶはわかめの子供である胞子が育つ場所。ネバネバ成分が多く含まれ、胞子を外敵から守っています。成熟するとめかぶから胞子が放出され、次の年のわかめが育ちます。

茹でて刻み、醤油や薬味を混ぜれば、よい飯の友になりますし、汁ものやスープにも合います。細かく刻んでおなじみのたたきめかぶにして、ポン酢や三杯酢をかけたり、粘り気のある納豆やオクラ、やまのいもと合わせてもいいですね。

最近、めかぶにはわかめよりも身体によい栄養素が多く含まれていることがわかってきました。ネバネバ成分であるフコイダンやアルギン酸が海藻類の中でも特に多く含まれ、ミネラルやカロテノイドも豊富で、生活習慣病の予防・改善や免疫力を高める効果があるとされます。

フコイダンは毛母細胞を活性化させて発毛の新陳代謝を正常にするそうで、めかぶを使用したシャンプーを使うと、太く元気な髪が生えるようになるとも。私のめかぶ愛は発毛への期待からきているのかもしれません(笑)。今日も野菜料理を楽しみましょう。



ちょっとしたコツ



・「めかぶとろろ」は、野菜料理をおいしくする7要素中6要素を取り入れている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み ◎油分 ◎食感 ◎香り 刺激

・生めかぶは、折り重なったひだ状の部分に汚れがあるので、水でよく洗って使う

茎とひだの部分とでは茹で時間が違うので、切り分けてそれぞれ下茹でする。ひだ部分は10〜20秒、茎は1分ほど茹でる。

・茹でた後は包丁でたたくか、フードプロセッサーなどで刻んで粘りを出す。

茎の部分は堅いので茹でたあと小口切りにするか、幅が広い茎は縦半分にして刻む。こりこりとした食感を生かしてきんぴらや炒めもの、炒め煮にするとよい

・「めかぶ汁」は、野菜料理をおいしくする7要素中7要素を取り入れている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み ◎油分 ◎食感 ◎香り ◎刺激

・めかぶは直前に茹でて、色と風味が最も冴えたものを、水に放さずあつあつの状態で椀に盛る。

・揚げとろろは中まで火を通し過ぎない。

・揚げとろろの油分が吸い地にこくを出す。






「めかぶとろろ」



めかぶとろろ、めかぶ汁

【材料(3人分)】
・生めかぶのひだの部分 30〜40g

・長いも 1.5cm

・みょうが 1個

・花丸きゅうり(小さいきゅうり。普通のきゅうりでもよい) 1本

・ポン酢(市販品でよい) 適量

・松の実(いったもの) 少々

【作り方】
1.生めかぶはひだ状の部分にある汚れを水でよく洗う。堅い茎にそって包丁を入れ、茎とひだの部分に分ける。

2.鍋にたっぷりの湯を沸かし、ひだの部分を入れて10〜20秒茹でて鮮緑色になったら冷水に放す。冷めたらざるに上げて水気をきり、まな板の上で包丁でたたくように刻んでとろみを出す。多めに作る場合はフードプロセッサーなどを使ってもよい。

3.長いもは5mm角に切る。みょうがと花丸きゅうりは薄めの小口切りにする。

4.ボウルにめかぶと長いも、みょうが、花丸きゅうりを加えてよく混ぜ、ポン酢で味をつけ器に盛る。刻んだ松の実を散らして供する。

「めかぶ汁」



めかぶとろろ、めかぶ汁

【材料(3人分)】
・生めぶのひだの部分 20〜30g

・大和いも 30g

・揚げ油 適量

・吸い地 約540cc
出汁540cc、塩0.9g、薄口醤油9cc、日本酒9cc

・生姜 適量

【作り方】
1.生めかぶは「芽かぶとろろ」と同じように茎とひだの部分に分ける。ひだの部分をせん切りにする。

2.揚げとろろを作る。大和いもは皮をむき、目の細かいおろし金ですりおろす。先に揚げ油を170~175℃に熱しておき、ピンポン玉1個分(10g)くらいのとろろを左手に取って箸でつまみ、左の人さし指に巻きつけるように箸先でぐるぐる回して丸く形づくったら、揚げ油の中に入れる。箸で返しながら薄いきつね色に揚げる。「おとしいもの味噌汁」の「ひと目でわかるプロセス&テクニック」参照。手がかゆくなる場合は調理用使い捨て手袋をつける。

3.スライサーに一番刃幅の狭い櫛刃をつけて、生姜を細いせん切りにする。

4.吸い地を作る。鍋に出汁を注ぎ火にかけ、90℃くらいになったら塩を加えて溶かし、沸く直前に火を弱め薄口醤油と日本酒を加える。

5.4と同時進行で生めかぶを茹でる。生めかぶをざるに入れる。鍋にたっぷりの湯を沸かし、ざるごと15秒ほど茹でる。鮮緑色に変わったら水に放さず、熱いまま椀に盛る。揚げたての揚げとろろも盛って吸い地を注ぎ、生姜をのせて供する。

私たちプロの料理人の中には、色や見た目を味より重視する者もいます。薄味信仰?なのか、本当は少し濃いめの味にしたほうがおいしいものでも、それは恥と、濃いめの味つけを避けます。また、味を素材にしっかりと含ませることがプロの料理と、無理に味をつけなくてもおいしい素材に味をつけて台無しにしてしまうこともよくあります。何より、皆さまがおいしいと思う味にしてください。人の味の好みは様々です。ご自身・ご家族の好み、体調に合わせた味に調整しましょう。レシピに示す調味料などの分量は一例に過ぎません。注目していただきたいのは素材の組み合わせと料理手順、どんな調味料を使うのかということです。味の加減は是非お好みで。

六雁(むつかり)

榎園豊治さんプロフィール
銀座並木通りにある日本料理店「六雁」初代料理長であり、この連載の筆者でもある榎園豊治さんは、京都、大阪の料亭・割烹で修業を積み、大津大谷「月心寺」の村瀬明道尼に料理の心を学ぶ。その後、多くの日本料理店で料理長を歴任、平成16年に銀座に「六雁」を立ち上げた。野菜を中心としたコース料理に定評がある。

六雁 むつかり

東京都中央区銀座5-5-19
銀座ポニーグループビル6/7F
電話 03-5568-6266
営業時間 (夜)17時30分~23時 ※土曜日のみ17時~
(営業時間は変更になることもあります。事前に店舗にご確認ください)
URL:http://www.mutsukari.com

六雁 むつかり 料理長、秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。連載でご紹介する料理を手がけてくださる、現料理長・秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。
文/榎園豊治 撮影/大見謝星斗
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