レシピ

芽キャベツの簡単レシピを3つ紹介します。実はとても縁起のよい野菜なんです

プロよりおいしく作れる 野菜料理の“ちょっとしたコツ”365 身近な野菜で、プロよりおいしい野菜料理を作ってみませんか? 銀座の日本料理店「六雁(むつかり)」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、家庭だからこそ実践できる“ちょっとしたコツ”を毎日教わります。一覧はこちら>>

芽キャベツの辛子びたし、フライ、白味噌仕立て

芽キャベツの辛子びたし、フライ、白味噌仕立て

芽キャベツはキャベツと同じアブラナ属で、分類上はキャベツの仲間ですが、キャベツの芽ではありません。原種となるケールから分化する過程でカリフラワー、ブロッコリー、キャベツなどと共に生まれた品種になります。

芽キャベツの辛子びたし、フライ、白味噌仕立て

一般的なキャベツのように主軸の頂芽(ちょうが)が結球するのではなく、葉の付け根に直径3cmほどの側芽(そくが)が結球します。「子持ちキャベツ」とも呼ばれるように70~80㎝に伸びた1本の茎に小さな球が50~60個鈴なりにびっしりとでき、子孫繁栄の縁起を担ぐ野菜でもあり新年にぴったりです。

芽キャベツの辛子びたし、フライ、白味噌仕立て葉の付け根、茎の部分にできた側芽が結球したものが芽キャベツ。

キャベツと比べると食物繊維は約3倍、ビタミンCは約4倍、ビタミンB2は約7倍、β-カロテンは約14倍もの栄養素が含まれています。

芽キャベツは緑色が濃くて堅くしっかりと巻いたものを選びます。黄色みを帯びたものは鮮度が落ちています。甘みの中にほのかな苦みがあるため、下茹でしたり、油を用いて苦みを抑える工夫をして料理します。

正月に奉納される神楽(かぐら)の鈴のように群がりなる芽キャベツは、別名「姫甘藍(ひめかんらん)」とも呼ばれます。鈴なりの観衆ならぬ鈴なりの読者に御観覧(かんらん)いただけるよう『野菜料理のちょっとしたコツ』これからも頑張ってまいります(笑)。野菜料理を楽しみましょう。

ちょっとしたコツ

・「芽キャベツの辛子びたし」は、野菜料理をおいしくする7要素中7要素を取り入れている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み ◎油分 ◎食感 ◎香り ◎刺激

・芽キャベツは茎のほうから十字に切り込みを入れて茹でると柔らかくなり、苦みも抜けやすい。茹で湯の中で浮くので、箸で混ぜながらムラなく茹でる。

・「芽キャベツのフライ」は、野菜料理をおいしくする7要素中7要素を取り入れている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み ◎油分 ◎食感 ◎香り ◎刺激

芽キャベツは油を使って調理すると、苦みを感じにくくなり、甘みやこくが加わる。

・芽キャベツをカリッと揚げて三杯酢にくぐらせると、三杯酢の程よい酸味と相まってたいへんおいしくなる。

・ベジタリアンでなければ、揚げ油の1/4をラードにするとボリュームが出て旨みが増す。

・「芽キャベツの白味噌仕立て」は、野菜料理をおいしくする7要素中6要素を取り入れている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み 油分 ◎食感 ◎香り ◎刺激

・茎のほうからではなく頭部分に十字に切れ目を入れて下茹でし、苦みを抜いた後に味噌汁で炊く。切れ目が開き美しく食べやすくなる。

・好みで合わせ味噌仕立てにしてもおいしい。「若水菜の味噌汁」参照。


芽キャベツの辛子びたし、フライ、白味噌仕立て

「芽キャベツの辛子びたし」(右)

【材料(2人分)】
・芽キャベツ 4個

・漬け出汁 約200cc
出汁180cc、塩0.3g、薄口醤油12cc、日本酒5cc

・刻みゆば 少々

・揚げ油 適量

・美味出汁 40cc
出汁4:濃口醤油1:日本酒1:みりん0.8の割合

・練り辛子 15g

【作り方】
1.芽キャベツは根元部分を切り落とし、外葉を1~2枚むく。茎のほうから切り込みを十字に1/3の深さまで入れる。鍋に湯を沸かして芽キャベツを入れ、箸で混ぜながら2分程度茹で、冷水に放す。水気をきって漬け出汁に30分以上漬け、苦みを抜きつつ下味をつける。

2.フライパンに揚げ油を入れ、火にかけて170℃に熱する。刻みゆばを入れてきつね色にカリッと揚げ、クッキングペーパーの上に広げて余分な油を除く。

3.美味出汁をボウルに入れ練り辛子を加えて溶かし、辛子出汁を作る。

4.汁気をきった1の芽キャベツを縦に十字に切って3に加え、辛子出汁をからめて器に盛り、揚げゆばをのせる。

「芽キャベツのフライ」(左)

【材料(2人分)】
・芽キャベツ 4個

・フライの衣 適量
作りやすい分量:強力粉(ふるったもの)70g、水100cc、おろし生姜3g、牛乳20cc、卵(卵黄と卵白を分ける)1個、塩少々

・パン粉(細かいタイプ) 適量

・三杯酢 適量
作りやすい分量:出汁40cc、濃口醤油40cc、みりん40cc、酢40cc、砂糖8g、ポン酢適量

・揚げ油(サラダ油3:ラード1の割合。サラダ油だけでもよい) 適量

【作り方】
1.芽キャベツの下処理と茹で方までは「芽キャベツの辛子びたし」の1と同じ。漬け出汁には漬けない。

2.フライの衣を作る。ボウルに卵白と塩以外の材料を入れてよく混ぜる。別のボウルで卵白に塩少々を加えて八分立てにし、フライの衣地とさっくり合わせる。

3.水気を除いた芽キャベツにフライの衣をつけて、さらにパン粉もつける。

4.フライパンに揚げ油を入れ180℃に熱し、3の芽キャベツを入れる。きつね色に揚がったら油から上げる。三杯酢にひたしてすぐに供する。

芽キャベツの辛子びたし、フライ、白味噌仕立て

「芽キャベツの白味噌仕立て」

【材料(2人分)】
・芽キャベツ 4個

・出汁 400cc
かつお節と昆布の出汁でも、ベジタリアン用は昆布出汁でもよい

・西京味噌 110g

・日本酒 大さじ2

・練り辛子 少々

【作り方】
1.芽キャベツは根元部分を切り落とし、外葉を1~2枚むく。茎のほうからではなく頭部分に十字に1/3の深さまで切れ目を入れたら、下茹でする。茹で方は「芽キャベツの辛子ひたし」の1と同じ。漬け出汁には漬けない。

2.鍋に出汁を入れて火にかけて80℃くらいになったら、西京味噌を溶き入れる。水気を除いた芽キャベツを入れ、味噌汁が90℃を超えるくらいで日本酒を加えて火からおろす。椀に芽キャベツを盛って汁を注ぎ、辛子を少量の味噌汁でのばした溶き辛子を添えて供する。

私たちプロの料理人の中には、色や見た目を味より重視する者もいます。薄味信仰?なのか、本当は少し濃いめの味にしたほうがおいしいものでも、それは恥と、濃いめの味つけを避けます。また、味を素材にしっかりと含ませることがプロの料理と、無理に味をつけなくてもおいしい素材に味をつけて台無しにしてしまうこともよくあります。何より、皆さまがおいしいと思う味にしてください。人の味の好みは様々です。ご自身・ご家族の好み、体調に合わせた味に調整しましょう。レシピに示す調味料などの分量は一例に過ぎません。注目していただきたいのは素材の組み合わせと料理手順、どんな調味料を使うのかということです。味の加減は是非お好みで。

六雁(むつかり)

榎園豊治さんプロフィール
銀座並木通りにある日本料理店「六雁」初代料理長であり、この連載の筆者でもある榎園豊治さんは、京都、大阪の料亭・割烹で修業を積み、大津大谷「月心寺」の村瀬明道尼に料理の心を学ぶ。その後、多くの日本料理店で料理長を歴任、平成16年に銀座に「六雁」を立ち上げた。野菜を中心としたコース料理に定評がある。

六雁 むつかり

東京都中央区銀座5-5-19
銀座ポニーグループビル6/7F
電話 03-5568-6266
営業時間 (夜)17時30分~23時 ※土曜日のみ17時~
(営業時間は変更になることもあります。事前に店舗にご確認ください)
URL:http://www.mutsukari.com

六雁 むつかり 料理長、秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。連載でご紹介する料理を手がけてくださる、現料理長・秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。

文/榎園豊治 撮影/大見謝星斗

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