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ちょっとしたひと手間で白菜がおいしくなる!知っておいて損はない調理法です

2021.12.27

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プロよりおいしく作れる 野菜料理の“ちょっとしたコツ”365 身近な野菜で、プロよりおいしい野菜料理を作ってみませんか? 銀座の日本料理店「六雁(むつかり)」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、家庭だからこそ実践できる“ちょっとしたコツ”を毎日教わります。一覧はこちら>>

白菜の即席漬け、煮びたし柚子こしょう和え


白菜の即席漬け、煮びたし柚子こしょう和え

今日は「白菜焦がし焼き、姿煮」に続いて、この冬2品目の白菜料理になります。前回は丸ごと焼く、丸ごと炊くという豪快な料理でしたが、今日は一手間かけることで見違えるほどおいしくなる工夫をお教えします。

白菜は旨み成分(グルタミン酸)の多い野菜で、その量はキャベツの約2倍です。薄い葉の部分ではなく、白い軸の部分や中心の黄色い葉の部分で旨み成分を蓄えます。菜芯(さいしん)と呼ばれる黄色い中心部分は、もっとも旨み成分が多く甘みが豊かです。


白菜の即席漬け、煮びたし柚子こしょう和え

白菜を切る際にいつもザクザクと同じように切っていないでしょうか? 白菜は部位ごとに切り方を替えると、もっとおいしく料理することができます。葉先(ひらひらした薄い葉の部分)と葉元(白い軸の部分)とでは堅さや水分量がまったく異なります。葉先は水分が少なく柔らかいので、生のままサラダにすることもできます。葉元は水分が豊富ですが堅いという特徴があります。

白菜の葉元には繊維にそって水の通り道があり、繊維にそって切るか繊維を断つように切るかで、水分コントロールができるのです。繊維にそって縦に切ると水分は抜けずシャキシャキ食感が残り、繊維を断つように切ると断面から水分と旨みが外に出ます。鍋やクリーム煮などに使う場合は、葉元をそぎ切りにすると旨みが外に出て、出汁やソースがおいしくなります。

実は「ほうれん草の葉のおひたし、茎のごま和え」や「春菊のひたし」でも、部位による仕分け、使い分けのことをお話ししています。白菜も料理の用途に応じて切りましょう。

もう一つ、白菜をおいしく食べるためのひと手間をお教えしましょう。白菜の外葉(緑の葉)や外葉に近い部分の葉元は筋立っているときがあります。セロリの筋を除くように、白菜の葉元も堅い筋がある場合は除いて使うと、とても食べやすくなります。

手間とは物事にかける労力や時間という意味ですが、時に手間と面倒は心情的に近い意味にもなります。けれど、愛する人のために、面倒くさく思うことでも手間を惜しまなければ、さらに愛は深まる……。柄にもなく、少しキザでした(笑)。今日も野菜料理を楽しみましょう。


ちょっとしたコツ


・「白菜の即席漬け」は、野菜料理をおいしくする7要素中7要素を取り入れている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み ◎油分 ◎食感 ◎香り ◎刺激

・葉元の部分は浅漬けにし、柔らかな葉先は後から加えて少ししんなりさせる。浅漬けとサラダの中間的な仕上がりで味と食感にメリハリを出す。

・浅漬けにする際に赤唐辛子を一緒に加えると、味全体が同じ調子になる。食べる際に一味唐辛子を好みでかける

・揚げ昆布の油分と旨みでこくが増す。

・「白菜の煮びたし柚子こしょう和え」は、野菜料理をおいしくする7要素中7要素を取り入れている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み ◎油分 ◎食感 ◎香り ◎刺激

・鍋ものと違い煮汁も味わう料理ではないので、葉元は繊維にそって縦に切り、白菜の旨みが煮汁に出ないようにする

煮びたしは、ひたしと煮ものの中間に位置し、炊いてしばらくおいて味を含ませる料理法ではない。沸かした煮汁に先に葉元部分を入れ、歯ごたえが残るくらいに火が通ったら、柔らかい葉先部分を加えてすぐに火を止める。







白菜の即席漬け、煮びたし柚子こしょう和え

「白菜の即席漬け」(写真左)


【材料(3人分)】
・白菜 120g

・紫白菜 70g

・塩 白菜の重量の1.5〜2%

・昆布 12g

・刻み昆布(なければ白板昆布を刻んだものでもよい) 適量

・揚げ油 適量

・一味唐辛子(好みで) 少々

【作り方】
1.白菜は芯から葉を外してよく洗う。外葉に近い葉は筋が堅い場合があるので、葉元の先をつまんで筋と膜を除く。葉元の白い部分のみを三角に切り取り、柔らかい葉と分ける。三角にとった葉元部分は繊維にそって縦に5mm幅で切る。柔らかい葉の部分は3.5cm四方に切る。紫白菜も同様。「ひと目でわかるプロセス&テクニック」参照。

2.白菜の浅漬けを作る。縦に切った葉元部分を容器に入れ塩を全体にまぶしかけ、小さく切った昆布と一緒に軽めの重しをして漬ける。冷蔵庫で5〜6時間保存する。紫白菜も同様に浅漬けにする。白菜と紫白菜を一緒に浅漬けにしてもよいが、白菜に紫白菜の色が移る。

3.揚げ昆布を作る。フライパンに揚げ油を入れて150〜160℃に熱し、刻み昆布を入れる。きつね色にカラッと揚がったらクッキングペーパーに広げて余分な油を除く。

4.葉元の浅漬けに生の柔らかい葉を混ぜて20分ほどおく。葉が少ししんなりしたら、白菜と紫白菜を混ぜて器に盛り、揚げ昆布を添える。好みで一味唐辛子をかける。

「白菜の煮びたし柚子こしょう和え」(写真右)


【材料(2〜3人分)】
・白菜 260g

・油揚げ 1/5枚

・出汁 300cc

・みりん 小さじ1

・塩 0.5g

・薄口醤油 小さじ2と1/2

・柚子こしょう 7g

【作り方】
1.白菜の下処理と切り方は「白菜の即席漬け」の1と同じ。

2.鍋に出汁を注いで火にかけ、調味料を加える。沸いたら白菜の葉元部分を入れて炊く。歯ごたえが残るくらいに火が通ったら、柔らかい葉の部分も加えて火を止める。

3.煮汁に柚子こしょうを溶かして白菜全体に均一にまぶし、器に盛る。

私たちプロの料理人の中には、色や見た目を味より重視する者もいます。薄味信仰?なのか、本当は少し濃いめの味にしたほうがおいしいものでも、それは恥と、濃いめの味つけを避けます。また、味を素材にしっかりと含ませることがプロの料理と、無理に味をつけなくてもおいしい素材に味をつけて台無しにしてしまうこともよくあります。何より、皆さまがおいしいと思う味にしてください。人の味の好みは様々です。ご自身・ご家族の好み、体調に合わせた味に調整しましょう。レシピに示す調味料などの分量は一例に過ぎません。注目していただきたいのは素材の組み合わせと料理手順、どんな調味料を使うのかということです。味の加減は是非お好みで。

六雁(むつかり)

榎園豊治さんプロフィール
銀座並木通りにある日本料理店「六雁」初代料理長であり、この連載の筆者でもある榎園豊治さんは、京都、大阪の料亭・割烹で修業を積み、大津大谷「月心寺」の村瀬明道尼に料理の心を学ぶ。その後、多くの日本料理店で料理長を歴任、平成16年に銀座に「六雁」を立ち上げた。野菜を中心としたコース料理に定評がある。

六雁 むつかり

東京都中央区銀座5-5-19
銀座ポニーグループビル6/7F
電話 03-5568-6266
営業時間 (夜)17時30分~23時 ※土曜日のみ17時~
(営業時間は変更になることもあります。事前に店舗にご確認ください)
URL:http://www.mutsukari.com

六雁 むつかり 料理長、秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。連載でご紹介する料理を手がけてくださる、現料理長・秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。
文/榎園豊治 撮影/大見謝星斗
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