レシピ

毎日の常備菜に。茹でたてのごぼうをたたいて、ごまで和えるだけの手軽な1品

プロよりおいしく作れる 野菜料理の“ちょっとしたコツ”365 身近な野菜で、プロよりおいしい野菜料理を作ってみませんか? 銀座の日本料理店「六雁(むつかり)」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、家庭だからこそ実践できる“ちょっとしたコツ”を毎日教わります。一覧はこちら>>

たたきごぼう

たたきごぼう

ごぼうは地中に深く根を張り力強く成長するので、「延命長寿」の象徴とされます。ごぼう同様に家の基礎が堅固であるように、家族が土地に根付いて安泰に暮らせるようにという願いを込めておせち料理にも入れます。

他のどの野菜よりも食物繊維を多く含み、抗酸化力も野菜の中ではトップクラスです。また、昔からごぼうには悪い血を除く効能があるともいわれます。

今日はおせち料理の定番であるたたきごぼうを紹介します。「開きごぼう」とも呼ばれ、やわらかく炊いたごぼうをたたいて身を“開”き、一年の“開”運の縁起をかついで家の繁栄を願います。

上手に作ったたたきごぼうは大変おいしく、お正月だけのものとするのはもったいないくらいです。飯の友にも酒の肴にもなり、日持ちもしますので常備菜としてお作りになることをおすすめします。

残りわずかとなった今年の干支は「丑」でしたが、ごぼう(牛蒡)に「牛」という文字が用いられているのは、ごぼうの長く伸びた姿が牛の尻尾に似ているからといわれています。この連載も長く続き、地に根差したものになりますようこれからも精進いたします(笑)。今日も野菜料理を楽しみましょう。

ちょっとしたコツ

・「たたきごぼう」は、野菜料理をおいしくする7要素中6要素を取り入れている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み ◎油分 ◎食感 ◎香り 刺激

・ごぼうが熱いうちにたたいて、すぐに合わせ酢に漬けると味がよくしみる。

ごまは香ばしくいり直して使う。この一手間で味も香りも格段によくなる。


「たたきごぼう」

たたきごぼう
【材料(作りやすい分量)】
・ごぼう 1本(150g)

・合わせ酢 約435cc
作りやすい分量:出汁300cc、みりん50cc、薄口醤油50cc、酢35cc

・ごま衣
いりごま(白。市販品)100g、出汁20cc、みりん5cc、薄口醤油5cc、酢5cc、砂糖小さじ1/2

【作り方】
1.ごぼうは洗って16cmに切り、縦に半分に割って7分ほど水から茹でる。

2.合わせ酢を作る。鍋に出汁を入れて火にかけ、みりんと薄口醤油を加える。沸いたら酢を加えて火からおろす。

3.1のごぼうを茹で湯から上げ、熱いまま布の上に並べて上からも布をかぶせる。すりこ木(麺棒でもよい)で布の上からごぼうを満遍なくたたき、ごぼうの繊維を開かせる。たたきすぎると潰れてしまうので注意。

4.3のごぼうを4cm長さに切って、縦に2〜3つに割り、熱いうちに2の合わせ酢に漬けて1時間以上味を含ませる。

5.ごま衣を作る。白いりごまを軽くいり直して香りを出し、すり鉢で粒の形が少し残るくらいにする。調味料を加えて全体になじませる。「ひと目でわかるプロセス&テクニック」参照。

6.ごぼうを合わせ酢から上げて汁気をきる。すり鉢に入れてごま衣で和え、ごぼうに衣を均一にまとわせる。

私たちプロの料理人の中には、色や見た目を味より重視する者もいます。薄味信仰?なのか、本当は少し濃いめの味にしたほうがおいしいものでも、それは恥と、濃いめの味つけを避けます。また、味を素材にしっかりと含ませることがプロの料理と、無理に味をつけなくてもおいしい素材に味をつけて台無しにしてしまうこともよくあります。何より、皆さまがおいしいと思う味にしてください。人の味の好みは様々です。ご自身・ご家族の好み、体調に合わせた味に調整しましょう。レシピに示す調味料などの分量は一例に過ぎません。注目していただきたいのは素材の組み合わせと料理手順、どんな調味料を使うのかということです。味の加減は是非お好みで。

六雁(むつかり)

榎園豊治さんプロフィール
銀座並木通りにある日本料理店「六雁」初代料理長であり、この連載の筆者でもある榎園豊治さんは、京都、大阪の料亭・割烹で修業を積み、大津大谷「月心寺」の村瀬明道尼に料理の心を学ぶ。その後、多くの日本料理店で料理長を歴任、平成16年に銀座に「六雁」を立ち上げた。野菜を中心としたコース料理に定評がある。

六雁 むつかり

東京都中央区銀座5-5-19
銀座ポニーグループビル6/7F
電話 03-5568-6266
営業時間 (夜)17時30分~23時 ※土曜日のみ17時~
(営業時間は変更になることもあります。事前に店舗にご確認ください)
URL:http://www.mutsukari.com

六雁 むつかり 料理長、秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。連載でご紹介する料理を手がけてくださる、現料理長・秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。

文/榎園豊治 撮影/大見謝星斗

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