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柚子たっぷりの大根おろしの作り方を伝授します。きのこと一緒に召し上がれ

2021.11.02

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プロよりおいしく作れる 野菜料理の“ちょっとしたコツ”365 身近な野菜で、プロよりおいしい野菜料理を作ってみませんか? 銀座の日本料理店「六雁(むつかり)」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、家庭だからこそ実践できる“ちょっとしたコツ”を毎日教わります。一覧はこちら>>

焼きのこの柚子おろし和え、きのこと秋野菜の白和え


焼きのこの柚子おろし和え、きのこと秋野菜の白和え

今日は晩秋に向けてのきのこ料理を二品紹介します。一つはきのこをこんがり焼いて、柚子の香りをつけた大根おろしで和えた料理です。

大根おろしについては既に「甘長唐辛子のおろし和え」で、時間の経過とともに発生する大根おろしの硫黄臭の防ぎ方についてお話ししました。


私は大根おろしを使ったおいしい料理は、家庭だからこそできると考えます。プロは作業効率を優先せざるを得ず、まとめて大根おろしを作って段取りしてしまうことが多いのです。そしていつの間にか、それが習慣となっておろしたてを使うことなど考えもしなくなります。

皆さんにも経験があると思いますが、大根おろしは時間がたつと硫黄臭くなり、それが進むと黄変します。一部のプロはそれを避けるために大根おろしを水で洗って絞って用いるなどということをしますが……。

焼きのこの柚子おろし和え、きのこと秋野菜の白和え

大根には辛み成分のもととそれを分解する酵素が含まれており、それらは細胞内では独立して存在していますが、細胞が壊れると混ざり合って反応し辛み成分が生じます。それが水と反応して時間の経過とともに硫黄臭を発生させ、黄色色素が生成されるのです。

よく大根一本にも甘い部位と辛い部位があり……と言われますね。辛み成分は大根が病気や虫などから身を守るための防御成分で、葉よりも根の先端部分、根の中央部よりも外皮に多く含まれています。そして、その辛み成分が変化してにおいのもととなるので、外皮を厚くむく、根の先端部分を使わないなどの知恵が生まれてきました。

他にも電子レンジで50℃くらいに加熱して辛み成分を破壊する、酢を加えて酵素作用を止めるなどの方法もありますが、そんなことをしなくてもおろして5分以内であれば、辛い部位を使っても臭みは出ません。料理の他の準備をすべて済ませて、最後に大根をおろせばいいのです。プロには難しくても家庭でならできますね。同じ段取りでもいい段取りと工夫で野菜料理を楽しみましょう。


ちょっとしたコツ


・「焼きのこの柚子おろし和え」は、野菜料理をおいしくする7要素中7要素を取り入れている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み ◎油分 ◎食感 ◎香り ◎刺激

黄柚子でも自然に色づいたものとエチレンガスで変色させたものとがある。自然のもののほうが香りもよく苦みも少ない。9月くらいに店頭に出ているものは変色させたものが多いが、秋が深まると自然のものも出てくる。見分け方は皮部分を触ってみて、青柚子のように堅いものは変色させたもので、自然のものは皮も全体も柔らかい

・柚子おろしを作る際に柚子の皮部分をおろし金で削って加えるが、先を切った茶筅では、おろし金から完全に柚子をとることはできない。絞った大根おろしをおろし金の上で転がせば、すべての柚子をおろしにつけることができる。

・「きのこと秋野菜の白和え」は、野菜料理をおいしくする7要素中6要素を取り入れている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み ◎油分 ◎食感 ◎香り 刺激

・栗は蜜煮を使ってもよいが、その際は白和え衣の甘みを少し減らす。蜜煮を使う場合でもオーブントースターで焼いてから用いると甘さが抑えられる。

白和え衣に辛子を少々加えて、辛子白和えにしてもよい。辛子の刺激で白和えが酒の肴になる。







焼きのこの柚子おろし和え、きのこと秋野菜の白和え

「焼きのこの柚子おろし和え」(写真右)


【材料(3人分)】
・きのこ(しいたけ、まいたけ、しめじ) 各1/2パック

・日本酒 少々

・塩 少々

・なめこ 1/2パック

・春菊(葉)1/3束分

・下味用漬け出汁 約200cc
出汁180cc、塩0.3g、薄口醤油12cc、日本酒5cc

・油揚げ 1/4枚

・大根おろし(絞る) 100g

・柚子(黄) 1/3個

・土佐酢 60〜70cc
出汁4:薄口醤油1:みりん1:酢1の割合

【作り方】
1.きのこは、それぞれ焼きやすい大きさに切って日本酒を少々ふりかけて湿らせた後、薄く塩をふる。予熱したグリラー(オーブントースターでもよい)に入れて焦げ目がつくくらいに焼き、食べやすい大きさに切っておく。

2.なめこと春菊は茹でた後、漬け出汁に20分以上漬けて下味をつける。

3.油揚げは開いてオーブントースターでこんがり焼いて5mm×3cmほどの短冊に切る。

4.柚子の皮をおろし金でおろす。つぎに大根をおろして水気を絞って丸め、柚子を削ったおろし金の上で転がし、柚子を大根おろしに全部つける。ボウルに大根おろしを入れ土佐酢を加えて調味する。

5.きのこ、汁気を絞ったなめこ、汁気をきって食べやすく切った春菊の葉、油揚げを4に加えて和え、器に盛り供する。

「きのこと秋野菜の白和え」(写真左)


【材料(3人分)】
・きのこ(しいたけ、まいたけ、しめじ) 各1/3パック

・日本酒 少々

・塩 少々

・春菊(茎) 1/3束分

・栗 3個

・下味用漬け出汁 約400cc
出汁360cc、塩0.6g、薄口醤油24cc、日本酒10cc

・白和え衣 適量
絞り豆腐(木綿豆腐の水分をしっかりと絞ったもの)140g、いり白ごま(香ばしくいる)20g、塩1g、薄口醤油小さじ1、砂糖小さじ2(好みで)

【作り方】
1.きのこはそれぞれ焼きやすい大きさに切って「焼きのこの柚子おろし和え」と同じように焼き食べやすい大きさに切っておく。

2.栗は鬼皮、渋皮をむいて下味用漬け出汁で炊き、火から下ろして20分以上味を含ませる。煮汁から上げて汁気を拭き取り、予熱したオーブントースターで両面にきつね色の焦げ目をつける。

3.春菊の茎は茹でて水に放し、水気を絞って残りの下味用漬け出汁に20分以上漬ける。

4.白和え衣を作る。「トマトの白和え」参照。

5.ボウルにきのこ、汁気を絞り5mm〜6mmの幅に切った春菊の茎、1cm角ほどに切った栗を入れてよく混ぜる。白和え衣を加えて和え、器に盛って供する。

私たちプロの料理人の中には、色や見た目を味より重視する者もいます。薄味信仰?なのか、本当は少し濃いめの味にしたほうがおいしいものでも、それは恥と、濃いめの味つけを避けます。また、味を素材にしっかりと含ませることがプロの料理と、無理に味をつけなくてもおいしい素材に味をつけて台無しにしてしまうこともよくあります。何より、皆さまがおいしいと思う味にしてください。人の味の好みは様々です。ご自身・ご家族の好み、体調に合わせた味に調整しましょう。レシピに示す調味料などの分量は一例に過ぎません。注目していただきたいのは素材の組み合わせと料理手順、どんな調味料を使うのかということです。味の加減は是非お好みで。

六雁(むつかり)

榎園豊治さんプロフィール
銀座並木通りにある日本料理店「六雁」初代料理長であり、この連載の筆者でもある榎園豊治さんは、京都、大阪の料亭・割烹で修業を積み、大津大谷「月心寺」の村瀬明道尼に料理の心を学ぶ。その後、多くの日本料理店で料理長を歴任、平成16年に銀座に「六雁」を立ち上げた。野菜を中心としたコース料理に定評がある。

六雁 むつかり

東京都中央区銀座5-5-19
銀座ポニーグループビル6/7F
電話 03-5568-6266
営業時間 (昼)12時~14時 (夜)17時30分~23時 ※土曜日のみ17時~
(営業時間は変更になることもあります。事前に店舗にご確認ください)
URL:http://www.mutsukari.com

六雁 むつかり 料理長、秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。連載でご紹介する料理を手がけてくださる、現料理長・秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。
文/榎園豊治 撮影/大見謝星斗
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