レシピ
2021/11/08
個性を知ってもっとおいしく！「定番きのこ」17種の特徴と調理のポイント
きのこの伝道師 山岡昌治シェフに習う、きのこフレンチ ア・ラ・カルト 第15回（全17回） 秋冬になると食卓を飾る機会が多くなるきのこ。その使い方に精通する山岡昌治シェフに、コース仕立てできのこの料理を教わりました。今回使うのは、手に入りやすい栽培のもの。使い慣れたきのこの新しくて豊かな世界を紹介します。前回の記事はこちら＞＞
山岡シェフが解説！
定番きのこの個性を知り、もっとおいしく楽しもう！
〔教えてくださったのはこの方〕
山岡昌治（やまおか・しょうじ）さん
フランス料理「レストラン マッシュルーム」のオーナーシェフ。愛媛県松山市生まれ。27歳でフランスに渡り、約5年間料理の修業をする。帰国後、フレンチレストラン勤務を経て1993年東京・恵比寿に自店を開業。フランス滞在中に自然の偉大さ、特に未知のきのこワールドに魅せられ、休日は日本の山野を歩き回る。
「レストラン マッシュルーム」
東京都渋谷区恵比寿西1-16-3 ゼネラルビル恵比寿西101
TEL：03（5489）1346
定番きのこを解説！
定番きのこの個性を知り、もっとおいしく楽しみましょう。左右にスクロールしてご覧ください。
（1）えのきたけ
独特の香り、軸の繊維の強い食感が特徴。この香りと食感は、軽く茶色みを帯びるまで干すと一気に強まり、存在感のあるきのことなる。
（2）エリンギ
固く締まった軸の弾力ある食感と、甘みが魅力。冷凍して使うとさらに甘みが強まる。笠は香りやうまみ、わずかな苦みを有する複雑な風味。
（3）舞茸
生産者たちの熱心な取り組みのおかげで、特別に高品質な栽培舞茸も流通する。風にあてて半干しにすると舞茸らしい香り、繊維が強くなり美味。
（4）なめこ
栽培であっても、うまみが非常に強い。昆布だしで煮て、塩だけで調味しても充分においしい味が出る。独特のぬめりも大きな魅力。写真は大粒に育てたもの。
（5）きくらげ
乾燥と生があり、両方とも味がないものの、栄養価が非常に高い。つるりとした舌触り、コリコリとした歯ごたえは生のほうが上。
（6）あらげきくらげ
通常のきくらげより身に厚みがあり、繊維も強く歯ごたえがしっかりとしている。マリネ、スープ、ソテーなど、揚げ物以外の調理法に向く。
（7）ささくれひとよたけ
天然ものは大きくなるが、栽培では小さく作られる。風味は弱いが、かわいらしい形、一口で食べられる気軽さ、軽い食感が好まれている。
（8）しいたけ
万能なきのこ。かつては強い香りがあったが、今は抑えられ、食べやすくなっている。原木栽培のものが、繊維が強く風味もしっかりとしている。
（9）本しめじ
大型のしめじ。きのこらしい形が魅力で、味もおいしい。形を生かした料理に向くが、軸が笠からはずれやすいのでそっと扱うこと。
（10）ひらたけ
肉厚でジューシー、笠も軸もうまみが強い。また、軸には豊かな香りがある。形を生かしやすい大きさも魅力。さまざまな調理法に合う、万能なきのこ。
（11）やなぎまつたけ
味は淡いが、コリコリ、シャキシャキとした軸の食感が際立ち、そこが魅力のきのこ。笠は割れやすいので注意。ちなみにまつたけとは品種が異なる。
（12）ぶなしめじ
広く食卓で親しまれているきのこ。味は穏やかで、使いやすい。形を楽しむのがおすすめ。軸に歯ごたえがあるので、存在感を示しやすい。
（13）マッシュルーム
さまざまな大きさが流通している。新鮮なものは生も美味。火を入れたときの風味の凝縮感がひときわ高い。フランス産は特に香り、うまみともに強い。
（14）ブラウンマッシュルーム
もとはホワイトマッシュルームの変異種。ブラウンのほうがうまみや締まりが強い、という意見も。ホワイト同様、生、加熱両方で食べられる。
（15）ときいろひらたけ
鴇色が目を引く平らなきのこ。栽培きのこの中でもとりわけ鮮やかな色で、味も濃い。色とうまみの強さを生かしたソテーや揚げ物に向く。
（16）たもぎたけ
美しい黄色、ほどよい繊維質の歯ごたえ、味の三拍子が揃ったきのこ。「だしきのこ」と呼ばれるほどうまみが強いため、塩はほかのきのこより控えめがよい。
（17）はなびらたけ
白い色と華やかな形が魅力。うまみ成分も多く含む。生でも食べられるが、湯通しすると弾力も味も強まる。ソテーやフライでもおいしい万能なきのこ。
〔特集〕きのこの伝道師 山岡昌治シェフに習う
きのこフレンチ ア・ラ・カルト（全17回）
02 きのこ×ドライフルーツが新鮮！ うまみを楽しむ「きのこのマリネ」のレシピ
04 炒めてはダメ！べちょっとしない「きのこのソテー」のレシピ
05 香ばしいきのこと卵黄の甘みが合う「きのこのソテー半熟卵添え」のレシピ
06 ころもサクサク！冷めてもおいしい「きのこのフリチュール」のレシピ
07 気軽に作れる豪華な盛り合わせ！「魚介ときのこのフリチュール」のレシピ
08 “ゆっくり加熱”でうまみたっぷり「きのこのブイヨンスープ」のレシピ
09 手軽にレストランの味！「干し舞茸のポタージュ」のレシピ
10 きのこはメイン料理でも大活躍！「きのこのロースト」のレシピ
11 牛カツレツときのこが好相性！「シュニッツェル ジャンボマッシュルーム添え」
12 たっぷりきのこが美味しい「きのこのパルマンティエ」のレシピ
13 乾燥きくらげでデザート⁉ 新境地「白きくらげのカクテル」のレシピ
14 「えのきのプリン」⁉ あっと驚くデザートレシピをお試しあれ
15 個性を知ってもっとおいしく！「定番きのこ」17種の特徴と調理のポイント
料理／山岡昌治 撮影／角田 進 取材・文／柴田 泉
『家庭画報』2021年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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