レシピ

シャインマスカットを洒落た前菜に。シャンパンやワインにもぴったりです

プロよりおいしく作れる 野菜料理の“ちょっとしたコツ”365 身近な野菜で、プロよりおいしい野菜料理を作ってみませんか? 銀座の日本料理店「六雁(むつかり)」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、家庭だからこそ実践できる“ちょっとしたコツ”を毎日教わります。一覧はこちら>>

マスカットの辛子酢味噌和え、白和え

マスカットの辛子酢味噌和え、白和え

今日はぶどうの料理についてお話ししましょう。世界には1万種を超えるぶどうが存在するといわれ、日本で栽培されている食用ぶどうの品種でも50〜60種類に及ぶそうです。色も黒・赤・緑系とあり、他にも種のあり・なし、皮を食べられる・食べられないなどと違いも多岐にわたります。そんな数あるぶどうの中でも人気の品種の条件は「皮が薄くて皮ごと食べられ、しかも大粒で、糖度が高い」もの。その条件を満たすのが「シャインマスカット」です。今日は、シャインマスカットを使った料理をご紹介します。

マスカットの辛子酢味噌和え、白和え

ぶどうを購入するときは皮に張りとつやがあり、黒系と赤系なら全体の色が濃いものを、緑系なら黄色っぽいものを選びます。太くてしっかりしている青みがかった軸が鮮度を見分けるポイントです。

ぶどうを料理する上で知っておいてほしい技もお話ししましょう。ぶどうの皮をきれいにむくのは大変ですよね。少量ならまだしも、大量の皮をむくとなると(笑)。そんなときは湯むきします。湯むきについては「焼きいちじくの田楽」も参照してください。

鍋に湯を多めに沸かし、果柄(かへい。果実の柄になっている部分)から外して洗ったぶどうを鍋よりひとまわり小さなざるに入れて湯につけます。20秒弱で湯から引き上げ、氷水に入れると皮は簡単にむけます。また、ジャムなどにする場合は値段が安いときにまとめて買い、柄から外した実を重ならないように並べて冷凍します。それを皮のみ解凍するイメージで水に少しだけつけ、枝元の部分から皮に切れ目を入れると皮が楽にむけます。

現代人の口にも合うぶどう料理の白眉が伝統的日本料理の中にあります。それが辛子酢味噌和えです。白和えもシャインマスカットの堅くてしまりのある果肉とマスカットの香りが生きる逸品です。今日も野菜料理を楽しみましょう。

ちょっとしたコツ

・「マスカットの辛子酢味噌和え」は、野菜料理をおいしくする7要素中5要素を取り入れている。

旨み ◎塩分 ◎甘み 油分 ◎食感 ◎香り ◎刺激

・伝統的調理法では辛子入りの味噌にぶどうを漬けるが、漬けずに辛子酢味噌で和えたほうが果汁も抜けず、歯ごたえも生きておいしい

・「マスカットの白和え」は、野菜料理をおいしくする7要素中6要素を取り入れている。

◎︎旨み ◎塩分 ◎甘み ◎油分 ◎食感 ◎香り 刺激

・ぶどうの食感と香りが生きるように、直前に和え衣で和える

・くるみの油分が旨みを増し、食感がアクセントになる。

・大根は甘酢漬けにすることで全体が水っぽくなくなる


マスカットの辛子酢味噌和え、白和え

「マスカットの辛子酢味噌和え(右)」

【材料(2人分)】
・シャインマスカット 6粒

・みょうが(細めのせん切り) 1/3個

・辛子酢味噌 適量
作りやすい分量:玉味噌(白)50g、レモン果汁10cc、練り辛子適量
※玉味噌の練り方は「生姜味噌」参照

・ざくろの実(お好みで) 少々

【作り方】
1.ぶどうは果柄から実を外し、水で洗った後、皮のまま縦に十文字に切る。

2.ボウルにぶどうとみょうがを入れ、辛子酢味噌を好みの量加え混ぜて器に盛る。ざくろの実があれば、彩りとして数粒散らす。ぶどうから水分が出ないようすぐに供する。

「マスカットの白和え(左)」

【材料(2人分)】
・シャインマスカット 6粒

・梨 20g

・大根の甘酢漬け 20g
甘酢:昆布出汁(水1L、昆布10g)450cc、酢300cc、砂糖100g

・和え衣 適量
絞り豆腐(木綿豆腐の水分をしっかりと絞ったもの)140g、いり白ごま(香ばしくいる)20g、塩1g、薄口醤油小さじ1、砂糖小さじ2(お好みで)
トマトの白和え」参照

・くるみの飴煮 少々 「くるみの飴煮」参照

【作り方】
1.ぶどうは果柄から実を外し、水で洗った後、皮のまま縦に十文字に切る。

2.梨は皮をむいて食感が残るように6〜7mm角に切る。

3.大根は甘酢漬けにする。大根を「長いもの白煮」の要領で5mm角×3cm厚さに切って濃度3%の塩水(分量外)に5〜10分ほどつける。大根がしんなりしたらざるに上げて水分をきり、甘酢に30分以上漬けておく。

4.ボウルにぶどう、梨、汁気をきった大根を入れ、和え衣を好みの量加えて和える。器に盛って、割ったくるみの飴煮を散らして供する。飴煮が面倒ならば揚げくるみでもよい。

私たちプロの料理人の中には、色や見た目を味より重視する者もいます。薄味信仰?なのか、本当は少し濃いめの味にしたほうがおいしいものでも、それは恥と、濃いめの味つけを避けます。また、味を素材にしっかりと含ませることがプロの料理と、無理に味をつけなくてもおいしい素材に味をつけて台無しにしてしまうこともよくあります。何より、皆さまがおいしいと思う味にしてください。人の味の好みは様々です。ご自身・ご家族の好み、体調に合わせた味に調整しましょう。レシピに示す調味料などの分量は一例に過ぎません。注目していただきたいのは素材の組み合わせと料理手順、どんな調味料を使うのかということです。味の加減は是非お好みで。

六雁(むつかり)

榎園豊治さんプロフィール
銀座並木通りにある日本料理店「六雁」初代料理長であり、この連載の筆者でもある榎園豊治さんは、京都、大阪の料亭・割烹で修業を積み、大津大谷「月心寺」の村瀬明道尼に料理の心を学ぶ。その後、多くの日本料理店で料理長を歴任、平成16年に銀座に「六雁」を立ち上げた。野菜を中心としたコース料理に定評がある。

六雁 むつかり

東京都中央区銀座5-5-19
銀座ポニーグループビル6/7F
電話 03-5568-6266
営業時間 (昼)12時~14時 (夜)17時30分~23時 ※土曜日のみ17時~
(営業時間は変更になることもあります。事前に店舗にご確認ください)
URL:http://www.mutsukari.com

六雁 むつかり 料理長、秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。連載でご紹介する料理を手がけてくださる、現料理長・秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。

文/榎園豊治 撮影/大見謝星斗

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