レシピ

ほくほくの西洋かぼちゃの揚げ煮が、2日目はアレンジレシピで酒肴に大変身!

プロよりおいしく作れる 野菜料理の“ちょっとしたコツ”365 身近な野菜で、プロよりおいしい野菜料理を作ってみませんか? 銀座の日本料理店「六雁(むつかり)」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、家庭だからこそ実践できる“ちょっとしたコツ”を毎日教わります。一覧はこちら>>

かぼちゃの揚げ煮、焼きかぼちゃと焼き小いものもろみ和え

かぼちゃの揚げ煮、焼きかぼちゃと焼き小いものもろみ和え

今日はかぼちゃを炊いてみましょう。私が若い頃は、日本料理で使うかぼちゃは黒皮かぼちゃ(別名・菊かぼちゃ)のような日本種が主でした。上から見ると菊のように見える溝が入っており、水分が多くて甘みが少ないため、西洋種に押されて、今では日本種自体があまり作られなくなってきています。

えびすかぼちゃのような西洋種は甘みが強く粉質(こなしつ)で、加熱するとホクホクした食感になるため多くの支持を獲得しました。7月~8月に収穫されますが、2~3か月貯蔵したものの方が水分が抜け、熟しておいしくなります。

かぼちゃの揚げ煮、焼きかぼちゃと焼き小いものもろみ和え今では一般的となっている西洋種のえびすかぼちゃ。

かぼちゃはスーパーマーケットなどではカットして売られているので、果肉の色を見て選びましょう。収穫直後は白っぽい黄色で、熟成が進むと赤みを帯び甘みが増します。また、カットしてあるものは種の部分が腐りやすいのですぐに取り除き、ラップで包んで冷蔵庫で保存します。

前述したように、日本種のかぼちゃを使っていた少し年配の料理人は、かぼちゃといえば水っぽくて甘みが少ないという先入観があるため調味を甘辛くします。今もそういう流れを汲む料理人は多いものです。時代に合わない調味ですね。

甘みを減らして、薄味ながらもおいしくするには下揚げした後に炊くのがコツです。揚げることで油の旨みが加わり、味を濃くしなくてもおいしく仕上がるのです。

それから、「小いもの含め煮」でもお話ししましたが、かぼちゃやいも類のようにでんぷん質のものは、一度でも冷蔵庫に入れると身がしまっておいしくなくなります。ぜひ覚えておいてください。ただ、どうしても残ってしまうこともあると思います。今日はそんなときの再利用の方法も紹介します。

次々に新しいものが現れ、昔のやり方では通用しなくなるのは料理の世界でも同じなのがおわかりいただけたかと思います。取り巻く環境、時代の変化に合わせて、野菜料理を楽しみましょう。

ちょっとしたコツ

・「かぼちゃの揚げ煮」は、野菜料理をおいしくする7要素中6要素を取り入れている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み ◎油分 ◎食感 ◎香り 刺激

下揚げすることで油の旨みが加わるため、味を濃くしなくてもおいしく仕上がる。

・小いも同様、でんぷん質が多いかぼちゃは、炊いたものを一度でも冷蔵庫に入れると身がしまってしまう。作ったその日に食べるのが一番おいしい。

・「焼きかぼちゃと焼き小いものもろみ和え」は、野菜料理をおいしくする7要素中6要素を取り入れている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み ◎油分 ◎食感 ◎香り 刺激

炊いたかぼちゃや小いもが残ってしまった場合は、焼いて焦げ目をつけ、新たな風味を加えておいしさを蘇らせる。もろみを添えて酒の肴に。


「かぼちゃの揚げ煮」

かぼちゃの揚げ煮、焼きかぼちゃと焼き小いものもろみ和え

【材料(作りやすい分量)】
・かぼちゃ 350g

・出汁 500cc
かつお節と昆布の出汁でも、ベジタリアン用は昆布出汁でもよい

・濃口醤油 大さじ3

・みりん 大さじ3

・砂糖 大さじ2

・みょうが(せん切り) 適量

・揚げ油 適量

【作り方】
1.かぼちゃはピーラーで堅い緑の皮をむいて種とわたを除き、食べやすい大きさに切る。

2.揚げ油を火にかけ160℃くらいに熱し、かぼちゃを入れてところどころきつね色になるくらいに揚げる。

3.鍋に出汁を入れ調味料を加えて火にかける。沸いたところに揚げたかぼちゃを加えて5分くらい炊いて火から下ろし、そのまま20分以上おいて味を含ませる。器に盛り、みょうがのせん切りを添える。

「焼きかぼちゃと焼き小いものもろみ和え」

かぼちゃの揚げ煮、焼きかぼちゃと焼き小いものもろみ和え

【材料(2人分)】
・かぼちゃ揚げ煮 4個

・小いもの含め煮 6個
小いもの含め煮」参照

・もろみ味噌 大さじ1

【作り方】
1.かぼちゃの揚げ煮、小いもの含め煮をグリラー(またはオーブントースター)で焼き目がつくくらい焼く。

2.1を好みの量のもろみ味噌で和えて器に盛る。

私たちプロの料理人の中には、色や見た目を味より重視する者もいます。薄味信仰?なのか、本当は少し濃いめの味にしたほうがおいしいものでも、それは恥と、濃いめの味つけを避けます。また、味を素材にしっかりと含ませることがプロの料理と、無理に味をつけなくてもおいしい素材に味をつけて台無しにしてしまうこともよくあります。何より、皆さまがおいしいと思う味にしてください。人の味の好みは様々です。ご自身・ご家族の好み、体調に合わせた味に調整しましょう。レシピに示す調味料などの分量は一例に過ぎません。注目していただきたいのは素材の組み合わせと料理手順、どんな調味料を使うのかということです。味の加減は是非お好みで。

六雁(むつかり)

榎園豊治さんプロフィール
銀座並木通りにある日本料理店「六雁」初代料理長であり、この連載の筆者でもある榎園豊治さんは、京都、大阪の料亭・割烹で修業を積み、大津大谷「月心寺」の村瀬明道尼に料理の心を学ぶ。その後、多くの日本料理店で料理長を歴任、平成16年に銀座に「六雁」を立ち上げた。野菜を中心としたコース料理に定評がある。

六雁 むつかり

東京都中央区銀座5-5-19
銀座ポニーグループビル6/7F
電話 03-5568-6266
営業時間 (昼)12時~14時 (夜)17時30分~23時 ※土曜日のみ17時~
(営業時間は変更になることもあります。事前に店舗にご確認ください)
URL:http://www.mutsukari.com

六雁 むつかり 料理長、秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。連載でご紹介する料理を手がけてくださる、現料理長・秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。

文/榎園豊治 撮影/大見謝星斗

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