レシピ

なすとぶどうと味噌。驚きのおいしさに、ワインも進むお洒落なおつまみ

プロよりおいしく作れる 野菜料理の“ちょっとしたコツ”365 身近な野菜で、プロよりおいしい野菜料理を作ってみませんか? 銀座の日本料理店「六雁(むつかり)」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、家庭だからこそ実践できる“ちょっとしたコツ”を毎日教わります。一覧はこちら>>

賀茂なすのぶどう田楽

賀茂なすのぶどう田楽

旧暦9月の9日、19日、29日の9のつく日は、かつては三九日(みくんち)と呼ばれていました。旧暦9月9日は現在の10月上旬で早稲の収穫期にあたり、三九日は収穫後の骨休み、秋祭りで、栗飯や赤飯、餅や団子など地域によって様々な行事食があります。

これら9のつく日になすを食べると中風(発熱や悪寒、頭痛などの症状の総称)にならないとの言い伝えがあり、なす料理を食べる習慣もありました。

今は一年中あるなすも本当においしいのは9月くらいまで。この連載で以前、お教えした「賀茂なす田楽2種」と名前は同じなすの田楽でも、今回は趣向を変えて、あっさり食べられ、ワインにも合う一品を紹介します。

賀茂なすのぶどう田楽

日本料理の古典になすの皮をむいてワインで炊くという「なすの葡萄もどき」という料理がありますが、なすの果肉の翡翠色と食感に、先人が葡萄に共通するものを見いだしたのでしょう。今回の料理のほうがはるかにおいしいですが(笑)。

今日も野菜料理を楽しみましょう。

ちょっとしたコツ

・「賀茂なすのぶどう田楽」は、野菜料理をおいしくする7要素中6要素を取り入れている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み 油分 ◎食感 ◎香り ◎刺激

・なすは電子レンジで加熱する際に、日本酒(または白ワイン)を少量かけておく

・野菜料理をおいしくする7要素の1つである油分をたしたければナッツ類や揚げ湯葉をのせてもよい。


「賀茂なすのぶどう田楽」

賀茂なすのぶどう田楽
【材料(2人分)】
・賀茂なす 1個

・塩 少々

・日本酒(または白ワイン) 大さじ1.5

・玉味噌(白) 大さじ3
西京味噌500g、卵黄5個、砂糖30g、日本酒200cc(「生姜味噌」参照)

・デラウェア(またはシャインマスカット) 30粒

・柚子こしょう 適量

・柚子 適量

【作り方】
1.包丁にサラダ油(材料外)を数滴落としてクッキングペーパーで全体に伸ばす。その包丁でなすの皮をむき、縦に8等分する。

2.なすにごく薄く塩をふり、日本酒をふりかけラップして、電子レンジ加熱する(500W×3分)。加熱後、触ってみてなすがしんなりと柔らかくなっていたら火が通っているので、取り出して冷蔵庫で冷やしておく。

3.ぶどう味噌を作る。玉味噌(白)を入れたボウルに、デラウェアの実を皮から出して汁ごと加えてよく混ぜる。シャインマスカットを使う場合は皮ごと縦に4等分して加える。酸味がたりないと感じる場合はレモン汁などの柑橘酢を少量補う。玉味噌とぶどうを合わせて時間が経過すると、ぶどうの実が痩せ、食感も悪くなるので、食べる直前に混ぜること。

4.冷蔵庫でよく冷やしたなすを器に盛り、ぶどう味噌を食べる直前に上からかける。柚子こしょうをアクセントに散らし、柚子の皮の部分のみをおろし金で削ったものを、先を切った茶筅でふる。油分をたしたければナッツ類や揚げ湯葉をのせてもよい。

私たちプロの料理人の中には、色や見た目を味より重視する者もいます。薄味信仰?なのか、本当は少し濃いめの味にしたほうがおいしいものでも、それは恥と、濃いめの味つけを避けます。また、味を素材にしっかりと含ませることがプロの料理と、無理に味をつけなくてもおいしい素材に味をつけて台無しにしてしまうこともよくあります。何より、皆さまがおいしいと思う味にしてください。人の味の好みは様々です。ご自身・ご家族の好み、体調に合わせた味に調整しましょう。レシピに示す調味料などの分量は一例に過ぎません。注目していただきたいのは素材の組み合わせと料理手順、どんな調味料を使うのかということです。味の加減は是非お好みで。

六雁(むつかり)

榎園豊治さんプロフィール
銀座並木通りにある日本料理店「六雁」初代料理長であり、この連載の筆者でもある榎園豊治さんは、京都、大阪の料亭・割烹で修業を積み、大津大谷「月心寺」の村瀬明道尼に料理の心を学ぶ。その後、多くの日本料理店で料理長を歴任、平成16年に銀座に「六雁」を立ち上げた。野菜を中心としたコース料理に定評がある。

六雁 むつかり

東京都中央区銀座5-5-19
銀座ポニーグループビル6/7F
電話 03-5568-6266
営業時間 (昼)12時~14時 (夜)17時30分~23時 ※土曜日のみ17時~
(営業時間は変更になることもあります。事前に店舗にご確認ください)
URL:http://www.mutsukari.com

六雁 むつかり 料理長、秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。連載でご紹介する料理を手がけてくださる、現料理長・秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。

文/榎園豊治 撮影/大見謝星斗

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