レシピ

おやつにも、お酒のつまみにも。ローストとはまったく違う、柔らかい塩茹で落花生

プロよりおいしく作れる 野菜料理の“ちょっとしたコツ”365 身近な野菜で、プロよりおいしい野菜料理を作ってみませんか? 銀座の日本料理店「六雁(むつかり)」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、家庭だからこそ実践できる“ちょっとしたコツ”を毎日教わります。一覧はこちら>>

茹で落花生、落花生味噌

茹で落花生、落花生味噌
関西から東京に拠点を移して20年を超えました。今は物流も整備され、あらゆる情報も手に入りますので、関東と関西の食材の違いもほとんどなくなりました。逆に地域による個性がなくなったともいえますが。

昔は野菜でいえば、関西の花山椒、聖護院かぶ、壬生菜、紫ずきん(「茶豆の塩茹で、紫ずきん3種」)などは関東では市場に入荷がありませんでした。関西の菊菜と関東の春菊、関西と関東のねぎも違いました。逆に関西にいると扱うことがない野菜もありました。その一つが今日取り上げます新落花生です。

茹で落花生、落花生味噌

新落花生は枝豆同様、塩茹でが一番おいしいと思いますが、茹で時間が枝豆に比べるとはるかに長いので、塩分濃度を少し下げます。殻と実の間にも塩湯が残るので、塩が強いと取り返しがつかなくなります。40分ほどかけてゆっくり茹で上げましょう。私が好きな千葉県産の大粒の落花生「おおまさり」は、茹で上げると非常に柔らかく食べごたえもあります。

それから、もう一品、落花生味噌も紹介します。甘みが強くカリカリにローストしてある市販の落花生味噌は子供たちに大人気ですが、大人になってから食べると少し甘過ぎるかもしれません。そこで、生の落花生を一度茹でて、その後にピーナッツ油で炒め、堅さも甘さも自分好みにしてみましょう。

甘党も辛党も喜ぶ新落花生をぜひご家庭で。今日も野菜料理を楽しみましょう。

ちょっとしたコツ

・「茹で落花生」は、野菜料理をおいしくする7要素中5要素を取り入れている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み 油分 ◎食感 ◎香り 刺激

塩の量は水の重量の2%弱で十分。茹で時間が長いため、塩分が浸透しやすいので注意。

・「落花生味噌」は、野菜料理をおいしくする7要素中7要素を取り入れている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み ◎油分 ◎食感 ◎香り ◎刺激

いり豆を使った場合より味がしみ込みやすいので薄めの味つけにする


「茹で落花生」

茹で落花生、落花生味噌

【材料(作りやすい分量)】
・生落花生(おおまさり) 500g

・水 2L

・塩 水の2%弱

【作り方】
1.生落花生は泥がついていたら大きめのボウルにはった水の中に入れて擦り合わせて洗い、ざるに上げる。

2.蓋ができる大きな鍋に水と塩、落花生を入れ、落とし蓋をのせて、さらに鍋蓋をして火にかける。

3.沸いたら中火にし、40分ほど柔らかくなるまで茹でる。別で湯を沸かしておき、落花生を茹でている湯が減ってきたら湯を足し、元の湯量に戻す。均等に茹で上がるように途中で2度ほど全体をかき混ぜる。

4.1粒、試食してみて、塩加減が少し足りないと感じたら、火を消して10分ほど茹で汁の中に置いた後にざるに上げるとよい。

※茹で具合は好みなので、少し芯があるくらいが好みなら、30分くらいで茹で加減を確認する。

「落花生味噌」

茹で落花生、落花生味噌

【材料(2人分)】
・生落花生の実(殻をむいたもの) 50g

・ピーナッツ油 適量

・玉味噌(赤) 15g
玉味噌、生姜味噌」参照

・生姜(みじん切り) 8g

・日本酒 大さじ1

・みりん 小さじ2

・砂糖 小さじ1/2弱

【作り方】
1.生落花生は「茹で落花生」と同様に茹で始め、沸いたら20分を目安にざるに上げる。

2.触れるくらいに冷めたら、殻から実を外す。乾燥落花生と違って薄皮は食べられるのでむく必要はない。

3.フライパンを火にかけてピーナッツ油(なければサラダ油でよい)を入れて熱し、殻を外した落花生を加えて2分ほど炒めて香ばしさを出す。

4.生姜、日本酒、調味料、玉味噌を加えて全体になじませていく。

私たちプロの料理人の中には、色や見た目を味より重視する者もいます。薄味信仰?なのか、本当は少し濃いめの味にしたほうがおいしいものでも、それは恥と、濃いめの味つけを避けます。また、味を素材にしっかりと含ませることがプロの料理と、無理に味をつけなくてもおいしい素材に味をつけて台無しにしてしまうこともよくあります。何より、皆さまがおいしいと思う味にしてください。人の味の好みは様々です。ご自身・ご家族の好み、体調に合わせた味に調整しましょう。レシピに示す調味料などの分量は一例に過ぎません。注目していただきたいのは素材の組み合わせと料理手順、どんな調味料を使うのかということです。味の加減は是非お好みで。

六雁(むつかり)

榎園豊治さんプロフィール
銀座並木通りにある日本料理店「六雁」初代料理長であり、この連載の筆者でもある榎園豊治さんは、京都、大阪の料亭・割烹で修業を積み、大津大谷「月心寺」の村瀬明道尼に料理の心を学ぶ。その後、多くの日本料理店で料理長を歴任、平成16年に銀座に「六雁」を立ち上げた。野菜を中心としたコース料理に定評がある。

六雁 むつかり

東京都中央区銀座5-5-19
銀座ポニーグループビル6/7F
電話 03-5568-6266
営業時間 (昼)12時~14時 (夜)17時30分~23時 ※土曜日のみ17時~
(営業時間は変更になることもあります。事前に店舗にご確認ください)
URL:http://www.mutsukari.com

六雁 むつかり 料理長、秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。連載でご紹介する料理を手がけてくださる、現料理長・秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。

文/榎園豊治 撮影/大見謝星斗

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