レシピ

いろんな野菜を混ぜ込むだけ。歯ざわりも楽しい夏の常備菜をご紹介します

プロよりおいしく作れる 野菜料理の“ちょっとしたコツ”365 身近な野菜で、プロよりおいしい野菜料理を作ってみませんか? 銀座の日本料理店「六雁(むつかり)」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、家庭だからこそ実践できる“ちょっとしたコツ”を毎日教わります。一覧はこちら>>

夏野菜のやたら漬け、夏野菜味噌

夏野菜のやたら漬け、夏野菜味噌

やたら漬け、日本料理によくある何かいわれや遊び心のある名前なのでしょうか?

今回の料理はいろんな野菜をやたらに漬け込むからという、そのまんまの名前のようです(笑)。茨城県、福井県、山形県、京都府、兵庫県、鳥取県、島根県などの各地に伝わっています。

地方によって作り方や材料は多少違いますが、いずれも野菜を刻んで漬けただけのシンプルであっさりした料理です。ご飯にのせてかき込んだり、冷ややっこやそうめんなどの薬味にして暑い夏を乗り切ります。

呼び名も地域によって少しずつ違うようで、同様の料理なのですが、山形では「だし」と呼ばれています。午前の農作業が終わると急いで家に帰り、畑から採ってきた野菜を手早く刻んで昼の食卓に“出し”たからとか、“出汁”のようにおいしいからという説もあります。

今日は同じ材料、手順でできる夏野菜味噌もご紹介します。どちらも簡単にできるので、夏の常備菜として作り置きするのもよいのではないでしょうか。

奈良漬けや柴漬け、梅のカリカリ漬けなど、好きなものをトッピングして「myやたら」にするのもいいですね。ただ、やたら漬けだからといって何でもかんでも加えすぎるのは禁物ですが(笑)。それでは、今日も野菜料理を楽しみましょう。

ちょっとしたコツ

・「夏野菜のやたら漬け」は、野菜料理をおいしくする7要素中5要素をクリア。

◎旨み ◎塩分 甘み 油分 ◎食感 ◎香り ◎刺激

塩は控えめに。加え過ぎた塩は後で抜きようがないが、薄ければ後でたせる。

・作りたてもおいしいが、一日おくとししとうの青くささが消え、程よい辛みが全体になじむ

・「夏野菜味噌」は、野菜料理をおいしくする7要素中6要素をクリア。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み 油分 ◎食感 ◎香り ◎刺激

・塩の量を「夏野菜のやたら漬け」より、少し減らし、その塩分を補うように味噌を加える

奈良漬けで甘味と風味をたして味に深みを出す。


夏野菜のやたら漬け、夏野菜味噌

「夏野菜のやたら漬け」(右)

【材料(作りやすい分量)】
・きゅうり(1cmのさいの目切り) 1.5本

・みょうが(5mm厚さの輪切り) 2本

・なす(1cmのさいの目切り) 1本

・かぶ(1cmのさいの目切り) 1/2~2/3個(大きさによる)

・ししとう(枝部分を外して種ごと5~6mmに切る) 8本

・青じそ(1cm角に色紙切り) 20枚

・がごめ昆布(普通の昆布でもよい) 8g

・長いも(6~7mm角のあられ切り) 50g

・オクラ(茹でて塩をふり種ごと5mm厚さの輪切り) 4本

・トマト(1cmのさいの目切り) 1/2個

・柴漬け(粗めのみじん切り) 6g

・塩 適量

【作り方】
1.ボウルにきゅうり、みょうが、なす、かぶ、ししとう、青じそを入れて、野菜の全重量の0.5%の塩をして全体にまぶす。

2.20~30分ほど置いて塩がなじんだら、野菜を軽くもんだ後に両手で水分を絞る。

3.2にがごめ昆布(粘りが出る)を小さく割って加え混ぜる。普通の昆布でもよい。冷蔵庫で2~3時間保存し、昆布の旨みを野菜にのせる。途中で1度、野菜を混ぜる。

4.3に長いも、オクラ、トマトを加えて混ぜ器に盛り、柴漬けを散らす。刺激が好みなら柚子こしょうを混ぜてもよい。サラダ油(材料外)をごく少量加えると味にボリュームが出る。

「夏野菜味噌」(左)

【材料】
・材料は下処理も含めて、「夏野菜のやたら漬け」とほぼ同じ。

・がごめ昆布を普通の昆布に、柴漬けを奈良漬にする。

・野菜にする塩を0.4%に減らす。

・味噌 適量

【作り方】
1.「夏野菜のやたら漬け」のプロセス4で味噌を適量加えて風味と塩分を補う。味噌は食べる直前に混ぜる。

2.1を器に盛り、奈良漬けを散らす。

私たちプロの料理人の中には、色や見た目を味より重視する者もいます。薄味信仰?なのか、本当は少し濃いめの味にしたほうがおいしいものでも、それは恥と、濃いめの味つけを避けます。また、味を素材にしっかりと含ませることがプロの料理と、無理に味をつけなくてもおいしい素材に味をつけて台無しにしてしまうこともよくあります。何より、皆さまがおいしいと思う味にしてください。人の味の好みは様々です。ご自身・ご家族の好み、体調に合わせた味に調整しましょう。レシピに示す調味料などの分量は一例に過ぎません。注目していただきたいのは素材の組み合わせと料理手順、どんな調味料を使うのかということです。味の加減は是非お好みで。

六雁(むつかり)

榎園豊治さんプロフィール
銀座並木通りにある日本料理店「六雁」初代料理長であり、この連載の筆者でもある榎園豊治さんは、京都、大阪の料亭・割烹で修業を積み、大津大谷「月心寺」の村瀬明道尼に料理の心を学ぶ。その後、多くの日本料理店で料理長を歴任、平成16年に銀座に「六雁」を立ち上げた。野菜を中心としたコース料理に定評がある。

六雁 むつかり

東京都中央区銀座5-5-19
銀座ポニーグループビル6/7F
電話 03-5568-6266
営業時間 (昼)12時~14時 (夜)17時30分~23時 ※土曜日のみ17時~
(営業時間は変更になることもあります。事前に店舗にご確認ください)
URL:http://www.mutsukari.com

六雁 むつかり 料理長、秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。連載でご紹介する料理を手がけてくださる、現料理長・秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。

文/榎園豊治 撮影/大見謝星斗

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