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暑い日は“おいし過ぎない”、野菜だけのさっぱりレシピをお試しあれ

2021.08.01

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プロよりおいしく作れる 野菜料理の“ちょっとしたコツ”365 身近な野菜で、プロよりおいしい野菜料理を作ってみませんか? 銀座の日本料理店「六雁(むつかり)」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、家庭だからこそ実践できる“ちょっとしたコツ”を毎日教わります。一覧はこちら>>

夏野菜の冷や汁


夏野菜の冷や汁

今日から8月、夏バテ気味で食欲がないときは、冷や汁はいかがでしょうか。

冷や汁の発祥には諸説ありますが、忙しい漁師の間で簡単で栄養がとれる食事として鹿児島で生まれ、九州全域に広まったのが始まりのようです。その後、西日本へと伝わり、愛媛や広島などでは「さつま」と呼ばれています。作り方は地域や家庭によって様々ですが、地元産の焼き魚の身をすり鉢ですって、ごま、味噌、仕上げにきゅうり、青じそ、豆腐を加えてご飯(麦飯の場合も)にかけます。いわゆるぶっかけ飯です。


かつての日本では、夏はおいし過ぎない料理が喜ばれました。おいし過ぎないとは変な言葉ですが、わかりやすいところでは白身魚の刺し身の洗い、鱧(はも)の落とし、じゅんさいの酢のもの、冷やしそうめんなどがそうです。

白身魚の洗いといえば、淡泊な白身からさらに脂を抜くような調理法です。うだるように暑い日に脂がのった魚は……ということなのでしょう。現在は一年中、夏でもおいしいもの、おいし過ぎるものを求める風潮がありますが(笑)。

口福のおいしさもいいですが、夏バテのときは魚の身を加えない、野菜だけのあっさりした冷や汁こそ、体がおいしいと言うかもしれません。
暑さに負けず、今日も野菜料理を楽しみましょう。


ちょっとしたコツ


・「夏野菜の冷や汁」は、野菜料理をおいしくする7要素中5要素をクリア。

◎旨み ◎塩分 甘み ◎油分 ◎食感 ◎香り 刺激

・魚の旨みがない分、いりたてのごまの香りと旨み、香味野菜の風味と食感を生かす。椀に盛り、香ばしく焼いた油揚げを刻んでのせてもよい。さらに油分も加わりボリュームが出る。刺激が欲しければ柚子こしょうや七味唐辛子も合う。

・すり鉢は内側が素焼きなので、あらかじめ水を吸わせておかないと、出汁などが染み込みカビが生えたり、臭いがつく恐れがある







「夏野菜の冷や汁」


夏野菜の冷や汁

【材料 2~3人分】
・出汁 500cc
かつお節と昆布の合わせ出汁でも、ベジタリアン用は昆布出汁でもいい。

・味噌 120g(味噌の塩分により加減)

・いりごま(市販のいりごまを軽くいり直す) 40g(お好みの量で)

・きゅうり(小口切りを塩もみ) 2本
きゅうり塩もみの酢のもの」参照

・トマト(適宜に切る) 1/2個

・豆腐(木綿または絹ごし。お好みで) 1/2丁

・みょうが(小口切り) 1個

・青じそ(せん切り) 10枚

・新生姜(せん切りまたはみじん切り) 20g

・ご飯(そうめん、うどんでもよい) 適量

【作り方】
1.白ごまをいる。面倒な場合はいりごまを軽くいり直すだけでも香りが違う。

2.すり鉢の内側を洗って水分を十分含ませた後、乾いた布巾で拭き、1のごまを入れてする。ペースト状にする必要はなく、少し歯ごたえが残るくらいにする。

3.出汁に味噌を溶かす。味噌をあぶって香ばしくする方法もあるが、ごまの香りとぶつかるため、今回は味噌はそのまま使う。

4.2に3の味噌汁を加えて、よく合わせる。

5.4にきゅうりの塩もみ、トマトを加える。豆腐は手でちぎって加えることで、野趣と同時に味と食感に変化が出る。

6.最後にみょうが、青じそ、新生姜を加えて軽く混ぜ、温かいご飯にかける。冷や飯でもよい。そうめんやうどんにかけてもおいしい。

7.ボリュームが欲しければ、オーブントースターで焼いた油揚げを切ってのせる。好みで梅干し、柚子こしょう、七味唐辛子を。

私たちプロの料理人の中には、色や見た目を味より重視する者もいます。薄味信仰?なのか、本当は少し濃いめの味にしたほうがおいしいものでも、それは恥と、濃いめの味つけを避けます。また、味を素材にしっかりと含ませることがプロの料理と、無理に味をつけなくてもおいしい素材に味をつけて台無しにしてしまうこともよくあります。何より、皆さまがおいしいと思う味にしてください。人の味の好みは様々です。ご自身・ご家族の好み、体調に合わせた味に調整しましょう。レシピに示す調味料などの分量は一例に過ぎません。注目していただきたいのは素材の組み合わせと料理手順、どんな調味料を使うのかということです。味の加減は是非お好みで。

六雁(むつかり)

榎園豊治さんプロフィール
銀座並木通りにある日本料理店「六雁」初代料理長であり、この連載の筆者でもある榎園豊治さんは、京都、大阪の料亭・割烹で修業を積み、大津大谷「月心寺」の村瀬明道尼に料理の心を学ぶ。その後、多くの日本料理店で料理長を歴任、平成16年に銀座に「六雁」を立ち上げた。野菜を中心としたコース料理に定評がある。

六雁 むつかり

東京都中央区銀座5-5-19
銀座ポニーグループビル6/7F
電話 03-5568-6266
営業時間 (昼)12時〜14時 (夜)17時30分〜23時 ※土曜日のみ17時〜
(営業時間は変更になることもあります。事前に店舗にご確認ください)
URL:http://www.mutsukari.com

六雁 むつかり 料理長、秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。連載でご紹介する料理を手がけてくださる、現料理長・秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。
文/榎園豊治 撮影/大見謝星斗
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