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長いもを出汁で60秒煮込んで冷やすだけ。白く炊きあげるコツも教えます

2021.07.29

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プロよりおいしく作れる 野菜料理の“ちょっとしたコツ”365 身近な野菜で、プロよりおいしい野菜料理を作ってみませんか? 銀座の日本料理店「六雁(むつかり)」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、家庭だからこそ実践できる“ちょっとしたコツ”を毎日教わります。一覧はこちら>>

長いもの白煮


長いもの白煮

今日の料理名は「長いもの白煮(しらに)」としました。その名のとおりに素材を白く煮るということです。
私たちプロの料理では、うど、れんこん、百合根、いも類などの野菜を白煮にすることがありますが、白さを求めるあまり、かつては薬品や食品用漂白剤を使用することもありました。


今も市販の百合根の蜜煮などの成分表示を見ると食品用漂白剤の文字が。白煮ではありませんが、市販の栗の甘露煮にも使われていることがあります。

何よりおいしく炊きたいですし、薬品を使わなくても自然な白に仕上げることはできます。

ただ、知っておいていただきたいことがあります。白煮をするときは鍋に注意が必要です。

料理屋の鍋というとピカピカに磨き上げられたものを連想されるでしょう。そうあるべきだと私も思います。
しかし、ピカピカに磨いた鍋は注意しないと、きれいに見えても、その鍋肌(表面)には磨いたときに生じた見えないレベルの金属粉が落ちずに残っている場合があるのです。そこに注意がいかず、そのまま使用してしまうと、金気が食材に付着して何となく薄い灰色になります。白煮の場合は特に目立ちます。

家庭の場合はそんな心配はいらないのかもしれませんが、アルミ鍋は注意が必要です。ピカピカに磨いた後は、使用する前に食器用洗剤とスポンジの柔らかいほうを使って鍋肌をきれいに洗い、乾いた布巾で力を入れて磨き上げましょう。ほうろう鍋やガラス鍋は問題ありません。

もう一つのポイントは「長いものわさび漬け、梅焼き」でも述べましたが、長いものおいしさであるシャキシャキ感を生かしながら白煮を作ることです。

白といえば、私の髪はもう真っ白になりましたが、心は白い灰にならぬよう、心して今日も野菜料理を楽しみます。


ちょっとしたコツ


・「長いもの白煮」は野菜料理をおいしくする7要素中5要素をクリア。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み 油分 ◎食感 ◎香り 刺激

食感を生かすために半生に炊き上げる

・さっと炊いたら自然に冷ますのではなく、鍋ごと氷水で急冷する。

・炊く時間が短いため、煮汁は濃い目の味付けに。







「長いもの白煮」


長いもの白煮

【材料(2人分)】
・長いも(棒状に切る 8mm×8mm×40mm) 100g
※切り方は「オクラと長いもの梅和え」を参照

・出汁 300cc
かつお節と昆布の出汁でも、ベジタリアン用には昆布出汁でも。

・塩 小さじ1/2

・砂糖 100g

・日本酒 50cc

・木の芽(山椒)・青柚子(皮をおろし金で削る)・ゆかり 各少々

【作り方】
1.長いもは切って、少し水にさらしてぬめりを取り、ざるに上げる。

2.使用する鍋より大きいボウルに氷水を多めに用意しておく。

3.鍋は内側を食器用洗剤とスポンジの柔らかいほうを使って洗った後、乾いた布巾で丁寧に拭いて金気を除いておく。

4.3の鍋に出汁を入れて火にかけ、調味料を加える。

5.煮汁が沸いたら、1の長いもを入れ、沸き過ぎないよう中火で60秒炊いたら火から外し、2の氷水に鍋ごと浮かべ、鍋をゆするように回転させ、中の煮汁に渦を巻かせて急冷する。

6.冷えたら冷蔵庫に3時間以上入れて味を含ませ、器に盛りつける。木の芽、青柚子、ゆかりをそれぞれかける。

私たちプロの料理人の中には、色や見た目を味より重視する者もいます。薄味信仰?なのか、本当は少し濃いめの味にしたほうがおいしいものでも、それは恥と、濃いめの味つけを避けます。また、味を素材にしっかりと含ませることがプロの料理と、無理に味をつけなくてもおいしい素材に味をつけて台無しにしてしまうこともよくあります。何より、皆さまがおいしいと思う味にしてください。人の味の好みは様々です。ご自身・ご家族の好み、体調に合わせた味に調整しましょう。レシピに示す調味料などの分量は一例に過ぎません。注目していただきたいのは素材の組み合わせと料理手順、どんな調味料を使うのかということです。味の加減は是非お好みで。

六雁(むつかり)

榎園豊治さんプロフィール
銀座並木通りにある日本料理店「六雁」初代料理長であり、この連載の筆者でもある榎園豊治さんは、京都、大阪の料亭・割烹で修業を積み、大津大谷「月心寺」の村瀬明道尼に料理の心を学ぶ。その後、多くの日本料理店で料理長を歴任、平成16年に銀座に「六雁」を立ち上げた。野菜を中心としたコース料理に定評がある。

六雁 むつかり

東京都中央区銀座5-5-19
銀座ポニーグループビル6/7F
電話 03-5568-6266
営業時間 (昼)12時〜14時 (夜)17時30分〜23時 ※土曜日のみ17時〜
(営業時間は変更になることもあります。事前に店舗にご確認ください)
URL:http://www.mutsukari.com

六雁 むつかり 料理長、秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。連載でご紹介する料理を手がけてくださる、現料理長・秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。
文/榎園豊治 撮影/大見謝星斗
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