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きんぴらのイメージが覆る! 旬の野菜の味を楽しむお惣菜レシピ

2021.07.28

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プロよりおいしく作れる 野菜料理の“ちょっとしたコツ”365 身近な野菜で、プロよりおいしい野菜料理を作ってみませんか? 銀座の日本料理店「六雁(むつかり)」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、家庭だからこそ実践できる“ちょっとしたコツ”を毎日教わります。一覧はこちら>>

甘長唐辛子とごぼう・パプリカのきんぴら


きんぴらのイメージが覆る! 旬の野菜の味を楽しむお惣菜レシピ。

夏らしいきんぴらをご紹介します。きんぴらといえば、代表的な惣菜の一つですが、だからこそ、いつも定番どおりというのではなく、季節ごとの食材で変化をつけたいものです。そのちょっとした工夫で惣菜は立派な“旬の料理”に昇華します。

きんぴらは漢字では金平という字が当てられ、金太郎で有名な坂田金時(さかたのきんとき)の息子の金平という怪力で勇敢な人物から名づけられたとする説もあります。きんぴらの主素材になるごぼうは地に深く根を伸ばすこともあり、精がつくとされていますから、金平の剛力伝説とも通じる部分があります。


ごぼうやにんじん、れんこんなどを油、砂糖、醤油などを用いて甘辛く炒め、赤唐辛子で刺激を加えてきんぴらを作りますね。毎回、チェックしている野菜料理をおいしくする法則にも適っていて、惣菜において不動の位置を占めるのもわかります。

市販の弁当にもよく入っていますが、おいしいきんぴらに当たったことがありません。賄いで、若い料理人がきんぴらを作ることがあります。最初のうちは、皆、弁当に入っているようなきんぴらを作ってしまい、私が雷を落とします(笑)。あれがきんぴらだと思っているのです。

歯ごたえも一緒で全部がクタクタ、味もただ甘辛いだけ……。であれば、家庭でこそ、おいしいきんぴらを作って、ご家族の皆さまに食べさせ、きんぴらを見直してほしいと思います。

金平のように強い人で、かつ、繊細な気配りができたとしたら最高ですね。そんなきんぴらに挑戦! 今日も野菜料理を楽しみましょう。


ちょっとしたコツ


・「甘長唐辛子とごぼう・パプリカのきんぴら」は野菜料理をおいしくする7要素中6要素を取り入れている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み ◎油分 ◎食感 香り ◎刺激

素材ごとの特徴に合わせて、材料を投入する順番を決め、それぞれに最高の歯ごたえを出す。

・定番の材料に季節の素材を加えて味のハーモニーをつくる。調味の甘さ、唐辛子の刺激ではなく、パプリカの甘さ、甘長唐辛子の程よい辛さと甘さを活用。きんぴらに限ったことではないが、酸味の絶妙な使い方こそが料理のコツ。







「甘長唐辛子とごぼう・パプリカのきんぴら」


甘長唐辛子とごぼう・パプリカのきんぴら

【材料】
※新ごぼうは大きさも不揃いなので、一概には分量を決められない。作りやすい分量で工夫していただきたい。
・新ごぼう 適量

・甘長唐辛子(竹串などで刺しておく) 適量

・パプリカ 適量

・りんご(紅玉など、酸味のあるもの) 適量

・サラダ油 適量

・美味出汁 適量
出汁4:濃口醤油1:日本酒1:みりん0.8の割合

・柚子こしょう 少々

【作り方】
1.フライパンを火にかけ、油をひく。ベジタリアンでなく、若い方が多いご家庭の場合はサラダ油に牛脂や鶏脂を合わせてもよい。

2.中火にし、まず4mm×3mm×30mmくらいに切った新ごぼうを、しばらくしてから2.5cmくらいの長さに切った甘長唐辛子を加えて炒める。火が入ってきたら他の素材と大きさを揃えたパプリカを加える。

3.全体に歯ごたえを残しながら火を入れ、強火にして美味出汁を加える。濃い味が好みなら、追加で調味料を足す。

4.全体に均等に味が絡むようにフライパンを振り、出汁が煮つまったらりんごを加える。出汁が少し残っているうちに柚子こしょうを溶かして全体に絡める。りんごは半生でよく、火を入れ過ぎないこと。

私たちプロの料理人の中には、色や見た目を味より重視する者もいます。薄味信仰?なのか、本当は少し濃いめの味にしたほうがおいしいものでも、それは恥と、濃いめの味つけを避けます。また、味を素材にしっかりと含ませることがプロの料理と、無理に味をつけなくてもおいしい素材に味をつけて台無しにしてしまうこともよくあります。何より、皆さまがおいしいと思う味にしてください。人の味の好みは様々です。ご自身・ご家族の好み、体調に合わせた味に調整しましょう。レシピに示す調味料などの分量は一例に過ぎません。注目していただきたいのは素材の組み合わせと料理手順、どんな調味料を使うのかということです。味の加減は是非お好みで。

六雁(むつかり)

榎園豊治さんプロフィール
銀座並木通りにある日本料理店「六雁」初代料理長であり、この連載の筆者でもある榎園豊治さんは、京都、大阪の料亭・割烹で修業を積み、大津大谷「月心寺」の村瀬明道尼に料理の心を学ぶ。その後、多くの日本料理店で料理長を歴任、平成16年に銀座に「六雁」を立ち上げた。野菜を中心としたコース料理に定評がある。

六雁 むつかり

東京都中央区銀座5-5-19
銀座ポニーグループビル6/7F
電話 03-5568-6266
営業時間 (昼)12時〜14時 (夜)17時30分〜23時 ※土曜日のみ17時〜
(営業時間は変更になることもあります。事前に店舗にご確認ください)
URL:http://www.mutsukari.com

六雁 むつかり 料理長、秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。連載でご紹介する料理を手がけてくださる、現料理長・秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。
文/榎園豊治 撮影/大見謝星斗
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