レシピ

どんな料理にも使いまわせる、万能味噌を作り置きしましょう!

プロよりおいしく作れる 野菜料理の“ちょっとしたコツ”365 身近な野菜で、プロよりおいしい野菜料理を作ってみませんか? 銀座の日本料理店「六雁(むつかり)」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、家庭だからこそ実践できる“ちょっとしたコツ”を毎日教わります。一覧はこちら>>

玉味噌、生姜味噌

玉味噌、生姜味噌

プロの厨房には常備している合わせ調味料の種類がかなりあります。造り醤油(お刺し身用の醤油)、ポン酢、各種タレなど20〜30種類はあるでしょう。既にご紹介したところでは美味出汁、土佐酢、甘酢などがそうです。これらはどれも日持ちするので、作り置きができ、常備しておくと調理が効率的になります。

今回は私たちが玉味噌(たまみそ)と呼ぶ汎用性の高い味噌をご紹介します。赤味噌を主にしたもの、白味噌を主にしたもの、赤白合わせたものと種類があり、これらの味噌をベースに田楽味噌、酢味噌、他の食材と合わせて作る舐(な)め味噌などに変化させます。

味噌は塩分量が多いので、その塩分を和らげるのと旨みを足す意味で卵黄を加えます。それで玉味噌と呼ぶのです。

この連載でも、今後、度々出てくると思います。大変重宝しますので、ぜひ常備してください。

今日は、この玉味噌を使って舐め味噌のひとつである生姜味噌を作ります。それでは野菜料理を楽しみましょう。

ちょっとしたコツ

・「生姜味噌」には野菜料理をおいしくする7要素中6要素が入っている。

◎旨み ◎塩分 ◎甘み 油分 ◎食感 ◎香り ◎刺激

・常備用合わせ調味料で重要なことは、汎用性が高い状態にしておくということ。料理に合わせて、その都度、甘さを足したり、塩分を足したりできるようにしておく。既にある甘みや塩分を引くことはできない。万能調味料など存在しない。


「玉味噌(赤)」

【材料(作りやすい分量)】
・赤出汁味噌 500g

・卵黄 10個

・砂糖 200g

・日本酒 350cc

・みりん 100cc

【作り方】
1.ボウルにすべての材料を入れて泡立て器でよく混ぜ合わせる。

2.大きめの鍋に1を入れ、中火にかける。小さい鍋だと、炊いている途中で、味噌がはねてやけどをする恐れがある。

3.味噌がぷくぷくと沸いてきたら、火を少し弱め、焦がさないように、また、ダマにならないようにしゃもじで練っていく。鍋の周りについた味噌は焦げやすいのでゴムべらで集めて一緒に練る。

4.練り上がりの目安はしゃもじに付く味噌の具合で判断するが、わかりにくいようなら、もとの赤だし味噌の堅さに戻すというイメージでよい。

5.練り上がって、ダマができていなければ保存容器に移し、表面が乾かないようにラップをきっちりとかぶせ冷ます。ラップと味噌の間に気泡ができると、そこに蒸気がたまり水滴がつき傷む原因になるので、気泡ができたら上から爪楊枝などで突いて空気を抜いて冷ます。

6.プロは滑らかにするためにダマができていなくても裏ごしするが、家庭ではその必要はない。もしダマができたら裏ごしは大変なので、100円ショップなどで売っている水切りネットの目が細かいものに味噌を入れて手袋をして漉すと、ネットは使い捨てできるので便利である。

※材料を変えればさまざまな玉味噌が作れる。作り方のプロセスは同じ。

「玉味噌(白)」
・西京味噌 500g

・卵黄 5個分

・砂糖 30g

・日本酒 200cc

「ベジタリアン用玉味噌(赤)」
・赤出汁味噌 500g

・白胡麻ペースト 100g

・砂糖 200g

・日本酒 350cc

・みりん 100cc

「ベジタリアン用玉味噌(白)」
・西京味噌 500g

・白胡麻ペースト 50g

・砂糖 30g

・日本酒 200cc

「生姜味噌」

玉味噌、生姜味噌

【材料(作りやすい分量)】
・生姜(3mmほどのさいの目切り) 60g

・玉味噌(赤) 大さじ3

・油 適量

【作り方】
1.熱したフライパンに薄く油をひき、生姜を加えさっと炒める。

2.1に玉味噌(赤)を加え全体がなじむように混ぜ合わせながら火を入れれば完成。

私たちプロの料理人の中には、色や見た目を味より重視する者もいます。薄味信仰?なのか、本当は少し濃いめの味にしたほうがおいしいものでも、それは恥と、濃いめの味つけを避けます。また、味を素材にしっかりと含ませることがプロの料理と、無理に味をつけなくてもおいしい素材に味をつけて台無しにしてしまうこともよくあります。何より、皆さまがおいしいと思う味にしてください。人の味の好みは様々です。ご自身・ご家族の好み、体調に合わせた味に調整しましょう。レシピに示す調味料などの分量は一例に過ぎません。注目していただきたいのは素材の組み合わせと料理手順、どんな調味料を使うのかということです。味の加減は是非お好みで。

六雁(むつかり)

榎園豊治さんプロフィール
銀座並木通りにある日本料理店「六雁」初代料理長であり、この連載の筆者でもある榎園豊治さんは、京都、大阪の料亭・割烹で修業を積み、大津大谷「月心寺」の村瀬明道尼に料理の心を学ぶ。その後、多くの日本料理店で料理長を歴任、平成16年に銀座に「六雁」を立ち上げた。野菜を中心としたコース料理に定評がある。

六雁 むつかり

東京都中央区銀座5-5-19
銀座ポニーグループビル6/7F
電話 03-5568-6266
営業時間 (昼)12時〜14時 (夜)17時30分〜23時 ※土曜日のみ17時〜
(営業時間は変更になることもあります。事前に店舗にご確認ください)
URL:http://www.mutsukari.com

六雁 むつかり 料理長、秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。連載でご紹介する料理を手がけてくださる、現料理長・秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。

文/榎園豊治 撮影/大見謝星斗

Ranking今週の人気記事 ベスト5

家庭画報 最新号

11月号 10月1日発売

京都の醍醐味

一部地域は輸送の関係で発売が遅れる可能性があります。

© SEKAI BUNKA PUBLISHING INC. All rights reserved.

Loading