レシピ

新生姜は部位によって調理法を変えると、見違えるようにおいしくなります

プロよりおいしく作れる 野菜料理の“ちょっとしたコツ”365 身近な野菜で、プロよりおいしい野菜料理を作ってみませんか? 銀座の日本料理店「六雁(むつかり)」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、家庭だからこそ実践できる“ちょっとしたコツ”を毎日教わります。一覧はこちら>>

新生姜の甘酢漬け3種

新生姜の甘酢漬け3種

「血管が透けて見えるように薄く、白いその肌には張りがあり、先端は燃えるように紅い……」、女性の美しい指に例えたくなるような新生姜。

瑞々しくて若々しく、美しくて柔らかく、さらに香りがよい新生姜を料理に加えるだけで、味に花が咲きます。

一方、秋に収穫して保存した後に出荷される古根(ひね)生姜は、皮が厚くて茶色で繊維質で、辛みが強い。人と同じで若い頃にはない年を重ねた深み(辛み)でしょうか(笑)?

古根生姜は通常、皮をむいて使いますが、新生姜は皮をむかなくても大丈夫です。気になる場合はキッチンスポンジの粗い面でこする程度で十分です。

新生姜の買い方についてもご紹介します。写真を見てください。a、b、cに分けています。aがもっとも柔らかく、次はb。cは他の部位に比べて繊維立っています。a、bの部位を選んでください。

aの部分は甘酢漬けにすると美しい赤に発色します。bは柔らかくて生姜飯、寿司のガリ、煮ものなどにむいています。cは繊維立っているので肉や魚を炊くときに使ったり、みじん切りにして生姜味噌、生姜蜜などに活用できます。

今日は新生姜の甘酢漬けですが、面の皮が厚い古根と呼ばれようとも、酸いも甘いも噛み分けた大人として、野菜料理を楽しみます。

ちょっとしたコツ

・「新生姜の甘酢漬け3種」は野菜料理をおいしくする7要素のうち4つを取り入れている。

旨み 塩分 ◎甘み 油分 ◎食感 ◎香り ◎刺激

・生姜の甘酢漬けにはおいしい市販品もあるが、実は簡単に作れて自分好みの味にできる。

・コツは素材選び、新鮮であることはもちろん、柔らかい部位(a、b)を選ぶ。特に赤い先端部分は稀少。日持ちするのでまとめて作る。

・甘酢やすし酢を作るときに砂糖を早く溶かそうと火にかけると、火加減次第では酢の風味が飛んでしまう。砂糖が溶けない場合はそのまま一晩置いて翌日混ぜれば溶ける


「新生姜の甘酢漬け3種」

新生姜は部位によって調理法を変えると、見違えるようにおいしくなります。

【材料】
・新生姜 適量

〈甘酢〉
・昆布出汁(水1Lに対し昆布10gで作る) 450cc
・酢 300cc
・砂糖 100g
※塩を加えるレシピもあるが、最初から甘酢に塩を加えると、後で調整できなくなるので、塩なしで合わせ、必要に応じて加えたほうがよい。

【作り方】
1.昆布出汁に酢と砂糖を加え、泡立て器で混ぜる。溶けにくい場合はしばらくそのままおいて、再度、混ぜると溶ける。

2.新生姜のa部分(前出写真を参照)は切って、湯を沸かして茹でる。火が通ったらざるに上げ薄く塩(材料外)をする。冷めたら1の甘酢に漬ける。2時間も漬ければ真っ赤に発色する。翌日になると赤色がボケるので当日食べるのが望ましい(写真中央)。

3.bも柔らかいので、aと同じくらいの大きさに切って同様に2のように漬ける(写真手前)。
寿司ガリのようにスライサーで薄くスライスしてから茹で、甘酢に漬けてもよい(写真奥)。甘酢に漬け、冷蔵保存すれば日持ちする。

私たちプロの料理人の中には、色や見た目を味より重視する者もいます。薄味信仰?なのか、本当は少し濃いめの味にしたほうがおいしいものでも、それは恥と、濃いめの味つけを避けます。また、味を素材にしっかりと含ませることがプロの料理と、無理に味をつけなくてもおいしい素材に味をつけて台無しにしてしまうこともよくあります。何より、皆さまがおいしいと思う味にしてください。人の味の好みは様々です。ご自身・ご家族の好み、体調に合わせた味に調整しましょう。レシピに示す調味料などの分量は一例に過ぎません。注目していただきたいのは素材の組み合わせと料理手順、どんな調味料を使うのかということです。味の加減は是非お好みで。

六雁(むつかり)

榎園豊治さんプロフィール
銀座並木通りにある日本料理店「六雁」初代料理長であり、この連載の筆者でもある榎園豊治さんは、京都、大阪の料亭・割烹で修業を積み、大津大谷「月心寺」の村瀬明道尼に料理の心を学ぶ。その後、多くの日本料理店で料理長を歴任、平成16年に銀座に「六雁」を立ち上げた。野菜を中心としたコース料理に定評がある。

六雁 むつかり

東京都中央区銀座5-5-19
銀座ポニーグループビル6/7F
電話 03-5568-6266
営業時間 (昼)12時〜14時 (夜)17時30分〜23時 ※土曜日のみ17時〜
(営業時間は変更になることもあります。事前に店舗にご確認ください)
URL:http://www.mutsukari.com

六雁 むつかり 料理長、秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。連載でご紹介する料理を手がけてくださる、現料理長・秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。

文/榎園豊治 撮影/大見謝星斗

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