「中村軒」が京都・北野に期間限定店をオープン！ 蒸したておはぎにほっこり

【11月の美味案内】
紅葉とともに楽しむ京都グルメ

（取材・文／西村晶子）

桂離宮畔に佇む明治16年（1883）創業の老舗和菓子店「中村軒」。本店に併設されている茶店が、本店の改修工事のあいだ北野天満宮の程近くに移転。臨時店舗「北野茶店」をオープンしました。夏のかき氷や冬のおぜんざいが人気ですが、今回は「北野茶店」でしか提供されない限定メニューをご紹介します。


●中村軒本店の記事はこちら＞＞

「北野茶店」限定の作りたておはぎに舌鼓

お茶とおはぎを選べる「和菓子とお茶のセット」600円。お茶は水出し煎茶、温かいほうじ茶と煎茶があり、温かい煎茶セットは700円。

お店は北野天満宮の南東に位置し、京都で最も古い花街の上七軒の近く。築100年以上の町家にカウンターとテーブル席を設け、奥には坪庭もある風情あふれる空間です。

「お客さまの目の前でお作りする白蒸しとお餅に特化したお店です。作る工程を見てもらいながら、作りたてならではのおいしさと香りを楽しんでいただきます」と話す、ご主人の中村亮太さん。

その一つが、北野茶店限定の「温かいおはぎ」。通常のおはぎは作り置きされていますが、これは蒸したて、作りたて。ほんのり温かくもち米のうまみが濃厚で、しっとりしていながら粒が感じられる、他にはないおはぎです。

もち米を蒸しあげて塩で味をつけた「白蒸し」を、注文を受けてからせいろ蒸しにし、おくどさんで炊き上げる自慢のつぶ餡やこし餡を包んでいます。

おはぎは胡麻、蕎麦の実、きな粉の3種類を
好みのお茶とセットで

煎りたて、擦りたての胡麻がたっぷりかかる「胡麻」。中は粒餡。おはぎの追加はいずれもプラス300円。
おはぎは、胡麻、蕎麦の実、きな粉の3種類があり、胡麻と蕎麦の実は煎りたて、擦りたて。白蒸しを温めている間に、煎って擦り、温かいおはぎにまぶして完成させます。


器にまでいっぱいにきな粉がかかった「きな粉」。中は粒餡。


もち米のおいしさを邪魔せず、蕎麦の実が個性的な風味の「蕎麦」。

きな粉は粒あんとの組み合わせで優しい甘みが際立ち、蕎麦の実はプチプチとした口あたりの今までにないおはぎ。胡麻は煎りたて、擦りたてならではの濃厚なうまみと香ばしさがあって、どれもやみつきになるおいしさです。好みのお茶とおはぎを1つずつ選ぶセットですが、おはぎは追加もできます。

辛党向けの新メニュー「うなぎ山椒煮のおこわ」

白蒸しにうなぎ山椒煮をのせた「おこわ」も、蒸したてを提供。もっちり、しっとりのもち米を味わい深い鰻とともに楽しめる。
もう一つの新メニューは、「うなぎ山椒煮のおこわ」。おはぎと同じ白蒸しに、鰻の白焼きを実山椒、醤油、酒で炊き上げた自家製のお茶漬け鰻をトッピングしたおこわです。あつあつの白蒸しに鰻の煮汁がじんわりなじみ、白胡麻の香りが食欲を誘います。


「うなぎ山椒煮のおこわ」1100円。吸い物、漬物付き。

他にも、長年茶店で出している白みそ雑煮、ぜんざいやお汁粉もあり、甘党や餅好きが大満足のラインナップ。紅葉シーズンに限らず楽しみたい、限定の味あり、名物ありの充実の内容です。


本店の茶店の趣とは違う雰囲気。オープンキッチンのカウンター席があり、奥にはテーブル席も。




お店は今出川通沿いにあり、市松の暖簾が目印。本店改修工事期間の2021年3月30日まで営業予定。

中村軒 北野茶店
京都府京都市上京区東今小路町今出川通七本松西入る758
電話　090-9208-2612（北野茶店専用）、075-381-2650（本店）
営業時間　11時～15時30分（LO）
定休日　水曜
https://www.nakamuraken.co.jp/
※年内の営業は12月25日まで。年始は2021年1月2日、3日営業、4日～8日休み。

関連記事
京都御苑で紅葉とともに味わう京料理ランチ
「#京都」の記事一覧＞＞