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大原千鶴の心に残るレシピ「だし巻きたまご」

2020.03.03

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私の心に残る味 3月

だし巻きたまご

卵に旬はありませんが、だし巻きにしたときの淡い黄色や生命を宿した卵という存在に「春」を感じずにはいられません。家族のために心を込めて作りたいおかずです。詳しいレシピは次ページ>>

料理・文/大原千鶴


京都市内はご存知の通り海が遠く、昔は京都の料理といえばたっぷりの野菜と少しのお肉や魚を煮炊きしたものでした。

海のお魚はひと汐ものが主流で、毎日の食卓に上るのはお豆腐におあげさんに乾物の炊いたん。

流通の行き届くようになった現代ではスーパーで普通に新鮮な海のもの山のものが揃うため、もうほとんど廃れてしまった食習慣ですが、本来おもに商家では毎月おついたちと15日には小豆ご飯とおなます。8の付く日はあらめの炊いたん。月末にはおからと決まっていました。

理由は諸説あるのですが、「あらめの炊いたん」は戻し汁を玄関先に撒くと厄除けになり、黒い汁で湿らせた玄関をピカピカに掃除をするためとか。

月末のおからは、おからのことを別名「きらず」というので、次の月も人のご縁やお金の流れが切れませんようにという願いを込めて食べるとか。

あらめもおからも細かく刻んだ野菜を入れるので、くず野菜の整理にも役に立ったのではないかなと私なりに解釈したりしています。

そして、京都の人が大好きな「だし巻き」は、卵をたっぷりのだしで伸ばしてクルクルと巻いていくだけのものですが、焼きたての熱々をいただくのは本当に贅沢な感じがします。

材料が贅沢というよりも、焼いている間はその場を離れられないお料理なだけに、その手間が嬉しいと言いますか、手をかけてもらった分、贅沢な感じがするのです。

また、卵料理は心を込めて作らないと美味しくできない。そのこともあって、ふっくらしただし巻きは憧れの食べ物なのですね。

料理は気持ちです。温かく、優しい気持ちがこもるから美味しいしホッとする。贅沢な食材でなくても美味しいものがある。

日々の暮らしにはそんな食べ物がちょうどいい。そのことをよう知る京都人が愛してやまないおばんざいセットです。

若いときは「地味やなぁ」と思って、有り難がらずにいただいていたこんなお料理が、年齢を経ると「滋味やなぁ」と、ときにはどんなご馳走よりも嬉しかったりするものですね。

昔から作られてきたおかずは家族を幸せにしてくれます


いつでも手に入ってお安く、しかも栄養満点でお料理の幅も広く、お年寄りから子供まで皆が大好き。卵ほど優秀な食材はないと思います。

わが家でも毎日卵が大活躍。なかでもだし巻きたまごは食卓にもう一品欲しいときに重宝してくれます。

片栗粉を入れてだしをとめる、油を多めにして焼くとふっくら仕上がります。

卵黄の味噌漬けは生の卵黄で4日ほど漬ければねっとりと濃厚になります。お好みでお作りになってください。
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