連載

京女が惚れ込んだ鯖寿司と焼身の箱寿司の裏話

幼少から愛した焼身

さらに『美味しいもんばなし』には大村しげさんが箱寿司に入った焼身を子供の頃から好んでいた旨が記してあります。箱寿司は玉子、焼身、小鯛の3種セット。焼身は時期によって最適な魚(鰆や鱧)をつけ焼きにして甘だれを塗って仕上げます。

「いづうの寿司は一般の専門店とは違っているのに、文章を読むと、大村さんは踏み込んだところまで非常に細かくご存じです。京都にはご贔屓さんを大事にする文化がありますから、大村さんご本人もいづうと非常に近しかったと思います」

メニューにはありませんが、いづうでは焼身だけの注文にもご対応をしてもらえます。これはいわば裏メニュー。なぜ、単品の焼身があるのだろう?と佐々木さんは、長年疑問に感じていました。

「もしかすると、きっかけは大村しげさんだったのかもしれませんね」と佐々木さん。

おばんざい 大村しげの記憶をたどって「いづう」店内には茶室もあります。(通常は利用できません)

京都に着いたら、まずはいづうの鯖姿寿司を、と、決めていた方も、次は大村さんの愛した焼身の箱寿司で、新たないづうの楽しみ方を広げてみてはいかがですか。

Information

いづう本店

京都府京都市東山区八坂新地清本町367

TEL 075-561-0751
営業時間 11時~23時(日曜・祝日は~22時)
定休日 火曜定休(祝日の場合は営業) ※火曜は鯖姿寿司のおみやげのみ15時まで販売。

http://izuu.jp/

  • ※おみやげは予約のうえ、8時~木戸口にて受け取り可。

川田剛史/Tsuyoshi Kawata

フリーライター

京都生まれ、京都育ち。ファッション誌編集部勤務を経てフリーライターとなり、主にファッション、ライフスタイル分野で執筆を行なう。近年は自身の故郷の文化、習慣を調べるなか、大村しげさんの記述にある名店・名所の現状調査、当時の関係者への聞き取りを始める。2年超の調査を経て、2018年2月に大村しげさんの功績の再評価を目的にしたホームページをスタートした。
http://oomurashige.com/

取材・文/川田剛史  撮影/中村光明(トライアウト)

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