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シャンパーニュの定義や製法など「基礎知識」。正確に説明できる人は意外に少ない?

2022.06.16

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わが家で味わうシャンパーニュ 第2回(全10回) この夏は自宅で心置きなく“泡の時間”を過ごしてみてはいかがでしょうか?まず基礎知識を身につけたうえで、専門家2人が選んだシャンパーニュの味わいや香りの特徴を知り、メゾンの歴史に触れながら、気になる1本を見つけてください。前回の記事はこちら>>

シャンパーニュの基本を知れば、楽しみはもっと広がる


シャンパーニュ地方はパリの東約150キロに位置し、畑はモンターニュ・ド・ランス、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、コート・デ・ブランに大別されます。主流の大手メゾン、すべてを自社で賄うレコルタン・マニピュラン、協同組合など、業態はさまざまですが、ここで紹介する20アイテムは、どのようなシチュエーションでも飲み手に満足感を与えることができる銘柄。“シャンパーニュ道”への近道は「自分好みの味」を見つけること。その案内人を青木冨美子さん、高丸智天さんが務めます。

シャンパーニュの基本を知れば楽しみはもっと広がる

青木冨美子さん

AOKI Fumiko ワインジャーナリスト。「NHK文化センター青山校」「オークラ東京」でワイン講師を務める。シャンパーニュ騎士団より「シュヴァリエ」「オフィシエ」を受章。

高丸智天さん
TAKAMARU Tomohiro「ガストロノミー“ジョエル・ロブション”」シェフソムリエ。ストックする3000種類2万5000本のワインを熟知しており、料理とワインのマリアージュには定評がある。

Index

1.シャンパーニュの定義
2.ボトルの部分名称
3.シャンパーニュの甘辛度
4.シャンパーニュの味わいと香りを表現する
5.熟成によるシャンパーニュのアロマの変化

1.シャンパーニュの定義


これほど有名で、よく目にするお酒であるのに、シャンパーニュとは何か、正確に説明できる人は意外に少ないのでは? その定義を知りましょう。

●フランス・シャンパーニュ地方で製造
フランス・シャンパーニュ地方で栽培された認定品種のぶどうのみを使い、同地で生産、醸造、瓶内二次発酵を含む規定の製法で造られたスパークリングワインのみがシャンパーニュと呼称できる。シャンパーニュが特別とされる理由がここにある。

●使うぶどうは主に3品種
黒ぶどうのピノ・ノワール、ムニエ、白ぶどうのシャルドネ。ピノ・ノワールは骨格と力強さ、ムニエは果実味、シャルドネは繊細なアロマや爽やかさをもたらす。その他の認定品種にアルバンヌ、プティ・メリエ、ピノ・ブラン、ピノ・グリがある。

●シャンパーニュ方式で造られたもの
収穫したばかりのワインに、メゾンが何年にもわたって保存しておいたリザーヴワインを加えて味を決め、瓶に詰め、蔗糖と酵母を加えて打栓。瓶内で再発酵させるので、この製法をシャンパーニュ方式、または瓶内二次発酵と呼んでいる。

2.ボトルの部分名称


瓶内に炭酸ガスを多く含むため、その圧に耐えられるようボトルは厚く作られています。ボトルに使われている特徴的なものの名称と役割を見ていきます。

プラーク(王冠)
メゾンの思いが表現されているボトルの要の部分。アイテムごとに、色やデザインに個性があるので、収集しても楽しめる。

シャンパーニュの基本を知れば楽しみはもっと広がる

ミュズレ(口金)
シャンパーニュは瓶内の気圧が5~6気圧と高い。コルクを打ってからガス圧が抜けないようにするため針金製の栓押さえ。

コルク
円筒形の下半分を圧縮して瓶口に挿入。経年できのこ形に変化。近年、TCA(コルク臭の原因物質)を除去したタイプが増えている。

シャンパーニュの基本を知れば楽しみはもっと広がる

ボトル
重量は800~900グラム。瓶内の圧力が強いため通常のワインよりガラスが厚い。深緑色や茶色にすることで紫外線や可視光線の透過率を抑えることができる。

エチケット(ラベル)
ブランド、生産者、アルコール度、容量、糖分含有量、シャンパーニュ委員会(CIVC)から交付された略称と登録番号等の記載事項を明記。AOC(原産地統制名称)により「CHAMPAGNE」の表示が義務づけられている。

シャンパーニュの基本を知れば楽しみはもっと広がる

Georges Vesselle Brut Grand Cru(ジョルジュ・ヴェッセル ブリュット グラン・クリュ NV)

(1)PN90% CH10% (2)白
(3)30か月 (4)6g/リットル
(5)9350円 (6)ルイR

継承。ブージー村の村長だった故ジョルジュ・ヴェッセルが興したメゾンで、2009年から2人の息子が参画。年間生産量約14万本。フランス国内での消費が多い。「ガストロノミー“ジョエル・ロブション”」のハウス・シャンパーニュとして今後登場予定。

シャンパーニュデータの見方
(1)ぶどう品種の割合
PN=ピノ・ノワール CH=シャルドネ M=ムニエ
(2)色 (3)熟成期間
(4)ドザージュ(味わい調整の糖分添加)
(5)希望小売価格(税込み)(6)問い合わせ先


3.シャンパーニュの甘辛度


液量・糖分調整のための工程(ドザージュ)で加えるリキュールの量により、甘辛度が分類されます。シャンパーニュには発酵の方法や熟成期間により、エチケットの表示を見れば、甘辛度がわかります。

シャンパーニュの基本を知れば楽しみはもっと広がる
※残糖分3g/リットル以下、またはまったく加糖していないシャンパーニュにはブリュット・ナチュール、パ・ドゼ、ドザージュ・ゼロの表示ができる。

4.シャンパーニュの味わいと香りを表現する


シャンパーニュには発酵の方法や熟成期間により、さまざまな香りや味わい、色が生まれます。それを表現するのを難しいと感じる人も多いのでは?大切なのは、周りを気にせず、自分の感覚のままに表現すること。そのヒントを以下にまとめました。

香りの表現のヒント


第1アロマ
ぶどう自体のアロマ。シャルドネは白い花、柑橘系果実、エキゾチックフルーツ、アニスやジンジャー。ピノ・ノワールとムニエは赤系・黒系果実、花の香り、スパイスの香り。

第2アロマ
熟成による変化。ブリオッシュ、熟した果実、コンポート、果実の砂糖漬け、ドライフラワーやドライフルーツ、ミツロウ、はちみつ、タバコ、カンゾウ。

第3アロマ
熟成の頂点。マルメロ(西洋かりん)、パン・デピス(ジンジャーブレッド)、スーボワ(森の下草)、ロースト香、焙煎香(トーストしたパン、ビスケット、モカ、コーヒー、カカオ)。

5.熟成によるシャンパーニュのアロマの変化


主なぶどう3品種のアロマが熟成によりどのように変化するかを表しました。味わいと香りの表現の参考にしてください。

シャンパーニュの基本を知れば楽しみはもっと広がる
©Comité Champagne
表示価格はすべて税込みです。 監修・取材・文/青木冨美子 撮影/石井宏明 スタイリング/阿部美恵 料理/笹島ゆり 取材協力/高丸智天 ワイングラス協力/リーデル(リーデル青山本店) ファブリック協力/マナトレーディング ※日本では「シャンパン」と呼ばれることが多いChampagneですが、本特集ではフランス語の発音に近い「シャンパーニュ」と表記しています。
『家庭画報』2022年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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