レシピ
2022/04/14
お味噌知る。(前編)
土井善晴さんの近著『お味噌知る。』は、一汁一菜を提唱する土井さんが、長女の光さんとともに土井家のとっておき味噌汁&味噌レシピとをまとめた一冊。
味噌を知ることで無限に広がるお味噌汁の世界へ、この時季ぜひ作りたい春のレシピとともにご案内します。
記事の最後には本書のプレゼント企画もございます。ぜひご応募ください。
【基本形のお味噌汁】
お水に具材を入れて火にかけ、具材に火を通し、味噌を溶いて仕上げる。すべての具材から溶け出した味が集まって、ひとつのおいしさが生まれます。
[お水+具材+火入れ+お味噌]
一人分食べ切りのお味噌汁の作り方
1 ひと椀の具材とひと椀のお水を
2 小鍋に入れて中火で煮立て
3 味噌を溶いたら
4 お味噌汁
これで一人分食べ切りのお味噌汁が出来上がります。
自分がいつも使っているお椀を目安の分量にして、具材を適当に煮えやすく包丁で切ったり、手でちぎったりして、ひと椀分を小鍋に入れ、お椀に一杯の水も入れます。お鍋は中火にかけます。
強火にしないことで、ゆっくり時間をかけて、煮立つ頃には具材に火が入ります。火を止めて、落ち着いて、適当に、適量の味噌を溶いてください。足りないと思えば、味噌を補ってください。醤油を入れても結構です。
味噌汁は濃くても、薄くても、熱くても、冷めてもおいしいのです。味噌に任せておけばいいのです。
【大きめ椀に1杯分の味噌汁】
煮初めの水分量1.5カップに対して、米味噌、豆味噌では18〜20 g程度。白味噌では30
gほどです。
【小椀に1杯分の味噌汁】
煮初めの水分量1カップに対して、米味噌、豆味噌では13g程度。白味噌では20gほどを目安にします。
でも、実際に味噌を溶く時、分量を計量する人は滅多にいないと思います。生まれて初めて作るとき、目安に「これくらい」と目で覚えるようにします。汁の色を見て、濃度を確かめて、目分量で作ります。あとは、慣れ、だんだんと味が決まるようになるものです。
味噌汁を作るのに、だし汁(鰹と昆布)は不要です。水で具材を煮て味噌を溶く、それだけで充分と心得てください。水だけでよいことを強調するのは、味噌汁を作って飲むことが大事だと考えているからです。
もちろん、だし汁をとって味噌汁を作ってもいいし、シンプルな味噌汁であれば飲み口のいいまろやかな味噌汁になります。
だしがよく出て、しかも食べられる具材が、煮干しと昆布です。煮干しからカルシウム、昆布から食物繊維が摂取できます。家族に味噌汁を作る人の願いは家族の健康です。それなら常備して、具材と一緒に、煮干しや昆布をぽいっと入れておくといいと思います。
春、新物の筍とそら豆のお味噌汁です。吸い口に木の芽、味噌は赤味噌と白味噌を合わせました。どうでしょう、まだ淡い春の味が感じられると思います。
※お味噌汁の作り方は、手順を中心にまとめ、調理ポイントを箇条書にしました。材料の詳細な分量は一部を除き、あえて明記していません。味噌汁を作る時、味噌を計量する人はまずいないし、濃くても、淡くともおいしいと感じればそれでよいからです。
材料
ベースの味噌汁……昆布、水、赤味噌、白味噌
具材……新筍(茹でたもの)、そら豆、木の芽
手順
鍋に昆布と水、茹でた筍、そら豆には切り込みを入れて加え、ゆっくり温めます。
味噌は、赤味噌を少なめに白味噌を多めに合わせて、汁に溶き入れます。
お椀によそい、木の芽をのせます。木の芽など香りの食材を吸い口と言います。
この味噌汁から学ぶこと
・【生の筍の茹で方】
堀りたての新筍を洗って、適当に皮をむき、大きいものは鍋に入るように穂先を切り落とします。大鍋に水、筍を入れて火にかけ、米糠を味噌のように茹で汁で溶き入れ、赤唐辛子を2本ほど入れて火にかけ、落とし蓋をします。
煮立つ時、糠のとろみで噴きこぼれるので、火加減を調整します。筍は煮立ってから、1時間ほど茹でて、火を止めそのまま冷まします。
冷めれば皮をむいて水に落としてアク抜きをします。冷蔵庫に収める時は水に沈めた容器ごと収めます。
・そら豆は(塩茹での時にも)切り込みを入れて煮ると茹だりやすく、食べやすいです。塩茹でで食べる時は、水に取らず、ざるに上げて、さっと水をかけて粗熱を取っていただきます(粗熱を取るとは、湯気が出なくなる程度に冷ますことです)。
長年、食の世界に携わってきた土井善晴さんは、「料理には自分や家族を守る力、命を育む力がある」と語ります。
『お味噌知る。』では、味噌汁のレシピに加え、発酵食品である味噌にまつわるコラムや、味噌汁を軸に語られる料理と暮らしのエッセイを収録。
春から自立して一人暮らしを始める方、家族のために日々の料理を作っている方、なんとなく暮らしを整えたいと思っている方、すべての人におすすめの一冊です。
土井善晴(左)・料理研究家
料理研究家・土井 勝の次男。「おいしいもの研究所」代表。十文字学園女子大学特別招聘教授、甲子園大学客員教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員。著書に『一汁一菜でよいという提案』『くらしのための料理学』『土井善晴のわが家で和食全101巻』『土井善晴の素材のレシピ』『料理と利他』など多数。
土井光(右)・料理研究家
料理研究家・土井善晴の長女。在仏歴7年。2018年より「おいしいもの研究所」在籍。料理講習会のフランス語通訳やフランスと日本文化を繋ぐイベント参加なども行う。本書が初の共著となる。
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撮影/ジョー、公文美和(土井光さん) イラストレーション/三宅瑠人
この記事は、土井善晴、土井光著『お味噌知る。』(2021年 世界文化社)から一部を抜粋、再構成しました。情報は発売当時のものです。
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