2026年8月4日、高橋大輔さんがゲストを迎えて語り合う特別トークイベント「スカイコート D-color スペシャルイベント」の第4弾が都内で行われました。今回のゲストは、柔道男子60キロ級の代表として史上初めて、1996年アトランタ、2000年シドニー、04年アテネと3大会連続で五輪金メダルに輝いたレジェンド・野村忠宏さん。
16年、リオデジャネイロ五輪のテレビキャスターの仕事が決まったあとの食事会で初めて顔を会わせて以来、公私ともに親交の深いお二人。高橋さんは野村さんを「兄さん」、野村さんは高橋さんを「大輔」と呼び合い、ファンの方たちからは「リス兄弟」というネーミングで愛されています。
「なぜリス兄弟と呼ばれるようになったのか?」との質問は、「野村さんのイメージを聞かれた高橋さんが、小柄で可愛らしいけれど圧倒的に強い姿から連想して『パワー型のリス』と答えたところが由来のはず」と当日来場していた高橋さんのファンの方から教えていただき、一件落着。当のご本人たちがあまりはっきりと覚えていない様子だったのは、ご愛嬌です(笑)。
競技は違えど、ともにオリンピアンでもあり、気心知れた間柄のお二人ならではのリラックスした心地いい空気が流れる中、競技人生の振り返りから引退後それぞれの挑戦、空間づくりへのこだわり、今、大切にしていること&これから、など多岐にわたるテーマでの対談は約1時間。ウィットに富んだやりとりに会場からは爆笑も起きるなど、大いに盛り上がったひとときとなりました。
ここでは対談後の囲み会見を中心に、印象的だった言葉ややりとりなどをいくつかピックアップしてお届けします。
・高橋さんと野村さんの写真をフォトギャラリーで見る→──イベントを終えて、お二人の感想は?野村忠宏さん(以下、N) 今日は大輔のファンの皆さんが集まってくれていると思うんですけれど、皆さんの笑顔、喜んでいる表情などを見て、なんだか幸せな気分になりました。
高橋大輔さん(以下、D) (野村さんは)本当にお喋りがお上手なんです。僕も少しはトーク回しをできるようになったかなと思っていましたが、やっぱり全然まだまだでしたね(苦笑)。
──野村さんが語る、高橋さんのキャリアの変遷についての印象N 大輔と出会った頃は自分は完全に競技から引退していましたが、大輔がシングル一度目の引退をした頃でした。でもそこから現役に復帰→シングルから2度目の引退とアイスダンスへの転向→アイスダンス競技からの引退、という復帰のストーリーとラストチャレンジを見続けることができました。高橋大輔の歩みといいますか、時代、年齢とともに変わっていく大輔を見ることができて、自分としては面白かったです。
──高橋さんへ「現役時代より今が強い点、進化したところは?」D 若い頃のように勢いで持っていけなくなってきたので、力の抜き方といいますか、あまり激しく受けないで見せたり、惹きつけるなど、テクニックのずる賢さが増えてきたところはあるかもしれません(苦笑)。足の速さやキレは、やはり若い頃のほうが出せていたかなとは思います。ただ、お芝居などをした経験によって、今は動きでの表現だけではなく、心の中の気持ちをどう語りかけて伝えていくかなどを大事にしているので、深みみたいなものはもしかしたら出てきているのかもしれないですね。自分でいうのもなんですが(照)。
N フィジカル面は年齢とともに衰えていくのは仕方ないこと。我々、柔道の世界では組み合っての相手との勝負だけれど、フィギュアスケートは表現力が大切ですよね。キレの衰えを補う何かが経験の中で身についているだろうし、磨けるところもあるのでしょうね。
──野村さんの金メダル3つを目の当たりにした、高橋さんの感想D 迫力が違いました。金・金・金!年数で考えてみてください。4年に一度しかない五輪の、4年間という長さを実際に体感している身としては、12年もの歴史を見ている感慨深さがあります。実物を見て改めて、うわっとなりました(笑)。
──お二人が仕事をされるうえで大切にしていることは?N 柔道の選手時代は、自分を高めて結果を出すことに集中していましたが、年齢を重ねていろいろな仕事を経験していく中で、改めて柔道の「礼」の精神の重要性を実感しています。一緒に仕事をする人たちや、プライベートで会ってお酒を飲む人たち、どんなとき、どんな場面でも、笑顔で「ありがとう」の気持ちを伝える「礼」の精神を一番大事にしています。
あとは準備でしょうか。どれだけ事前に準備を積み重ねられたかが結果を左右すると思うんです。ちなみに今回の対談に向けて、私は事前に3年前に二人で共演したYouTubeを全部見返してきました。当時話した内容から、現在、どう変化しているかを確認してきましたよ。
D 準備、大事ですよね!……見習います(苦笑・会場は爆笑)。自分が大切にしていることですよね?僕もファンの皆さんやいろいろな出会いに、本当に感謝しています。結果的には野村さんのいわれた「感謝」に繫がるのですが、その前提として自分の心にちゃんと向き合うようにしているんです。自分が本当にやりたいことなのか、納得できる選択なのか、という気持ちをしっかり見つめています。よい意味での“わがまま”を持つことが大切だなと。そうすることで初めて他人への感謝や敬意を持てるようになると思うので、芯を持って、人と接していけたらと思っています。今はまだできていないことも多いですが、そのようにしていきたいなと思っています。
──今、情熱を傾けていることは?N 2015年に引退してから10年以上が経ちましたが、自分の人生を懸けて送ってきた現役時代がかなり長かったので、五輪へ注いだ情熱に匹敵するものを探し続けてきました。そんな中、巡り合えたことの一つは「野村道場」という子どもたちの柔道イベントの開催。あと一つは、接骨院とピラティススタジオを融合した施設の運営です。自分が現役時代に何度も大きな手術を経験したことから、身体のケアの重要性を本当に実感していまして。その経験を社会に還元できたらと思っています。
D 僕は今もフィギュアスケートのパフォーマンスをしているのですが、氷であれ、陸であれ、エンターテインメントという括りの中で、いろいろな表現をすること、自分の体を使って何かをすることが好きなんだなと改めて感じています。俳優業などを含め、エンターテインメントの世界でかかわっていくためには何が必要なのか、今はいろいろ試している時期といいますか。チャレンジできることがあれば臆さずやってみよう、という感覚で向き合っています。
N フィギュアスケートは見せる(魅せる)世界だし、表現するのが自分のステージだから、俳優としてもスムーズにパフォーマンスできるんでしょうね。
D いや、結構チャンネルが違って。最初は本当に僕も棒読みでした(苦笑)。今でもまだ本当に難しいですし、奥が深いなあと思っていますが、すごく楽しいです。(野村さんは)舞台とかきっといけますよ!
N それは限りなく、多分人を投げる役。悪い奴を投げる。ただ投げるだけ(笑)。
D 絶対喋らない警察官、みたいな?(笑)
高橋さんがデザイン・コーディネートされたお部屋や不動産投資の話など、人生観にも刺激になる話題が盛りだくさんながら、終始、笑いを交えての対談となり、大盛況のイベントでした。柔道、フィギュアスケート、それぞれの世界で日本を牽引し、今も新たな道を切り開いているお二人。いつか、舞台で共演される日を心待ちにしています!
現役時代の話から、不動産、AIなど、さまざまなテーマで盛り上がった野村忠宏さんと高橋大輔さん。高橋さんが「久しぶりで楽しくて、思わず普段どおりの感じで話してしまった(苦笑)」と語るほど、気心知れたお二人。

高橋さんいわく、食生活へのこだわりや注意点として「今、食べたいと思うものなら、自分に必要なものなのだと考えています。朝ご飯を食べなかったり、一日4食の日もありますが、自分なりのバランスをとっているので、あまり罪悪感を持たないようにしています」。

健康でいるために注意していることとして、「健康は大切ですが、すべてを我慢するのは自分には合わない。外食もしますし、お酒も楽しみながら、抑えるところは抑えています。フィジカルトレーニングやバイクトレーニング、ピラティスなどを継続して、健康を意識しています」と野村さん。

今回は東京・城南エリアに2027年春、完成予定の新築分譲マンションの一室をデザイン・コーディネートした高橋さん。「自分が住むわけではないので、デザインと住みやすさのバランスがなかなか難しいのですが、住む人が快適に過ごせることを第一に、多くの人に刺さる設計を心がけました。色遣いに注目していただけたら嬉しいです」。

囲み取材でのお二人は、トークショーを終えて表情もリラックス。撮影/家庭画報編集部

同じく囲み取材のフォトセッションにて。カメラマンのリクエストに応えてハートのポーズを。撮影/家庭画報編集部