4月17日、東京の赤坂御苑で「春の園遊会」が開催されました。
ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート・ペアで金メダル、団体で銀メダルを獲得し、このほど競技生活からの引退を表明した三浦璃来さん&木原龍一さんも出席。ニュースでも話題となった華やかなきものは、「家庭画報」チームがコーディネートさせていただきました。
園遊会当日の朝、特別に撮影させていただいたきもの姿のお写真を、今回のディレクションを担当したきものエディター・相澤慶子さんの解説とともにお届けします。
緑がかったグレー地の米沢織の爽やかな御召と羽織

きもの・羽織・帯・袴一式/銀座もとじ 男のきもの 扇子/白竹堂 履物/銀座ぜん屋本店
わずかな色違いで織られた2反を使った色紋付き。木原家の家紋「五三の桐」を五つ紋に染め、米沢織の縞の袴を合わせました。宮中行事にふさわしい装いです。白足袋に薄地の鼻緒を付けた雪駄を履くことで、フォーマルかつ威風堂々とした立ち姿に。
「なかなか二人できものを着る機会がないので、今回、素晴らしい経験をさせていただきました。でも着慣れていないので、撮影では二人とも人形みたいになってしまいました(笑)」(木原さん)
「御所解き文様」の振袖に、飛躍への期待を込めた唯一無二の帯

きもの・帯/きもの百科イトカワ 帯揚げ・ 帯締め・履物/和小物さくら
「御所解き文様」とは、御所の風景を思わせる優雅な風景文様です。徳川二代将軍の息女・和子(東福門院)が入内の際、京都の街を華やかな女車(牛車)で歩んだ光景が起源ともされています。武家の威光を示す大名たちも加わり、大変壮麗なものだったようです。
江戸時代初期には「茶屋辻文様」として、上質な麻地に藍で風景を描いた打掛が夏の上流階級に愛用されました。やがて王朝文学を主題に、京都の風景や花々を取り入れた文様へと発展し、現在の「御所解き文様」として着物や帯に施されています。日本の雅な美意識を今に伝え、愛される代表的な古典文様です。
この振袖は、薄桃色で染めた綸子(りんず)地に、総刺繡で「御所解き文様」を描いたもの。王朝文学の雅な雰囲気を表現しています。神戸の老舗呉服店の店主が、大切な孫のために自社工房で数か月かけて制作した珠玉のきものです(現在の店主にお借りしました)。
帯は職人に特注して制作した、手織りの綴織りの丸帯。飛び立つロケットを多色で描いた、未来に向けたはなむけのデザインです。
「ピンクの着物ははじめてなので、すごく新鮮な気持ちでした。刺繡も綺麗だなと思います」(三浦さん)

三浦璃来 Riku Miura
2001年12月17日、兵庫県生まれ。中京大学卒業。女子シングルから15年にペア転向。22年北京五輪で日本ペア史上初となる7位入賞。ミラノ・コルティナ五輪のSP5位からの劇的な金メダルで“りくりゅう”旋風、日本を席巻中。2026年4月、競技引退を表明。
木原龍一 Ryuichi Kihara
1992年8月22日、愛知県生まれ。中京大学卒業。2013年男子シングルからペア転向。19年に結成した三浦選手と歴史を塗り替え続け、4度目の五輪となるミラノ・コルティナ五輪は日本にペア初、歓喜の金メダルをもたらした。2026年4月、競技引退を表明。