稀代のエンターテイナー フィギュアスケーター高橋大輔 40歳の飛躍 プロスケーター・高橋大輔さん。25歳のとき、故・篠山紀信さんの撮り下ろしで本誌初登場以来、30歳ではスーツにタキシード姿で撮影、35歳のときには、アイスダンスパートナーの村元哉中さんと練習拠点を構えるアメリカ・フロリダへ現地取材。人生の節目節目に特別取材をしてきたが、このたび40歳の誕生日、ダブル成人式を迎えるにあたり、きもの姿を披露。過去、現在、未来への想いを大いに語ってくれた。
刺激があり、成長させてくれる大好きなエンターテインメント

2026年3月19日から始まるアイスショー『滑走屋〜第二巻〜』。四大陸選手権で優勝した青木祐奈選手をはじめ、出演した若手たちが輝きを増していく様子は、リアル青春群像劇のよう。
エンターテインメントの世界で生きる喜びに、毎日が充実しています。
──第4作まで続いている『氷艶』、26年3月に第二巻が開幕予定の『滑走屋』は、高橋さんにとってそれぞれどのような意味がありますか?高橋 『氷艶』シリーズは「お芝居」が重要な要素なので、スケートとはまた違う表現方法が僕にとって毎回学びです。昨年の公演で演出の堤 幸彦さんやSUGIZOさん、W主演だった増田貴久さんたちと出会えたことは、本当に幸せな財産になりました。自分の好きな世界観を提供している『滑走屋』は、僕にとって新しいことをチャレンジさせてもらえる場所。今まさに3月の公演に向けての佳境で、プロデューサーとしての自分の至らなさ加減に日々追い込まれています(苦笑)。第二の青春ではないですが、若手スケーターのみんなと一緒に成長する気持ちで取り組んでいます。
──アイスショーはいかがですか?高橋 ゲストとしてさまざまなアイスショーに出演することで、自分がどう受け入れられているか、ダイレクトに感じることのできる場です。判断基準になるというか。お客様の反応から自分の感覚とのズレもわかる。ズレは、それはそれで面白いのですが。
──まもなく40歳の誕生日ですね。高橋 来てしまいました(苦笑)。ソロのパフォーマンスは45歳くらいまでかなと漠然と思っていたので、いよいよ最終段階を考え始める時期に入りました。スケートに限らず、パフォーマーの先輩方によると43歳くらいからガクッとくるらしいんです。パフォーマーとしては、ここからいつ終えるかの選択になってくる。でも、僕はスケーターだけやっているわけではないので、40歳は第二の人生の始まりだと感じています。もちろん今を最大限大切にしてはいますが、どのように切り替えていこうかなと模索し始める年。逆にこれからやれることも増えていくでしょうし、自分でもこの先が楽しみです。
お祖母様、お母様がきもの派で、きもののある暮らしが日常だった高橋さん。「昨年は日本舞踊西川流の舞台に出させていただきました。詳しくはないですが、日本の伝統文化が大好きです」。
──10年後はどんな50歳でしょうか?高橋 まったく考えられない(笑)。50歳だと、パフォーマンスが限られてくるかもしれませんが、お芝居を含む氷上劇やアイスショーのプロデュース、アイスダンスナンバーやグループナンバーへの出演など、その年齢ならではの活躍の仕方もある気がしています。芝居における大御所の方のように存在感を発揮できたらいいですね。僕はやはりエンターテインメントが大好きだし大切なので、スケートも含め、その世界に幅広くかかわっていきたいです。
──節目となる50歳でも、また撮り下ろしをしましょう!高橋 そのときまで体形もキープしなければ(笑)。皆さんに喜んでいただくためにも、ここからの人生、よりよく生きていくことが大切ですよね。お酒、食べ物、体のケアなどの生活面に今まで以上に気を配り、充実した幸せな毎日を過ごしていきたいです。
今の素顔が見える一問一答
Q 一番リラックスできるのはどんなとき?
A お風呂タイムです。お湯に浸かっているのは5分くらいなのですが、「あぁ疲れていたんだ〜」と実感できてホッとする時間です。
Q 今、好きな色とその理由を聞かせてください。
A 白。自分にしっくりくるのは黒なのですが、プロデュースを始めたこととも関係しているのか、いろいろな色に変わっていける白が素敵に思えて惹かれます。(40歳、不惑のイメージカラーが白であると伝えると)知りませんでした! ピッタリですね(笑)。
Q 本番前に食べるもの、大仕事が終わった後のご褒美ご飯は?
A 本番前はおなかいっぱいになりたくないので、バナナを食べます。ご褒美はすし、焼き肉、串。この3つのどれかです。
Q 好きな音楽、もしくは音は?
A 大好きなのは雨の音。よく眠れるように、いつも雨の音を流して寝ているんです。癒やされます。
Daisuke Takahashi1986年3月16日生まれ、岡山県倉敷市出身。2010年バンクーバー五輪で日本男子初の銅メダル、同年世界選手権で同じく初の金メダルを獲得。五輪3大会連続出場。14年現役引退後、18年32歳で復帰。20年アイスダンスに転向。23年現役引退後はプロスケーター、プロデューサーとしてアイスショーを率いるほか、コメンテーターや俳優として映画に出演するなど、エンターテインメント界で活躍中。