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【特別撮り下ろし】フィギュアスケーター高橋大輔さんインタビュー前編 ダブル成人式記念に、きもの姿で登場

2026.03.25

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稀代のエンターテイナー フィギュアスケーター高橋大輔 40歳の飛躍 プロスケーター・高橋大輔さん。25歳のとき、故・篠山紀信さんの撮り下ろしで本誌初登場以来、30歳ではスーツにタキシード姿で撮影、35歳のときには、アイスダンスパートナーの村元哉中さんと練習拠点を構えるアメリカ・フロリダへ現地取材。人生の節目節目に特別取材をしてきたが、このたび40歳の誕生日、ダブル成人式を迎えるにあたり、きもの姿を披露。過去、現在、未来への想いを大いに語ってくれた。
[特別撮り下ろし]稀代のエンターテイナー フィギュアスケーター高橋大輔 40歳の飛躍

きもの・帯・羽織・袴一式/銀座もとじ 男のきもの 雪駄/銀座ぜん屋本店 扇子/白竹堂

高橋さんの新しい魅力を引き出す、お洒落で凛々しいきものの装い。春らしい若草色の糸で斜め格子に織り上げた、明石(あかし)縮(ちぢみ)の透け感のあるきものに、染色家・小倉淳史氏作の一つ紋を絞りで染めた羽織。縞の一本を臙脂色で構成した、個性的な仙台平の袴で。明石縮のきものは、春から秋まで、長襦袢の素材を替えれば3シーズン着られるもの。ちょっとした仕草で袖口が透けて、大人の色気を醸して。

ダブル成人式記念に、きもの姿で登場
この先、楽しみで仕方がない。第二の人生がここから始まる

なんて素敵な年の重ね方をしているのだろう。撮影のセッションを楽しむ余裕、穏やかな微笑み、独占インタビューからもにじみ出る充実感。「一度目の現役引退をした頃の苦しかった時期があったからこそ、周囲への感謝にも気づけた」と語る。40歳からの日々、ますます輝く姿を見せてくれるに違いない。

こんなに幸せでいいのか、充実している毎日に自問自答

──まもなく40歳、ダブル成人式を迎えるお祝い企画ということで、本誌では初めてきもの姿で撮影させていただきました。いかがでしたか?

高橋大輔さん(以下、高橋)このきもの、本当に肌触りがよくて。着心地も軽いので楽だし、しっくりきます。ここ1〜2年、不思議と和の文化に触れる機会が増えてきました。洋服だと子どもっぽく見えてしまうときがあるのですが、和服だと少し大人の自信が持てる気がします(笑)。

──30歳、2017年1月号でのインタビューでは「40歳のときにはノリにのっていて、やりがいを見つけ、そこに人生を懸けられるような自分でありたい」と語っていました。


高橋 もう見つけられました! 38歳、特に39歳の頃から、スケートに限らず、やはりエンターテインメントという世界が自分にとって本当にやりがいのあるものだと思えるようになってきたんです。25年は、プロデュースしている『滑走屋』や氷上音楽劇『氷艶 hyoen 2025ー鏡紋の夜叉ー』(以下、『氷艶』)に映画『蔵のある街』の公開もあり、本当に楽しんで過ごせた一年でした。人生、楽しもうと思ったらこんなに楽しめるんだ、心持ち次第でこんなに変わるんだと実感しています。もちろん、忙しくて大変なときもありますが、それさえも楽しもうと思える。こんなに幸せでいいのかなと思うくらい、今、充実していて幸せです。

お祖母様、お母様がきもの派で、きもののある暮らしが日常だった高橋さん。「昨年は日本舞踊西川流の舞台に出させていただきました。詳しくはないですが、日本の伝統文化が大好きです」。

お祖母様、お母様がきもの派で、きもののある暮らしが日常だった高橋さん。「昨年は日本舞踊西川流の舞台に出させていただきました。詳しくはないですが、日本の伝統文化が大好きです」。


──それは本当によかったですね!30歳の頃を振り返ると、どんな日々だったと思いますか?

高橋 怪我の影響もあり、思うようなパフォーマンスができなくなって、28歳で1度目の現役引退──。生き方を模索していた、苦しい時期でした。でも、あの日々があったから32歳での現役復帰、アイスダンスへの転向にも繫がって今に続くわけで……。それまでは何のストレスもなく、ひたすらスケートに打ち込んできましたが、周囲の人がサポートしてくれるからこそ、やりたいことができるのだということがよくわかり、感謝の気持ちを持てるようになりました。この時期の経験から、多くの影響や刺激を受けました。

──苦しくも意味がある日々だったのですね。今改めて、村元哉中さんとカップルを組んでアイスダンスをやってよかったと思われますか?

高橋 (即答で)はい。スケーターはみんなやったほうがいいです。練習の経験だけでもいいので、ぜひすすめたい。シングルとはまた違う奥深さや面白さ、普段味わえないスケートの感覚を味わえるんです。シングル時代、僕はストーリー性にあまりこだわらず心の赴くままに滑っていたのですが、アイスダンスではパートナーと方向性を合致させる必要がありますよね。話し合いを通じて、表現の幅が広がったのではないかと感じています。

──村元哉中&高橋大輔組の登場や活躍によって、アイスダンスを目指す若いスケーターが、年々増えている現状をどう感じていますか?

高橋 僕たちの影響だけではなく、日本スケート連盟がカップル競技の養成に注力してきたことの芽がやっと出てきたのだと思います。でも、アイスダンスを志すスケーターが増えるのは本当に嬉しい! 25年12月に行われたジュニアとシニアの全日本選手権を見に行ったのですが、将来有望なアイスダンスカップルが何組かいました。ただ、カップル競技は相性の問題もあるので、継続するのが一番難しいのですが(苦笑)。みんな、続けてほしいです。

Daisuke Takahashi Daisuke Takahashi
1986年3月16日生まれ、岡山県倉敷市出身。2010年バンクーバー五輪で日本男子初の銅メダル、同年世界選手権で同じく初の金メダルを獲得。五輪3大会連続出場。14年現役引退後、18年32歳で復帰。20年アイスダンスに転向。23年現役引退後はプロスケーター、プロデューサーとしてアイスショーを率いるほか、コメンテーターや俳優として映画に出演するなど、エンターテインメント界で活躍中。

(次回へ続く。)

この記事の掲載号

『家庭画報』2026年04月号

家庭画報 2026年04月号

撮影/下村一喜〈アジャンスヒラタ〉 きものコーディネート/相澤慶子 着付け/伊藤和子 ヘア&メイク/宇田川恵司 構成・取材・文/小松庸子

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