〔特集〕冬の祭典、応援企画 五輪代表選手から四大陸選手権派遣、現役引退の選手まで 「銀盤(フィギュアスケート)こそ我が人生」 2026年2月6日から行われているミラノ・コルティナ冬季五輪。今季の戦績や全日本選手権での活躍を踏まえ、2025年12月21日、写真(2枚目)の代表選手たちが選出された。メダルが期待される女子シングルの坂本花織選手、男子シングルの鍵山優真選手、ペアの三浦璃来&木原龍一組ほか、銀盤に真摯に向き合う代表選手たちを中心にご紹介。
・
特集「冬の祭典、応援企画 銀盤(フィギュアスケート)こそ我が人生」の記事一覧はこちら>>>
北京五輪男子シングル・銀メダル 鍵山優真選手
前回2022年の北京五輪出場時は18歳で末っ子的な立ち位置だったが、今回は世界のトップスケーターの一人として臨む。全日本選手権でのSP(ショートプログラム)「I Wish」より。
2026年2月6日から現在行われているミラノ・コルティナ冬季五輪。メダル獲得数が冬季五輪の過去最多を記録する勢いのチームジャパンだが、フィギュアスケートでも代表に選ばれたスケーターたちが皆、輝きを放っている。個人戦に先駆けて行われた団体戦では見事な団結力を見せ、銀メダルを獲得。仲間を思って励まし合い、渾身の力で演技する姿は感動シーンの連続だった。
そして個人戦のスタートを切った男子シングル。優勝候補筆頭だったイリヤ・マリニン選手(アメリカ)にジャンプミスが続くまさかの展開となり、いまだに衝撃冷めやらぬフリースケーティング(以下FS)の結果。そんな緊張感あふれる中、自分を信じて滑り切ることができたのが鍵山優真選手と佐藤 駿選手だった。
鍵山選手にも珍しいジャンプのミスなどがあり、惜しくも金メダルは逃したものの大崩れせず耐え抜いたことが銀メダルに繫がった。そして、ショートプログラム(以下SP)9位という順位でも投げ出さず、本来の力を発揮して3位を勝ち取ったのは佐藤 駿選手。
熾烈な代表争いを勝ち抜いて初の五輪出場となった三浦佳生選手は SP22位からのFS10位、総合13位。靴が破損するトラブルなどの影響で、SPでは本領発揮できなかったが、FSの際には三浦選手らしいダイナミックな滑りで会場を魅了した。
三者三様、喜びと一抹の悔しさが入り混じった五輪だったと思われるが、この経験をバネにさらに大きく羽ばたいてくれるに違いない。
17日にはいよいよペアのFSが行われる。16日のSPでは、試合で滅多に見ないリフトのミスがあり、5位スタートとなった世界王者・三浦選手&木原選手だが、気持ちを切り替えて臨んでほしい。いつもの滑りができたら、結果は間違いなくついてくるはず。2人の最高の笑顔が見られると信じている。
皆さん、寝不足の日々だと思うが、まだまだここから全力応援!そして、ペアのあと、18日と20日には女子のSPとFSが予定されている。
【男子】熾烈な代表争いを制し、いざ五輪へ
切磋琢磨してきた幼なじみの“三羽がらす”で表彰台を目指す
全日本選手権前、誰がこの結果を想像できただろうか。全日本選手権での男子シングル上位3選手の記者会見。終わってみれば、顔を揃えたのは幼少期から親交が深く切磋琢磨してきた鍵山優真、佐藤 駿、三浦佳生 各選手だった。
演技直後はミスした悔しさから優勝したとは思えない号泣を見せた鍵山選手だが、表彰式でようやく笑顔に。

記者会見では3人でポーズ。
実績から鍵山選手は当確として、2位、3位の席は友野一希選手、山本草太選手なども加え、レベルが拮抗して見通せない状況だった。
ジャンプやスピンのミスで本来の力を発揮しきれず号泣する友野選手の姿に、観客席も記者席も思わず涙を拭う人々が多かったのは、この瞬間、五輪への道が遠のいたことがわかったからだ。4年に一度、五輪シーズンのピーキングはそれほどまでに難しい。
佐藤選手はこの一年、驚くほどの安定感を見せ、信頼できるスケーターへと成長した。一番の驚きは三浦選手だろう。2024年に怪我をした左脚の痛みが再発し苦しんでいたが、徐々に調子を上げて全日本選手権にかけた。
ここぞという時の勝負強さは、時に人生を左右する。熾烈な代表選考を勝ち抜いた“三羽がらす”パワーで大いに五輪を沸かせてほしい。
鍵山優真選手
完成度の高いスケーティングで頂上を目指す
2003年5月5日神奈川県生まれ。2度の五輪出場経験がある父・正和さんの指導を受ける。北京五輪団体戦、個人戦ともに銀メダル。23/24シーズンからコーチにカロリーナ・コストナーさんが加入し、元々得意なダンスの表現力が格段にアップした。
『メダリスト・オン・アイス』では角野隼斗さん作曲の「frostline」を。

父仕込みのスケーティング技術にコストナーコーチの演技力が加わってジャンプ、スピン、ステップがより上質に進化中。写真/長田洋平〈アフロスポーツ〉
佐藤 駿選手
安定感を増したジャンプを武器に表彰台へ
2004年2月6日宮城県生まれ。5歳から、アイスリンク仙台でスケートを習う。全日本ノービス選手権4連覇。2018年父の転勤で埼玉へ転居し、日下 匡力(くさか・ただお) 、浅野敬子両コーチに師事。2019年ジュニアGPF優勝。2024年・2025年GPF3位。2025年全日本選手権2位。
全日本選手権SP「ラヴェンダーの咲く庭で」。ジャンプの回転ピッチが速く得意としている。鍵山選手、三浦選手とは幼少期から優勝を競い合う。

アツい日下コーチと飄々とした佐藤選手の掛け合いも人気。
三浦佳生選手
ダイナミックで漢気(おとこぎ)溢れる演技が魅力
2005年6月8日東京都生まれ。2018年ジュニア1年目で4回転トウループに成功。2023年四大陸選手権・世界ジュニア選手権優勝。2024年に怪我をした左脚の痛みに長らく苦しんだが、25/26シーズンのGPSスケートカナダから復調し3位。全日本選手権3位。
初の五輪を目指し全日本選手権で勝負。SP「Conquest of Spaces」での気迫溢れる演技で会場を魅了した。

やりきった達成感からか演技後に滂沱の涙を流し、佐藤紀子コーチももらい泣き。
(次回へ続く。この特集の一覧>>)