藤田敦史監督(2023年から現職)
「田澤 廉、山野 力、円 健介たちが4年生でチームを引っ張り、三冠を達成した2022年~23年のシーズン、箱根駅伝で5区を走ったのが山川、6区が伊藤でした。三冠を経験している彼らが4年生のときにまた箱根駅伝で優勝して、歴史をつないでいきたいんです」。11月の取材時にアツく語ってくれた藤田監督でしたが、想像以上の苦しい状況に。優勝という、望んでいた結果には届かなかったものの、諦めない走りの中に希望の光も見えました。
——悔しい結果になってしまいましたね⋯⋯。悔しいという思い以上に、私が万全の区間配置をすることができなかったので⋯⋯、それが本当に申し訳ないと思っています。
——11月終わりの頃に伺った取材では全日本大学駅伝優勝の勢いもあって、皆さん調子が良く一体感も感じられました。12月上旬の合宿以降、監督はどのようなお気持ちだったのでしょうか。「これはどうなるかな、どうするかな」と。青山学院の黒田(朝日)くん(4年)は山登りの5区に抜擢されるのではないかと読んでいたので、そのためにはやはり山川を5区にして、1区を小山翔也(3年)、2区と3区を谷中 晴か圭汰、4区を帰山という布陣で考えていたのですが、往路と復路を大幅に入れ替えざるをえなくて。主力からこれ以上故障者を出せないので大事に対処するしかなく、強気な練習ができなくなってしまったんです。
——今後に向けて、今大会をどのような教訓にしていきたいですか?戦力があったとしても、その子たちがしっかり走れる環境を整えてあげないと意味がないので、そこは私も勉強していかなければと強く思いました。選手たちも、大会が近づいて気持ちが入ってくるとつい頑張り過ぎてしまいますが、本格的に怪我をする前には必ず小さなサインがあるはず。それを見逃さないよう、各自の意識を徹底することはとても大事ですよね。指導側の人員補強など、体制強化も必要かもしれません。
——収穫としてはどんなことが挙げられますか?強力な顔ぶれが揃うエース区間の2区で、桑田(駿介・2年)が会心の走りを見せてくれたのは明るい兆しです。日本人選手の中では早稲田大学の山口智規駅伝主将(4年)、中央大学の溜池一太選手(4年)に続く3位と粘ってくれました。駅伝では本来の力をなかなか発揮しきれずにいましたが、2025年11月の上尾シティハーフマラソン・大学生男子の部でいい勝負ができ、僅差の2位に食い込んだことが、自信復活に繋がったのだと思います。
あとはなんといっても佐藤圭汰。疲労骨折から回復して2週間余りで、区間新の走りですよ。普通、できません。思わず涙が出ました。圭汰が意地の走りで、諦めない駒澤の魂を後輩たちに繋いでくれました。4年生たちは皆、本当に一所懸命やってくれました。今回は残念でしたが、4年の間、これだけ貢献し続けてくれた代はなかなかいないと思っています。感謝しかないです。後輩たちには大学駅伝の経験者たちがたくさんいますので、ここからが勝負!また、強い駒澤復活を目指して頑張っていきます。
12月に入った途端、襲いかかってきた試練。でも、この学生時代にこの苦しみを経験したことで、どれだけ度量が広がったことか。必ず今後の人生の糧となるに違いありません。そして、4年生が見せた最後まで諦めない駒澤魂は、藤色の襷とともに受け継がれていくはず。村上 響新主将を中心とした新チームの成長も楽しみです。
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