女子中長距離走において、13もの日本記録をもつ田中希実選手。大柄な海外選手たちに囲まれても諦めず、ひたむきに走り続ける姿に感動する人々が続出。世界陸上を前に、自分自身について、これからの夢や目標など、自ら真摯に繊細に綴ってくださいました。こちらの7問7答は、本誌未掲載、初めてご紹介する田中選手の原稿となります。
『家庭画報』10月号「東京2025世界陸上 感動の一瞬がそこに」掲載のQ&A前編と併せてお読みください。5000メートル予選では見事な走りで、4大会連続決勝進出の快挙となりました。予選で見せた田中選手と山本有真選手の共闘、そして讃えあう姿にグッときた方も多いはず。20日の決勝で、田中選手の笑顔が見られますように!
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Q1 田中希実選手にとって、中長距離走の面白さ、難しさとは?
A どのスポーツもそうかもしれませんが、最高のパフォーマンスを目指す上で、心身ともに誤魔化しが利かないところが難しいです。
ただ中長距離種目は競技中のみならず、練習過程も、心身を最高の状態に持っていくまで、他種目以上にキャリアを通してじっくり磨いていける猶予があるので、年齢など関係なく、いつでも成長・活躍できるチャンスがあるところが魅力的です。そのため、中長距離では走ることを心の底から好きと感じているか、または、天職と信じ覚悟を決めているかが、生まれ持った才能以上に真価を発揮するところが面白いと思います。
Q2 陸上選手として進化していく上で、大切な存在は?
A 家族をはじめ、家族同然に支えてくださったり、応援してくださったりする方々が大切です。互いのことを自分事と捉え、本音でぶつかり合える存在が進化する上で一番大切だと思います。
2025年7月に行われた日本選手権にて。1500&5000メートルにて優勝。
Q3 素の自分の性格は?
A 負けず嫌いではありますが、勝てたら勝ちたいなくらいで、絶対勝つ!という意気込みはどうしても持てません。勝負事には向いていないのだと思います。ただ、マイペースなので時間を気にせず目の前のことに集中できる性格は、長距離に向いているのだと思います。
誰にも見られず作業して、その成果を大きく発表することに喜びを感じるので、スポーツよりは、文化系の方がもっと向いていたのではと思います。それでも、心身ともにきついことも本来苦手なので、自分で何か作るよりずっと内にこもって本を読んでいたいです。
Q4 食べ物、音楽、服の色、読む本など、日常生活や試合前のルーティンはありますか?
A その時々に気が向くことをします。起きていたらいろいろ考えすぎて走る前に疲れるので、シャットダウンするためにあえて寝たりします。
Q5 陸上競技選手としての強み、さらに強化していきたいと思う部分は?
A 高強度のトレーニングやレースを高頻度でこなせて、回復力が高く、ケガの少ないことが強みだと思います。ただ、生まれもったスピードは多くの選手より劣り、スタミナも、他選手と練習量で比べても、自信を持てる域には達していないと感じています。スタミナとスピード両方を、自身の能力に合わせて段階的に強化していきたいです。
ワールドアスレティックスが設定する参加標準記録を突破していたため、7月の日本選手権では3位以内の入賞で代表内定だったところ、2種目とも優勝して、世界陸上出場に花を添えた。