──織田さんご自身がもし陸上のアスリートだったとしたら、何をやりたかったですか?
織田さん「やり投です。一度、あのやりを投げてみたい。前から思いながらも、なかなか機会がないまま、もう投げないほうがいいかなという年齢になってしまいました(苦笑)。実は小さい頃、野球でサードをやっていたのですが、わりと肩が強かったんです。やりを遠くへ投げて、綺麗な放物線を描きながらすっと刺さって立ったら気持ちいいだろうなと思います」

──世界陸上には13大会連続のメインキャスター、そして今回スペシャルアンバサダーとして関わられているわけですが、世界陸上との出会いによって影響を受けたことやご自身の変化は何かありますか?
織田さん「織田裕二って変な人だな、と思われるようになった面はあるかもしれませんね(笑)。役者だけやっていたら、そうはならなかったと思うんです。陸上をいかにエンターテインメントにするか、陸上と今まで縁がなかった皆さんに楽しく観ていただくにはどうするのがいいのか。いろいろ考えて、最初は世界陸上のアンバサダーとして演じているつもりでやっていたので、張り切っていたから、若い頃は特に変な言葉もたくさん言ったんでしょうね。でも実際、役ではないですからね。素なのかな?(笑)
真面目な話、世界中から各競技のナンバーワンが集まって真剣に挑む世界陸上に関わる機会は、僕にとってすごい刺激になりましたし、鍛えられた面もあります。アスリートと役者、畑は全然違うのですが、僕も仕事だからこそ、これだけきっちり観続けることができたんだと思います。
ただ好きで番組を観ているだけだったら、ここまで陸上にはまらなかったかもしれない。いろいろ調べて観続けているからこその発見、気づき、面白さ。仕事として向き合っていなければ得られない瞬間ってありますよね。そして、僕は面白いと感じたことやその瞬間を、観ている人にできるだけ伝えたいと思っています」
──もし織田さんが、陸上競技にまつわる映画やドラマに出演されるとしたら、何の競技がいいですか? 監督、コーチ、選手、どの役がいいでしょう?
織田さん「できるだけキツくないのがいいけれど(笑)、どれも大変ですよね。なんだろう。あ、やってみたいのはやはり、やり投ですね。映画『ロッキー』の世界のようですが、57歳のやり投選手、世界陸上を目指す。やはり、それかな」
織田裕二俳優。1997年から2022年まで13大会連続でTBSテレビ『世界陸上』メインキャスターを務める。陸上ファン以外の人にも、陸上の魅力をわかりやすく、熱く伝えてきたその功績は大きい。東京2025世界陸上ではスペシャルアンバサダーに就任。