「これからは家族との時間を一番大切に。そしていつか指導者として自分の教え子から日本代表選手が育ったら嬉しい」古賀紗理那
ジャケット40万5900円 パンツ25万800円/ともにザ・ロウ(ザ・ロウ・ジャパン)イヤリング44万4400円 ネックレス55万1100円/ともにTASAKI
周囲に惜しまれつつ、パリ五輪を最後に現役を引退した古賀紗理那さん。体力も気力も充実してまだいけると思う気持ちもある中で、どのように引退を決断したのでしょうか。
「小学生でバレーボールを始めたときから、この年齢でやめると決めて人生設計をしてきました。せっかく28歳まで続けるのなら、ほかの人よりも絶対にうまくなって、バレーボールの道を極めてから引退をしよう、そんな気持ちで最後の日までやっていました。なので自分では、やりきった感はあります」
バレーボール人生をかけた最後の戦いと決めて挑んだ2024パリオリンピックにて。(写真:エンリコ/アフロスポーツ)
夫の西田有志選手は自分とは真逆、と言い切るほど、計画的に物事を進めていくのが古賀さんのスタイル。
「自分の目標を決めて、この年齢にはこうなっている、1年後はこういうプレーができるように“なりたい”ではなく、“なっておく”と決めて逆算し、今やるべきことは何だろう、と考えてトレーニングをしていました」
では引退した今、その後の人生設計はどこに向いているのでしょう。
「今までずっとバレーボール中心、自分中心に生きてきたので、今一番大切にしたいのは、家族と一緒に過ごし、向き合う時間です。ただ、バレーボールには今後もかかわっていきたくて、人材育成にとても興味があります。夫の試合なども見に行きますが、わいわい応援するというよりも、戦術面はどうなっているのか、このチームはどういう意図でローテーションを回しているのだろう、ディフェンスは? ブロックはどう?といったことに注目して試合を見ていますね」
夫の西田選手のユーチューブチャンネルでも、母校である熊本信愛女学院のバレーボール部を訪問。後輩たちに直接指導したり、的確なアドバイスをするなど、少しずつ活動を始めています。
母校の熊本信愛女学院にて、後輩たちの質問に答えながら真剣な眼差しで熱血指導。(写真:YouTube西田有志チャンネル)
「高校生ぐらいの子たちに、プレーに対する考え方や取り組み方などを指導していきたいです。これは決して批判ではないのですが、私の学生時代は、たとえばアイスを食べてはいけないとか日々の生活面に対してすごく厳しくて、“気持ちが大事”という指導者が多かったと思います。
それに対して私は、生活面の規律よりも、“コートの中でいかに自分を表現できるか”が一番大事と常々思って行動していたんですね。だからそういったところも変えていきたい。選手自身が言われたことだけをやるのではなく、この練習は何に繫がっているのか、自分は何を求めているのかを明確に意識していかないと、いくらトレーニングしても意味がない。そうやって指導した子たちが、ゆくゆくは日本代表選手として活躍できたらいいなぁと妄想しています」
また引退後には、テレビ出演や講演などの機会も増えてきたといいます。
「まずはバレーボールの楽しさや魅力を知ってもらうことに努めたいですね。先日は、あるメーカーさんのトークショーに出演しました。女性特有の悩みにどう向き合うかなどに触れることも、元アスリートとして、とても大切だと思っていて、参加できたのは自分にとってもすごくプラスになりました。そういった場にも積極的に参加して、多方向から女性アスリートを支えていきたいと思います」
大同生命SVリーグ関連イベントにて。
〈後編〉西田有志・古賀紗理那夫妻に聞く「結婚してからの二人、そして未来のこと」→