空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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ブルーモーメント
まだ朝陽が昇る前や、輝く夕陽を見送ったあとなど、夜との境目のわずかな時間に、深い群青の空が現れることがあります。「ブルーモーメント」と呼ばれる現象です。
ブルーモーメントが見られるのは、「
市民薄明(はくめい)」と呼ばれる日の出前もしくは日の入り後の時間帯のうち、日の出の20~30分前、日の入りの20~30分後の10分間ほどです。この時間帯は、地平線の下にある太陽からの光が大気中で散乱して青い光となり、空を照らしています。これに夜空の暗い色が混ざることで濃い青色が生まれるのです。濃い青色の要因には、対流圏の上にある成層圏のオゾンの影響もあると言われています。太陽の高度が低いとき、オゾンには、太陽光のうちオレンジや黄色の光を吸収しやすく、青色系の光を吸収しにくくなるという性質があります。そのため、太陽光が上空のオゾン層を通過した際に残った青色系の光が空に広がります。
太陽の高さが少し変わるだけで、空の明るさや青の深さも刻々と変化します。夕方は、夕陽がもたらす黄金色、赤や紫のグラデーションを経て、やがて群青色の空へ。ブルーモーメントの空を撮影するときは、太陽と反対側の空で、街灯などの光を入れないようにすると、スマートフォンでもきれいに撮ることができます。
昼間の清々しい青空とはまた違い、空も雲も街の景色までもが、優しく深い群青色に包まれる時間です。昼間は忙しくなかなか空を見上げる時間がない方も、夜明け前や仕事を終えて帰路につく頃、いつもより深い「青空」を見上げ、心癒やされるひとときとなりますように。
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写真/荒木健太郎
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/三上 萌々 Momo Mikami気象予報士・防災士。テレビ高知アナウンサーを経て、現在はフリーアナウンサーとして「TBSNEWS」のニュースキャスターなどを務める。防災・減災のため執筆や講演等に取り組み、全国のJリーグクラブを巡り、サッカーと気候変動について啓発活動を行う。
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Instagram●参考文献/宇宙科学研究所(JAXA)『光学的オゾンゾンデ』URL:https://www.isas.jaxa.jp/ISASnews/words/words-23508.html、『すごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)