空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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森林雲(しんりんぐも)
雨上がりに遠くの山を眺めていると、木々の間からモワモワと湯気が上がっているかのような雲が、山肌にはりついて見えることがあります。その名も「森林雲(しんりんぐも)」。ラテン語で森を意味する「silva」とも呼ばれます。この雲の発生には、森林ならではの働きが関わっています。
多くの雲は、空気が冷えて飽和し、水蒸気が凝結することでできますが、森林雲は気温が下がるのではなく、空気が非常に湿ることによって発生します。森の中では、植物の蒸発散により水蒸気が供給されます。土の中にしみ込んだ水は、植物の根から吸い上げられ、葉から水蒸気として放出されて、雲の材料になります。
森林雲が森から離れて空に浮かぶと、
層雲(霧雲)に分類されます。森林雲は森から立ち昇っていたり、森のすぐ近くを漂っています。特に雨上がりには土壌に水分が豊富にある状況になり、そもそも地上付近の湿度が高くなるため、植物の蒸発散による水蒸気の供給で森林雲が発生しやすくなります。
秋の行楽シーズン、里山へ出かける機会も増えるかもしれません。雨の後の森に、しっとりとした森林雲が漂っていないか、ぜひ探してみてください。
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写真/荒木健太郎
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/前田 智宏 Tomohiro Maeda気象キャスター・気象予報士・防災士。福井放送アナウンサーを経て、大阪・MBS「よんチャンTV」などテレビ・ラジオで気象解説を担当。京都大学防災研究所で防災気象情報に関する研究に従事し、博士後期課程在学中。
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Instagram●参考文献:『雲の超図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、『すごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、WMO(世界気象機関)『Explanatory remarks and special clouds』URL:https://cloudatlas.wmo.int/en/explanatory-remarks-and-special-clouds-stratus.html