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山が白くなる「冠雪」で冬の足音を感じる。早くも北国では観測ができるころ

2026.09.30

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空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。 連載一覧はこちら>>

初冠雪

9月も終わり。この時期は、北の大地からは冬の便りが届き始めるころです。

雪やあられなどが山頂付近に積もり、白く見えることを「冠雪」といいます。気象庁では、2025年の冬まで、その年の8月以降、各地の気象台から目視で初めて冠雪が確認できたときに「初冠雪」の発表をしていました。初冠雪の対象になる山は気象台ごとに決まっていて、たとえば、札幌管区気象台では手稲山を、甲府地方気象台では富士山を対象としています。初冠雪の平年日が全国で最も早いのは、旭川地方気象台が観測している旭岳で9月25日です。

旭岳の初冠雪の平年日は、徐々に遅くなっているようです。記録の残る1888年から2025年までのデータを使って、旭岳の初冠雪の平年日を10年ごとに算出してみました。平年日は過去30年分のデータの平均値です。2020年までと、2010年までのそれぞれ30年の平均値は9月25日ですが、2000年までは9月24日、1990年までは9月23日と現在に近づくにつれて徐々に平年日が遅くなっています。さらに、2021年以降に初冠雪の発表があったのはすべて10月に入ってからです。初冠雪の発表が遅くなっている背景のひとつには、地球温暖化が考えられます。


2026年の冬からは、目視ではなくアメダスや気象レーダーなどを活用して、山頂付近で雪が積もったと解析されたときに、初冠雪が発表されるようになります。目視では山に雲がかかっていると冠雪を確認できませんでしたが、新しい運用ではこれまでの平年日より早く、初冠雪の発表がある所も出てくるかもしれません。お住まいの地域で初冠雪のニュースを見聞きしたら、ぜひ山頂付近の雪が確認できるか、ご自身の目でも確かめてみてください。

写真/フォトライブラリー

写真/フォトライブラリー


監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki
雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。X・Instagram・YouTube

文/津田 紗矢佳 Sayaka Tsuda
気象翻訳者・気象予報士・防災士。天気や防災をわかりやすく伝える“気象の翻訳者”として活動中。テレビ朝日「スーパーJチャンネル」など出演。絵本『大あらしだ!ハリケーンがやってくる』(福音館書店)の翻訳を担当。X・Instagram

●参考文献/気象庁『過去の初冠雪の記録(2026寒候年まで)旭岳』URL:https://www.data.jma.go.jp/stats/data/mdrr/fsn_cap/records/104.html、気象庁『初冠雪に関する情報提供の改善について』大気海洋部URL:https://www.jma.go.jp/jma/press/2607/31a/kansetsu202607.pdf、気象庁『初冠雪の観測』URL:https://www.data.jma.go.jp/stats/data/mdrr/fsn_cap/obs_method.pdf

監修/荒木健太郎 文/津田紗矢佳 協力/三上萌々、太田絢子、佐々木恭子、前田智宏

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