空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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中秋の名月
十五夜が近づくと、和菓子店ではお団子が並べられ、フラワーショップではススキやお月見ブーケが店先を彩ります。十五夜の日に見える月は「中秋の名月」と呼ばれ、古来より親しまれてきました。
中秋の名月は、満月とは限りません。そもそも、中秋の名月とは旧暦の8月15日に見える月のことです。旧暦は月の満ち欠けを基準としたもので、月の出ない新月の日を1日として、翌日を2日、その次の日を3日と数えます。そして次の新月の日を、翌月1日とします。一方で、満月になるかどうかは太陽と月の位置関係で決まり、必ずしも満月の日が新月から数えて15日目になるとは限らないのです。
また、月の公転軌道は楕円形であり、新月から満月までにかかる日数は、13.9日~15.6日と幅があります。旧暦の15日は月齢14.0を含む日で、月の満ち欠け周期の中間は約14.8日なので、平均的には旧暦15日よりも満月の方が後になりやすいと言えます。実際に、2026年の中秋の名月は9月25日ですが、満月は2日後の9月27日です。次に中秋の名月が満月となるのは、2030年です。
2026年の十五夜は満ちゆく月です。せわしない日々の中でも、ふっと一息、夜空を見上げてみると、自分の心も満ちてゆくかもしれません。
写真/荒木健太郎
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/津田 紗矢佳 Sayaka Tsuda気象翻訳者・気象予報士・防災士。天気や防災をわかりやすく伝える“気象の翻訳者”として活動中。テレビ朝日「スーパーJチャンネル」など出演。絵本『大あらしだ!ハリケーンがやってくる』(福音館書店)の翻訳を担当。
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Instagram●参考文献/国立天文台『「旧暦」ってなに?』URL:https://www.nao.ac.jp/faq/a0304.html、『広辞苑 第五版』新村出編(岩波書店)、国立天文台『中秋の名月(2026年9月)』URL:https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2026/09-topics03.html、国立天文台『名月必ずしも満月ならず』URL:https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/C3E6BDA9A4CECCBEB7EEA4C8A4CF2FCCBEB7EEC9ACA4BAA4B7A4E2CBFEB7EEA4CAA4E9A4BA.html