空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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遠隔豪雨
台風が接近したとき、台風の進路や中心付近の雨風への警戒はもちろん重要ですが、実は台風から遠く離れた場所でも、大雨となることがあります。こうした「遠隔豪雨」の危険も忘れてはいけません。
遠隔豪雨を引き起こす大きな要因となるのが、台風と高気圧の間で運ばれる多量の水蒸気です。例えば、台風本体の雨雲がかかっていない地域でも、南から水蒸気が流入して山地の斜面に沿って上昇すると、雨雲が発達して大雨になることがあります。また、台風の中心から1000キロメートル離れた場所でも、梅雨前線や秋雨前線などの停滞前線があると、前線の近くに水蒸気が流入して雨雲が発達し、大雨になることがあるのです。実際に2024年の台風10号では、台風の中心は九州付近にありながら、東海地方などで大雨になりました。
遠隔豪雨ですでに大雨になっているところに、台風本体の雨雲が到達してさらに雨量が増えると、河川の氾濫や土砂災害など大規模な水害になることがあります。
たとえ台風の中心から離れていたとしても、前線が停滞している場合などは、早い段階で大雨になることがあります。台風に関する気象解説情報と合わせて、翌日までの大雨などが予想される時間帯を「時系列情報」で確認して備えるなど、 離れた場所にいても大雨となる可能性を考えておくことが大切です。
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写真/NASA
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/三上 萌々 Momo Mikami気象予報士・防災士。テレビ高知アナウンサーを経て、現在はフリーアナウンサーとして「TBSNEWS」のニュースキャスターなどを務める。防災・減災のため執筆や講演等に取り組み、全国のJリーグクラブを巡り、サッカーと気候変動について啓発活動を行う。X・
Instagram●参考文献/『防災の超図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)