連載「心をほどく、和の調べ」 9月は「胡弓(こきゅう)」
選=日本和楽器普及協会
文=舘谷美里(胡弓奏者)日本の伝統楽器の中で唯一の擦弦(さつげん)楽器である胡弓。江戸時代初期には日本に存在していたとされ、主に地唄や歌舞伎などで用いられてきました。
楽器の素材には、三味線にも使われる花梨や紅木といった木材が用いられ、馬の毛で作られた弓で、3本の絹糸の弦を擦って音を出します。最大の特徴は、弓で弦を擦ることで生まれる音の持続性。
弓を返す瞬間に生まれるわずかな音のかすれや、細かく弦を震わせるユリ(ビブラート)は、泣き声や、静かに吹き抜ける風の音を連想させます。
特に富山県で毎年9月に開催される「おわら風の盆」にて奏でられる、「越中おわら節」には欠かせない音色となっています。闇夜に響く胡弓の旋律は、叙情豊かな歌声を包み込み、幻想的な世界を作り上げます。
こちらから演奏をお聞きいただけます。https://youtu.be/4DO1XXyMydUどこか切なさを伴う繊細で艶やかな音色が特徴。「おわら風の盆」では、3日3晩にわたり、演奏をしながら街を練り歩く。
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