空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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雷ときのこ
お味噌汁や茶わん蒸し。炊き込みご飯に鍋料理。料理の主役にも脇役にもなれるのが、きのこの一種・しいたけです。食卓に登場することの多いしいたけをはじめ、きのこと雷には密接な関係があると知ると、少し驚かれるのではないでしょうか。
きのこ生産者の間では、「雷の落ちたところにはきのこがよく生える」という言い伝えが古くからあるそうです。この言い伝えを科学的に解き明かそうとする取り組みが各地で行われています。しいたけ菌を植え付けた原木を電気刺激する実験からは、従来の栽培と比較して生産量が増えることがこれまでに報告されています。実験では、しいたけのほか、しめじの一種やなめこなど他のきのこでも収穫量が増える結果となりました。また、雷の音に注目した研究では、雷の音に含まれる特定の周波数が、しいたけの発生促進に効果的だということが解き明かされています。
雷ときのこ。一見すると遠い存在のように思えますが、実は空と食べ物はつながっているのです。今日の食卓に上る食材も、空と深い関係があるかもしれません。
写真/酒井清大
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/津田 紗矢佳 Sayaka Tsuda気象翻訳者・気象予報士・防災士。天気や防災をわかりやすく伝える“気象の翻訳者”として活動中。テレビ朝日「スーパーJチャンネル」など出演。絵本『大あらしだ!ハリケーンがやってくる』(福音館書店)の翻訳を担当。
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Instagram●参考文献/「日本きのこ学会誌」Vol.31(4)『シイタケにおける雷撃の音圧刺激とその振動周波数が子実体発生促進に及ぼす効果』尾釜遼・清水博幸・平栗健史・高木浩一・高梨琢磨・相場翔平 URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/msb/31/04/31_117/_pdf/-char/ja、「農業機械学会誌」74(6)『食用きのこ増産用パルス高電圧発生装置の開発とその効果の検証』高木浩一・齋藤達也・日下智博・坂本裕一・高橋久祐・成松眞樹・長根健一・山口 諒 URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsam/74/6/74_483/_pdf、『すごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、岩手大学パルスパワー・プラズマ研究室『パルス電界を用いたキノコ子実体形成促進』URL:https://pplab.eec.iwate-u.ac.jp/index.php/2020/09/10/mushroom/