空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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遺伝雲(いでんぐも)/変異雲(へんいぐも)
子どもが生まれると、「お母さん似だね」、「この部分はお父さんに似ている」などの会話がよく繰り広げられます。実は、空に浮かぶ雲にも親子がいて、親の特徴が子どもに遺伝したり、まったく別の雲に変異したりすることがあるのです。
雲は単体でも発生しますが、ある雲から別の雲が発生することもあります。元の雲を「親雲(おやぐも)」といい、親雲の一部が成長して変化し、別の雲になるものを「遺伝雲(いでんぐも)」といいます。暑い時期に見かけることの多い積乱雲を例に見てみると、
積乱雲の上部から広がる
かなとこ雲が、上空の風に流されて
濃密巻雲という雲になることがあります。この場合、積乱雲が親雲、濃密巻雲が子どもとなり、子どもの雲の名前は「積乱雲遺伝濃密巻雲」となります。
また、雲全体か大部分がほかの雲になるものを「変異雲(へんいぐも)」といいます。例えば、飛行機雲は10分以上消えずに空に残った場合、
巻雲に分類されます。このとき、飛行機雲が親雲で、巻雲が子どもとなり、子どもの雲の名前は「飛行機雲変異巻雲」です。
同じ親からでも個性の違う子どもが生まれるのは、雲も人間も一緒です。ぜひ空をじっくり見上げて、雲の親子関係に注目してみてください。
写真/荒木健太郎
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/津田 紗矢佳 Sayaka Tsuda気象翻訳者・気象予報士・防災士。天気や防災をわかりやすく伝える“気象の翻訳者”として活動中。テレビ朝日「スーパーJチャンネル」など出演。絵本『大あらしだ!ハリケーンがやってくる』(福音館書店)の翻訳を担当。
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Instagram●参考文献/『雲の超図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、『すごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)