カルチャー&ホビー

雲は遺伝したり変異したりする。今日見た雲にも“親子関係”があるかも

2026.09.11

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空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。 連載一覧はこちら>>

遺伝雲(いでんぐも)/変異雲(へんいぐも)

子どもが生まれると、「お母さん似だね」、「この部分はお父さんに似ている」などの会話がよく繰り広げられます。実は、空に浮かぶ雲にも親子がいて、親の特徴が子どもに遺伝したり、まったく別の雲に変異したりすることがあるのです。

雲は単体でも発生しますが、ある雲から別の雲が発生することもあります。元の雲を「親雲(おやぐも)」といい、親雲の一部が成長して変化し、別の雲になるものを「遺伝雲(いでんぐも)」といいます。暑い時期に見かけることの多い積乱雲を例に見てみると、積乱雲の上部から広がるかなとこ雲が、上空の風に流されて濃密巻雲という雲になることがあります。この場合、積乱雲が親雲、濃密巻雲が子どもとなり、子どもの雲の名前は「積乱雲遺伝濃密巻雲」となります。

また、雲全体か大部分がほかの雲になるものを「変異雲(へんいぐも)」といいます。例えば、飛行機雲は10分以上消えずに空に残った場合、巻雲に分類されます。このとき、飛行機雲が親雲で、巻雲が子どもとなり、子どもの雲の名前は「飛行機雲変異巻雲」です。


同じ親からでも個性の違う子どもが生まれるのは、雲も人間も一緒です。ぜひ空をじっくり見上げて、雲の親子関係に注目してみてください。

写真/荒木健太郎

写真/荒木健太郎


監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki
雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。XInstagramYouTube

文/津田 紗矢佳 Sayaka Tsuda
気象翻訳者・気象予報士・防災士。天気や防災をわかりやすく伝える“気象の翻訳者”として活動中。テレビ朝日「スーパーJチャンネル」など出演。絵本『大あらしだ!ハリケーンがやってくる』(福音館書店)の翻訳を担当。XInstagram

●参考文献/『雲の超図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、『すごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)

監修/荒木健太郎 文/津田紗矢佳 協力/三上萌々、太田絢子、佐々木恭子、前田智宏

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