空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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環水平アーク
虹といえば雨上がりの空で出合える現象ですが、
ハロや
環天頂アークなど雨が降っていなくても見られる空の虹色があります。そのなかでも、今回は季節限定の虹色をご紹介します。
その稀少な虹色は「環水平アーク」です。通常の虹はアーチ状にその姿を見せますが、「水平虹」とも呼ばれることのある環水平アークは、虹色の帯が空にほぼ真一文字に現れます。現れる位置も、虹が太陽と反対側なのに対して、環水平アークは太陽側の空に現れ、太陽に向かって腕をまっすぐ伸ばしたとき、太陽から手のひら二つ分ほど下の空にその姿を見ることができます。
環水平アークの虹色を作り出すのは、氷の雲です。薄雲の名前で知られる
巻層雲や、すじ雲と呼ばれる
巻雲は氷の結晶でできており、この氷の結晶がプリズムの役割を果たし、太陽の光を赤から紫の虹色に分けているのです。特に、いわし雲とも呼ばれる
巻積雲からもやもやした雲が現れ始めているときは観察のチャンスです。
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雲が水と氷のどちらでできているのか、簡単に見分ける方法を知る「
逆さ虹」ともいわれる環天頂アークは太陽から手のひら二つ分ほど上の空に、一年を通して朝や夕方に現れます。一方、環水平アークは、太陽高度の高くなる春から秋にかけてのお昼前後の時間にのみ現れます。東京の場合、9月上旬ごろまでは見られる可能性があります。まさに今の時期が、2026年のラストチャンスなのです。空に薄雲やすじ雲、いわし雲が広がっていたら、太陽を直視しないよう注意して、虹色の光の帯を探してみてください。
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写真/荒木健太郎
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/津田 紗矢佳 Sayaka Tsuda気象翻訳者・気象予報士・防災士。天気や防災をわかりやすく伝える“気象の翻訳者”として活動中。テレビ朝日「スーパーJチャンネル」などに出演。絵本『大あらしだ!ハリケーンがやってくる』(福音館書店)の翻訳を担当。
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Instagram●参考文献/『すごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、国立天文台『日の出入り(東京)』URL:https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2026/s1309.html