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地形由来の名字「大森」。駿河の大森氏は大きな勢力を振るいました

2026.09.03

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墨アート製作/越智まみ

名字の世界 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

大森(おおもり)

「大森」は地形由来の名字で各地にあります。

「森」に似た場所として「林」があります。「林」は人がある程度整備した里山を指すのに対し、「森」は人の手が入っておらず自然の状態が残っている場所を指しています。今とは違って重機などがない時代、手作業で山を整備するのは大変でした。従って、「林」は面積の狭い所が多く、「小林」はトップテンにも入るとても多い名字であるのに対し、「大林」はそれ程多くはありません。

一方、「森」はとくに面積的な制限はなく、「大森」「小森」いずれも名字ランキングでは500位以内というメジャーな名字となっています。


また、森は木の実や山菜など食べ物もあり、小動物を狩ることもできました。そのため、森の中に住むことは少なくても、森の近くは住みやすい場所だったと思います。

そして、大きな森の近くは「大森」という地名になり、そこに住んだ人達が「大森」を名字にしました。従って、各地をルーツとする大森一族があります。

歴史的には最も有名なのが駿河の大森氏です。駿河国駿河郡大森(現在の静岡県裾野市)をルーツとし、藤原北家の末裔と称していますが実際はよくわかりません。

鎌倉時代から活動が見られ、室町時代の大森氏頼は駿河東部から相模西部にかけて大きな勢力を振るいました。戦国時代初期に北条早雲によって追われたものの、江戸時代も旗本となって存続しています。

なお、旗本には武蔵国入間郡大森村(現在の埼玉県入間市)をルーツとする別の大森家もあります。

現在は沖縄以外に広く分布しており、とくに岡山県、山梨県、栃木県、茨城県に多くなっています。

・ほかの名字の由来も見る>>
森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/
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