空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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行き合いの空
8月の終わり。まだ残暑の続く中ではあるものの、夏が終わってしまう寂しさを覚えるような、少し複雑な気持ちの混ざりあう頃でしょうか。夏から秋への季節の移ろいを映し出した空を、「行き合いの空」と言います。
行き合いの空は古典文学にも登場する表現で、夏の暑気と秋の涼気がせめぎ合う空のことです。季節が行き合う様を目に見える形で表してくれるのは、青空に浮かぶ雲たちです。
今の時期、地上付近には太平洋高気圧に伴う熱く湿った空気が依然として居座っているため、夏を感じさせるモクモクとした形の
積雲や
雄大積雲が低い空に見られます。一方で、上空には
偏西風に乗って大陸からの冷たい空気が流れ込み始め、刷毛でサッとはいたような
巻雲や、つぶつぶの
巻積雲など、秋の代表的な雲が高い空に現れます。
行き合いの空では、低い空から高い空まで様々な種類の雲を観察できます。やがて、地上付近も秋の涼気に覆われるようになれば、夏の代表的な雲を見る機会も減っていきます。夏を惜しみ、秋を心待ちにしながら、この時期だけの雲の共演を楽しんでください。
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写真/荒木健太郎
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/前田 智宏 Tomohiro Maeda気象キャスター・気象予報士・防災士。福井放送アナウンサーを経て、大阪・MBS「よんチャンTV」などテレビ・ラジオで気象解説を担当。京都大学防災研究所で防災気象情報に関する研究に従事し、博士後期課程在学中。
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Instagram●参考文献/『もっとすごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、新古今和歌集 国際日本文化研究センター『和歌データベース 新古今集』 URL:https://lapis.nichibun.ac.jp/waka/waka_i010.html