空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
連載一覧はこちら>>
真夏の降雹(こうひょう)
真夏であるにもかかわらず、道路が真っ白になってまるで雪が積もったかのような光景になることがあります。その原因は「雹(ひょう)」です。
雹は、
積乱雲の中で成長して地上に降ってくる氷の塊のことです。直径は5ミリメートル以上あり、ゴルフボールやグレープフルーツほどの大きさになることもあります。大きな氷の塊であることから気温の高い地上まで融けずに降ってくることができます。雹と同時に積乱雲からは強い雨が降り、地上に落下した雹は雨とともに低地に流れていきます。すると、特に周囲と比べて低い道路などに雹が集まり、真っ白になることがあるのです。
大きな雹は時速100キロメートル以上の速さで地上に降ってくるため、屋外にいると極めて危険です。とはいえ、雹が降るかどうかは雲の様子だけから判断するのは困難です。積乱雲は落雷や竜巻など激しい現象をもたらしやすいので、天気の急変の目安となる積乱雲に関連する雲を見かけたら、レーダーをチェックして自分のいる場所に積乱雲がやってきそうか確認し、早めに安全確保しましょう。
●関連記事を読む
・
雷雨をもたらす唯一の雲、「積乱雲」。見えた時には天気の急変に注意です・
雲の底にできるボコボコとした「乳房雲」。暗い色をしていたら、雷雨に注意・
青空の一方向から広がる「濃密巻雲」に注意。雷雨を伴う雲が近くにある兆しかも・
限界を超える雲がある? かなとこ雲の上に飛び出す「オーバーシュート」・
実は初夏に多く降る「雹」に要注意。空が急に暗くなったら頑丈な建物へ避難を・
夏に出合いやすい「積乱雲」の中の世界とは?
写真/写真AC
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
X・
Instagram・
YouTube文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。
X・
YouTube●参考文献/『雲の超図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、『すごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)