空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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風の強さ
天気予報などで「今日は強い風に注意」といった表現を見聞きすることがあると思います。ひと口に強い風といっても、実際にどの程度の強さなのか、イメージしにくいかもしれません。風は、その風速によって予報用語としての表現が異なっています。風速は通常メートル毎秒の単位で表されますが、時速に換算すると身近なものの速さと比較できてイメージしやすいです。
例えば、平均風速(10分間平均の風速)が10~15メートル毎秒は予報用語で「やや強い風」と呼ばれます。これは時速だと約50キロメートルと自動車と同じくらいの速さで、風に向かって歩くのが難しい状況です。15~20メートル毎秒の「強い風」は時速だと約70キロメートルで、風によって人が転倒することもあり、高所での作業は極めて危険です。「非常に強い風」と呼ばれる20~30メートル毎秒の風速は、時速約90キロメートルに換算できます。これは、高速道路の自動車ほどのスピードで、何かにつかまらないと立っていられないほどの風です。また、30メートル毎秒以上の「猛烈な風」は時速だと約125キロメートルで特急電車ほどの速さ。屋外に出ると極めて危険で、走行中のトラックが横転してしまうこともあります。猛烈な風のうち、40メートル毎秒以上になると、家屋が倒壊するほどの風の強さです。
猛烈な台風では、中心付近の最大瞬間風速(3秒間平均風速の最大値)が85メートル毎秒に達することがあります。これを時速に換算すると、実に時速306キロメートル。新幹線の最高速度と同じくらいの速さで、電柱や街灯も倒れるような威力があります。重い看板や植木鉢などの飛来物で怪我のおそれや、直撃すると命を落とすこともあります。
風速によって想定される影響はあくまでイメージで、地形の影響や建物によって局地的にさらに風が強まることもあります。天気予報で伝えられる風速がどのようなものか想像しながら、暴風が予想される場合には風が強まる前に早めに安全な場所に避難するようにしましょう。
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写真/荒木健太郎
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/三上 萌々 Momo Mikami気象予報士・防災士。テレビ高知アナウンサーを経て、現在はフリーアナウンサーとして「TBSNEWS」のニュースキャスターなどを務める。防災・減災のため執筆や講演等に取り組み、全国のJリーグクラブを巡り、サッカーと気候変動について啓発活動を行う。
Instagram●参考文献/気象庁『風の強さと吹き方』URL:https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kazehyo.html、『防災の超図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)